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グラビアアイドルに釘付け? [マスコミ]

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産経新聞は「社会保険庁OB」を許すのが仕事らしい [マスコミ]

舛添厚労相、年金記録問題で関係閣僚会議設置検討

asahi.com 2007年10月08日20時16分

 持ち主が分からなくなっている約5000万件の「宙に浮いた年金記録」問題で、舛添厚生労働相は8日、京都市内で記者団に対し、「各省の大臣の協力を得ないといけない。総理、官房長官と相談し、政府全体できちんと対応する組織、体制を作り上げたい」と述べ、関係閣僚会議の設置を検討していることを明らかにした。 

 政府は来年3月末までに、5000万件の名寄せと本人とみられる人への通知を終える方針だ。舛添氏は「厚生労働省、社会保険庁だけではとてもじゃないけれども間に合いません」などと述べ、財源について財務省、コンピューターの問題で経済産業省、さらに総務、文部科学、法務各省の協力が必要との考えを示した。会議の設置時期について「1~2週間以内に体制を整える必要がある。総理の許可を頂いてできるだけ早くと思っている」と話した。 

 また、政府・与党が低所得者層に対する基礎年金の加算制度を検討しているとの一部報道については、「まったく議論していない」と否定した。 

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 ところで、この責任は過去の厚生労働省の監督責任も問われますが、実際に社会保険庁の長官を務めていた人には責任はないのでしょうか?

 自分はあると思います。

 この前、「日本の医療は世界一、効率性は? 産経ニュース 2007.10.4」というご意見を産経新聞に掲載されていましたが、その元厚生労働省のお役人さんは・・・何をしていたのでしょうかね。


日本の医療は世界一、効率性は? 
産経ニュース 2007.10.4 

 WHO(世界保健機関)は、2000年に世界の医療を比較して、1位から190位台まで順位を付けた。日本の医療は、そこで総合1位の評価を得た。 
 評価の指針は、国民が平等に高い健康水準を得ているか▽全国どこでも一定レベルの医療が受けられるか▽医療費の負担が公平か、など。 
 日本は世界一の健康寿命を達成し、国民がどこでも、自分のかかりたい医療機関を選んで、自由にかかることができ、受診までに何カ月も待たされることもない。費用負担も公平と評価されたわけである。 
 ただ、世界1位は、おそらく最初で最後と思われる。後の方に順位づけられた国からWHO事務局に多くの非難が寄せられたからである。世界各国の負担金で運営されているWHOは以降、順位付けを断念している様子だ。 
 世界の医療制度は国によって異なる。日本は、国民全員が強制加入する社会保険制度。医療費は主に、私たちが月々払う保険料で賄われており、3分の1以上は税金が投入されている。 
 民間保険が中心で、膨大なお金をかけているアメリカや、基本的に税金で賄うイギリスとは異なる。 
 ドイツは日本と同じ社会保険方式。以前は保険料だけで賄われていたが、最近、出産手当金など、一部に税金を導入するようになった。企業が負担している保険料をこれ以上増やしたくないためのようだ。 
 日本の一人当たり医療費は、対GDP比で見ると、先進国の中では少ない。負担が高くなることに総意が得られれば、もちろん上げればいい。しかし、まだ効率的に使える面もあることを指摘していきたい。 
WHOの評価の中でも、「医療制度の効率性」、つまり、その国の医療制度で最大限の効果が発揮されているかどうかという点では、日本は10位だった。 
 1位はフランス。フランスは「制度を最大限活用している」と評価されたわけだ。 
 医療制度の効率性で10位にランクされた日本は「制度をまだ十分活用していない」とされたことになる。しかし、逆にいえば、もっと良くできる可能性があると指摘されたともいえる。 
【プロフィル】磯部文雄 
 いそべ・ふみお 立教大学講師(社会保障担当)、こども未来財団常務理事。昭和49年旧厚生省入省、国際課長、内閣府審議官、社会保険庁運営部長、老健局長を経て平成18年、退職。 

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 おや、こんな文章を書いていますが、実は「社会保険庁で運営部長」なんてしているじゃないですか?彼の責任は?>産経新聞さん。

 もちろん、この意見どおりに「医療が効率が悪い」といっても、あんな歴代の長官以下の監督ミス、記載ミス、横領の類を全て許しても載せるのが仕事なんですかね

 いいんですか?調べなくても>こども未来財団について。彼のいるその財団のホームページを拝見させていただきました。

 財団法人こども未来財団

[目的]
 こども未来財団は、平成6年、当時進行しつつあった少子高齢化現象を背景に、子どもを産み育てやすい環境づくりを進めることにより、児童の健全育成に寄与し、活力ある社会の維持・発展に資することを目的として、厚生大臣の認可を受けて設立されました。
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 まだ出来上がって10年ちょっと・・・あのバブルの経済のあとも増やしているんですね>外郭団体。さっと拝見したところ、際立って必要そうな仕事はなし。

 
少子化時代における次世代育成に関する意識啓発事業 
 
家庭・地域子育て支援事業 
 
子どもの健全育成のための事業 
 
子育て支援をする人への研修事業 
 
調査研究・出版等事業 

 別に子供の育児環境のことなど啓蒙などする必要はなし。5億円の予算規模。1億円くらい給与費ですが・・・おそらく理事の偉い方の退職金や給与に消えているんでしょうね。

 収入などをはわかりますが財源などが不明でしたので厚生労働省の事業評価をみてみると・・
http://www.mhlw.go.jp/wp/seisaku/jigyou/jigo/dl/koyou35.pdf

 財源は、基金運用収入というが、「こども未来基金は、児童の健全育成のために事業主から納付された拠出金を財源として造成されたものであり、本基金の運用益は事業主に還元するという観点から事業主の行う子育ての」・・・とあります。

 どうせ外部に発注したであろうポスター作成、支援事業といってもラジオ番組のスポンサー、どうでもいい報告書のたぐいが並ぶ。個人的には子供が育てられるようにするためには、会社に育児が可能なように育児休暇の取得や託児所の開設を企業や地域自治体などに法制化して義務付けるなどで可能だ。

 まぁ、ともかく、こういう必要だといいつつ、無駄金を使うことなら「小児救急医療のための病院への助成金」とかにして直接現場にください。

 あと、この財団の偉い人はどんな人が並んでいるか?よくみてみます。

http://www.kodomomiraizaidan.or.jp/zaidan/shiryo.html

役 員 名 簿
役職:
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会     長:根本二郎 (非常勤)
理  事  長:眞野 章  (常 勤)社会保険庁長官
常務理事:磯部文雄 (常 勤) 厚生労働省老健局長
常務理事:小林   徹(常 勤) 四国財務局長
理   事:末 次 彬 非常勤 社会保険庁長官
〃     : 林 重 夫 非常勤 厚生労働省雇用均等・児童家庭局育成環境課長

<表向き無関係そうな人は省きました>

 個人的には「会長」さんが日本経団連名誉会長 日本郵船名誉会長.ということで、非常勤なので、常勤役員が仕事をささえるということですが、何でこんなに社会保険庁の元長官が並んでいるんでしょうかね?

 いいですか?この団体がやっていることは「こどもの未来」についてです。それに相応しい人たちですか?産経新聞さん。行政のOBからの意見は大いに結構。ですが、こういう団体がどれほど有効に税金を使っているのかチェックしていますか?
 公になっている部分でさえ、怪しい団体です。「月間 こども未来」だなんて、毎月550円で発行していますが、普通の人が読むような内容です。これの発行するためにどれくらいお金がかかっているのでしょうか?もちろん外郭団体ですから誰が編集にあたっているのでしょうか?


 厚生労働省補助事業という、月刊『こども未来』(A4変形判・36頁)を年12回配布したという月刊誌の価格550円。の内容は・・・

特集:「いいお産」のために

「いいお産」のために~産婦人科医の立場から
総合母子保健センター愛育病院婦人科医長 竹田 善治

赤ちゃんがやってくる
~新しくお兄ちゃんお姉ちゃんになる子どもとその親を支える
東京都練馬区・麻の実助産所 助産師 土屋 麻由美

母たちが”ほしい”支援を!
カナダ・ライアソン大学認定・ファミリーライフエデュケーター 林 真未

安全安心快適なお産のために
出産子育て支援・ファシリテーター 熊手 麻紀子


さて、民間企業がやっているお母さんの雑誌「たまごクラブ」についてみてみますか?


たまごクラブの概要:
発行部数:189,783部
【印刷証明付部数/2004年9月~2005年8月】
発行日:毎月15日発売
価格:600円
仕様:A4変型判
    無線綴/290P前後


 付録が二冊もつく、「たまごクラブ」や「ひよこクラブ」の方が良かったりしませんかね?

 内容はページ数みれば一目瞭然です。どっちが大切な事業なんでしょうかね?自分はこんな事業に金を突っ込む団体の補助金は税金やだということを考えれば、産経新聞のやっていることは、「社会保険庁OB」の悪辣な所業を許し、さらに退官後も無駄金を費やす連中に発言権を与えるというお先棒を担いでいるという認識が必要です。


医療制度の効率性で10位にランクされた日本は「制度をまだ十分活用していない」とされたことになる。しかし、逆にいえば、もっと良くできる可能性があると指摘されたともいえる。」

  こういうのを産経新聞は戦うこともせずに、粛々と流すのがお仕事なんでしょうねぇ。こんな文章を自ら反省の色もみせずに新聞に意見を載せる元官僚にも一言いっときたい。
 こんな文章を書いているが、退職金をたんまり受け取って退官後、そこで何をしているんだ?暇なんだね。
 民間会社が出来るような仕事の傍らで、医療を攻撃する暇があるんだね。社会保険庁で何を君はしていたのか?反省文を厚生労働大臣に提出したかい?まだなら、ぜひ先にそれをやっておいて欲しいな。


 「税金の効率性を考えたら、日本の「官僚制度はまだ不十分」といえる。しかし、逆にいえば、彼らの働きをもっとよくできる可能性がある」と指摘しておこう。」
ぽち  


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日本医師会も苦言を呈する産経新聞の報道姿勢 [マスコミ]

産科勤務医の当直、5日に1回以上 6年で30%増

 産経新聞イザ! 10/06 19:44

 産婦人科勤務医の当直回数は、平成18年度は月平均6・3回で、6年前に比べ約30%も増えたことが、日本産婦人科医会(会長・寺尾俊彦浜松医大学長)の全国調査で分かった。単純計算で5日に1回以上の頻度。当直明けでも普段と同じ勤務をこなさなければならない施設が9割以上を占め、当直手当てが増額がされた例もごく一部にとどまった。  産科医の勤務の過酷さと待遇の不十分さがあらためて数字で裏付けられた形で、同医会は今後、改善に向けた具体的提言をまとめるとしている。  調査はお産を取り扱う全国約1300施設が対象で、約800施設(62%)の有効回答を分析した。  当直回数は、12年度に行われた調査では月平均4・7回で、1・6回増加した。同医会は「この数字は小児科や救急と比べても多いのではないか」としている。  当直明けの勤務緩和措置については「なし」が全体の92・5%。国立系の施設(大学病院を除く)では100%、大学病院は97・4%が勤務緩和をしていなかった。  過去1年以内に当直手当てを増額した施設は9・4%。妊婦が糖尿病や妊娠高血圧症候群であるなど、リスクが高いお産を扱った施設に加算される「ハイリスク分娩(ぶんべん)管理料」を、一部でも医師に還元した施設は1%にも満たなかった。  調査をまとめた同医会常務理事の中井章人日本医大教授(周産期医学)は「過重労働や労働に見合わない対価などが、産科医やお産施設の不足に拍車をかけている。妊婦の救急搬送に支障が出る一因もここにあるのではないか」としている。

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  さてと、この報道に泥をかぶせるつもりはないが、わずか1ヶ月前に産経新聞はこのような社説を書いている。

 【主張】妊婦たらい回し また義務忘れた医師たち http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/80700/

 この中で、こう締めくくっている。

 「痛みをこらえる患者をたらい回しにする行為は許されない。理由は「手術中」「ベッドがない」といろいろあるだろうが、患者を救うのが医師や病院の義務である。それを忘れてはならない。」

  申し訳ないけど、産経新聞の姿勢は「放火犯による消火活動」と同じですな。こういう記事を載せる前に、この「社説」についてきちんとした、正しさの検証はしたんでしょうかね?この会社の無反省ぶり、社会の公器だという責任感は放棄しておりますな。

  奈良県の「たらい回し報道」の魔女狩り報道で、産経新聞は他のマスコミに比べると明らかに質が悪かった。そして訂正を電話で申し込んだが、一切訂正などしなかった。そこに「直すようなものじゃない」と言った読者サービスの電話係。御社は今後も引き続き、「魔女狩り」を行うつもりだということだ。  

 「誤報を行って記事をそのまま訂正しない行為は許されない。正しい報道を行うのがマスコミの義務である。それを忘れてはならない」

 「新聞を売るためなら何でもやってゆるされる」という勘違いは大いに許されないところである。ちなみにあの日本医師会も「いわれなきマスコミの魔女狩り報道について」苦言を呈している。

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日本医師会2007/10/05

 マスコミ報道の在り方

 九月初めから,奈良県橿原市のいわゆる「妊婦たらい回し事件」に端を発し,同じようなケースの報道がなされている.いずれのケースも,かかりつけの医師を持っていない. 奈良のケースは,最初の報道では妊娠三カ月と言っていたのが,実は妊娠七カ月.夜中にコンビニで買い物をしている時に痛みが生じ,救急車を呼んでいる.奈良市ではすべての病院に断られ,大阪に搬送する途中,救急車が交通事故.そして流産し,胎児が死亡した.しかし,妊娠七カ月というのに,一度も診察を受けていなかった. マスコミは「義務を忘れた産婦人科医」と言い,政府高官は,事実を確認もせずに,「日本の医療になっていない」「産科医を増やそう! その対策を早急に」と発言. 受け入れない産科医が悪いのか.かかりつけの医師を持たない妊婦が悪いのか……後者であろう.一時期はやった「自己責任」という言葉は,どこへいったのか. 産科医の増加のために一番効果的なのは,マスコミが『行き過ぎた医療バッシング』をやめること,これに尽きる. マスコミによって,国民は産科だけでなく,医療に不信感を植え付けられた.そのため,医療は萎縮,崩壊へと進みかけている. ヒトは皆,いつか死んでいく.その前に,ほとんどのヒトは病む.その時,必ず医師とかかわる.そのかかわり方を,良いものにするためには,いわれのない不信感は害になる.医師と患者の間に信頼感がなければ,良い医療は生まれない. 今こそ,マスコミは報道の在り方を考え,国民と医師の信頼回復に手を貸すべきであろう.(♪) -------------------

  さて、これが新聞社の首脳の人たちに届くかは不明だが、目にする人たちは、どう 思う?「産経新聞は公正な医療報道に心がけている」のだろうか?ならば、日本医師会にこんな批判を書かれることなどないだろうね。ぽち→


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医療報道:正確さがまだまだ不足 [マスコミ]

都内で妊婦搬送先探しに3時間 5日後に死産 

. 産経新聞2007/09/27

 昨年11月、切迫早産で新生児集中治療室(NICU)のある病院への搬送が必要とされた東京都荒川区内に住む妊婦(37)が都内十数カ所の病院から受け入れを拒否され、3時間以上にわたって搬送先の病院を探し回っていたことが27日、分かった。同日の都議会一般質問で、共産党の小竹ひろ子都議が明らかにしたもので、妊婦は川崎市内の病院に搬送されたが、5日後に死産した。

 産婦人科医不足が指摘される地方だけでなく、大都市部でも妊婦の搬送先の確保が困難な状態が浮き彫りになった。

 妊婦は昨年11月29日午前、荒川区の産婦人科医院の医師から妊娠22週目の切迫早産との診断を受けた。切迫早産の場合、NICUのある病院に搬送する必要があるため、医師は該当病院を探した。

 ところが、都内十数カ所の病院から満床を理由に断られ、3時間以上の間、妊婦の搬送先が決まらない状態が続いたという。結局、妊婦はその日の午後、医師の知り合いがいる川崎市内の病院へ搬送され処置を受けたが、5日後に死産した。

 妊婦の救急搬送をめぐっては、昨年10月、奈良県の町立病院で分娩(ぶんべん)中だった女性が脳内出血で意識不明となり、19病院に受け入れを拒否された末、転送先の病院で男児を出産後に死亡したケースがある。

 都内の産婦人科医数は平成6年には1629人だったが、16年には1424人と約205人減少するなど、医療関係者の間では産科医養成が喫緊の課題に上っている。都では「搬送が遅れたことと死産との因果関係はないが、今回の事態を受けて抜本的な対応を進めていきたい」としている。

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 さすがに「お得意技」の「たらい回し報道」はおやめになったようで。当たり前ですが、満員なのに引き受けろというのは「すでに引き受けている誰かが追い出される・・・」ことを意味します。

 満員列車に押し込むような真似はできません。せめて、こういう時に駆け込み寺を作ってください。ない時は、厚生労働省ですね。そちらが責任監督官庁なので、最終責任はそちらで手配してください。東京の産科医めがけて周辺の自治体からおしよせる「妊婦さん」。周産期医療センターでないところに・・・ってのは乱暴なお話です。

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神戸大病院に「美容外科」 国立初、シワ除去や脂肪吸引 

産経新聞2007/09/27

 神戸大病院(神戸市中央区)は27日、新たな診療科となる「美容外科」を10月1日に設置すると発表した。同病院によると、国立大学付属病院が独立した専用外来施設を持つ美容外科を設置するのは初めて。

 新設の美容外科は、既存の形成外科の医師数人と、看護師、エステティシャン各1人を置き、外来初診を週3日受け付ける。しわやたるみの除去、脂肪吸引、レーザー治療などを利用したアンチエイジング(抗加齢)を施す。完全予約制で費用はすべて保険診療外。

 美容外科設置をめぐっては、大学理事会でも「国立大付属病院に必要か」という指摘もあったという。春日雅人病院長は「アンチエイジングの一環で、患者本人の満足を医療として科学に基づき手助けすると説明した」としている。

 新診療科開設に取り組んだ田原真也教授(形成外科長)は「美容外科は、診療技術に対する客観審査もなく、一部に質の悪い診療もある」と指摘。「社会には美容整形に対する偏見もあるが、大学に診療科ができることで啓発ができるのではないか」と期待している。

(2007/09/27 15:27)

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 こういう記事を読むと、いい加減、産経新聞は「おかしいん」じゃないか?と思う。大学当局が、どうしてこういう「美容形成」のような医療に手を染めるか?とか、安全なのか?という着眼点はなし。

Think twice before liposuction

 より

> Experts estimate risk of death from liposuction to be 20 in every 100,000 cases which is higher than the U.S. death rate from motor vehicle crashes.

にはきちんと、専門家の算出では、脂肪吸引は自動車事故よりも高い死亡率だと書いてある。そういう視点はない>この記事。
 そして、国立大学がすごい窮状にあることを新聞記者は知らない。マスコミに記事を「書くな」とはいわない。

 

 ただ、総合的にみて、この記事は100点はあげらんない。これを読めば、大学がどんなに破滅に向かっているかわかるはずだ。そんな背景があるから、突き動かされるようにして、大学が必死になっている姿を見ないで、表側だけを薄っぺらに書く姿勢が許せない。

「白い巨塔から白い廃墟へ」厳しい大学病院 2007/09/21 09:14 

 さらに、産経新聞のことを、自分は何度かここで書いたが、下記のように「よく勉強しないでへーきで「たらいまわし」だとか攻撃」するのだから、頭にくるのだ。

 「【主張】妊婦たらい回し また義務忘れた医師たち 」でさんざん奈良県の産科医をこき下ろした頃よりは、幾分かマシには思いますが、「取材力不足」はいかがかと思う。「新聞記者もプロ」なのだから、間違ったときはちゃんと訂正してほしい。そして底の浅い取材に基づく記事で金を稼ぐのはやめていただきたい。

 読者としては世間をミスリードする、おかしなマスコミの報道は考え直してほしいのだが。ちゃんとよく見てほしい。そして、その上で「病院」や「医療」のことを書いてほしい。ぽち 

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受賞祝い[医学記事優秀賞&医療崩壊貢献大賞] [マスコミ]

 産科医療のこれからの僻地の産科医先生が紹介していましたが。きちんとした医療について報道を行ってくれた報道機関に受賞です。
 おめでとうございます。え?あの奈良の大淀町病院の「たらい回し」報道を、奈良県から情報発信し続けた、超大手マスコミには賞なし?ですか。
 今年度は少なくとも松谷元医政局長らからは、医療報道として「優れている」とはされなかったようです。がんばったのに・・・残念でしたね。  
 そんなにがっかりしなくてもいいですよ。当方から、毎日新聞社には「医療崩壊貢献大賞」を差し上げます。受賞理由については…「天漢日乗」さんと拙ブログ「放火犯の消火作業?マスコミのマッチポンプ」を参照ください。

 

☆医療崩壊貢献大賞:毎日新聞の医療バッシングキャンペーン

「マスコミたらい回し」とは?(その91)毎日新聞奈良支局に以前勤務の元田禎記者 奈良県南部の産科を絶滅させたことには触れず「妊婦をめぐる救急体制の不備を問い続け」たと強弁

 

東京日和@元勤務医の日々

 2006.10.27 20:54

放火犯の消火作業?:マスコミのマッチポンプ

「記者の目:「次の実香さん」出さぬように=青木絵美(奈良支局) 」

 

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 さて、本番の医学記事優秀賞については・・・こちらです。こんな地方紙にも目を通された審査員の方々に本当に頭が下がる思いです。

 

☆ファイザー医学記事優秀賞:霧の中の処方せん~医師不足にあえぐ県内

本紙菊谷記者にファイザー記事賞  

東奥日報2007/09/20

 

 第二十六回ファイザー医学記事賞優秀賞に、東奥日報社編集局社会部・菊谷賢記者の医療連載「霧の中の処方せん~医師不足にあえぐ県内」が選ばれ十九日、東京丸の内・パレスホテルで贈呈式が行われた。

 今回は昨年四月から今年三月までに掲載された全国の百十紙・九十八点の医学医療関連記事の中から、(1)着眼点(2)構成(3)的確でバランスの取れた情報-などの点で審査され、大賞一点、優秀賞五点が選ばれた。

 「霧の中の処方せん」は、昨年七月から今年二月まで掲載。医師不足の現状をリポートし、県内医療のあるべき姿を模索した。

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 ということで、最終回をお届けします。これを読んで、いかに毎日新聞の「奈良県の産科医療の救急体制…」といいながら、「病院叩き&医師叩き」を一方的に行ってきた反省の弁がいまだにない点を考えると、まったく説得力がありませんね。 ぽち 

  なかのひと

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 霧の中の処方せん/医師不足にあえぐ県内/第4部

東奥日報 2007年2月22日(木)

(8)未来の分岐点/地域での議論が大切

 死、という言葉が聞こえるようになった。自らの病気をきっかけに医療問題に取り組むようになった角田周さん(53)=五所川原市=に住民から悲痛な声が寄せられるようになった。

 「本当に不自由になった」。金木地区の七十代女性はため息をつく。胃がんを患っていた女性の夫は昨年十一月、救急車で金木病院に運ばれ入院。三カ月後、退院を促され民間病院へ転院した。自宅療養の選択もあったが、既に金木病院は救急車受け入れを休止しており、不安がつきまとった。男性は民間病院で今月、息を引き取った。女性は語る。「昔は金木病院にもたくさんの医者がいた。世の中おかしくなってしまった。金木町が市になったらおかしくなった」

 近くに住む其田輝夫さん(76)は言う。「一分一秒を争う心筋梗塞(こうそく)や脳卒中になったら、どうしたらいいのか。命の保証はない。死んでしまう。何とか救急を復活してほしい。何とか」

▼「国は実情知らない」

 人口十万人当たりの医師数が九十八人と全国の半分、県内でも最も割合が少ない西北五地域。この現状を訴えようと自治労連県本部の金川佳弘さん(45)が昨年九月、厚労省に医師増員の請願に出向いた。

 厚労省の担当者は言った。「請願しにくる地域ほど努力が足りない」と。

 金川さんは耳を疑った。怒りをこめてまくし立てた。「それは公式見解ですか。だとしたら、問題ですよ」

 金川さんは語る。「国は地域の実情を知らない。実情を知らない厚労省が医療政策をつくっていることが問題なんだ」

 国は一九九七年の「医学部定員を削減する」という閣議決定後、一貫して医師定員抑制策を維持。日本は経済協力開発機構(OECD)加盟国の中でも、最低水準の医師数となった。

 医療の高度化、高齢化の進展、女性医師の増加…。時代が刻々と変化するのに、国は目を向けてこなかった。開業医の増加を無制限に許した。臨床研修医制度には市場原理を導入し、地方大学から新卒医師をはがした。

 昨年八月、国が示した医師確保の総合対策では、医学部の定員を前倒し的に増やす自治体に奨学金設定の高い条件を付けた。

 難波吉雄・県健康福祉部長は十一月の県議会常任委員会で厳しい表情で読み上げた。「国の対策の多くは地方の努力に委ねられ、国全体の問題として国自身が取り組む真摯(しんし)な姿勢があまり見えていないことが残念です」

 医療砂漠-。医師不足を背景に荒涼とした社会が広がり始めている。

 青森市の総合病院。中堅医師が後輩に「辞めずに頑張れ」と励ましていた。

しかし、その中堅医師もヘトヘトに疲れ切っていた。

 弘大病院の教授。「医師不足の話はしたくない」と顔を曇らせるようになった。

 県内病院の事務長。マスコミの問い合わせに一方的に電話を切るようになった。

▼ドクターの心が疲弊

 昨年暮れ。金木病院の救急維持を求める活動をしている五所川原市の住職・一戸彰晃さん(57)のブログにメールが届いた。医師らしい。「ごくろうさまでした。(救急維持は)やっぱり駄目でしたね」

 一戸さんは語る。「厳しい労働環境の中で、ドクターの心が疲弊してしまっている」

 誰の責任か-という問いに「前から医師不足になるのは分かっていたのに、手を打たなかった国、県の責任だ」。

 昨夏、医療崩壊を憂う弘大出身の医師が集まって語った。「今の医療崩壊は、国も自治体も大学も、当事者意識を持って取り組んでこなかったツケではないか」。無責任体質が医療砂漠を生んだという。

 狭心症を患い、金木病院に何度か命を助けられた角田さんは、認知症の母親を看病しながら思う。「人は自分がかかわらないと真剣に考えない。行政任せだ。住民が医療を自分のこととして考え、議論を重ねることが大切。そして地域が声を上げていくべきだ

=終わり=


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[テレビによる報道]これがプロの仕事なの? [マスコミ]

 日曜日の夕方、日本テレビ系「バンキシャ!」って番組で、録画してみましたが「たらい回し・・・深刻な”お産”現場」という15分にわたる巻頭特集は期待はずれでした。最後にまとめられていた、マグロ引越し大作戦の方が見ごたえありましたもんねぇ・・・どっちが大切なのかは順番どおりでしたが、取り上げ方もそうですが問題の掘り下げが浅いままでした。

 さて、その一部をちょっと復活してみました(暇じゃないんだけど・・・)。 

 

 「下手したら死ぬかと思った」なんてセンセーショナルな出だしで始まりましたこの特集は「たらい回しの真相」ということでしたが・・・最初は埼玉県の産科医の現場で未熟児(440g)の出生の様子が出ていましたが、その合間にも産科医の元へ携帯電話で受け入れ要請がやってきて…毎日手術をしているという話でしたが、勤務時間などについてはまったく報じていません。

 

 そして、今回の奈良県の妊婦さんの受け入れが不可能と回答した11の病院を全て調査したそうですが、そのうち対応できなかったのは6件。医師の紹介がない患者さんは引き受けないという2件の病院があったという現実を報道しました。

 

 そこへ、自分も3年前に病院を「たらい回し」にされていたという 奈良県の主婦が紹介され、まだ未受診のまま妊娠2ヶ月で体調不良で救急車を呼んだが、京都も断られて呼ばれて30分以上救急車で待たされ、知り合いの開業産科医に運ばれたが、流産に終わったということでした。

 

 このあとに現役の二人の産科医の本音トークみたいなコーナーがあって、「訴訟が多い」「リスクがあるお産を、あえて自分もリスクを引き受けられない」というリスク回避のを強調するような形でした。

 

 本田宏先生が、出てこられて、待ってました…とおもったら、「ハイリスク出産のために周産期母子医療センターを作ろうと国は努力しているようです」とわずかこの間、30秒?だけ取り上げてくれましたが、画面はそのままシステムの説明にうつり二度と本田先生は画面に現れず、すぐにCMになってしまいました。

 

 そのあと京都の舞鶴医療センターの分娩室が、荷物置き場になっている様子を映し出していました。拠点病院なのに産科医不足で機能できていない状況を映しだしていました。

 

 さらに大淀町立病院の高崎さんの義父さんが登場されて「これで医療が良くなってくれなければ、美香ちゃんの死が無駄になる。こんな馬鹿げたことはこれきりにしてくれよ」というコメントに「教訓が生かされないまま、続くたらい回し、早急な対応が必要だ」と、ナレーションをかぶせる形でレポートは終わりました。

 

 スタジオで、全国で山形、岐阜、奈良、宮崎、佐賀、鹿児島県では周産期母子医療センターが、未整備とのことでしたが、拠点となる277病院のうち10の施設で実質的に稼動していないと追加で報告がなされました。

 

 ゲストコメンテーターは、甥っ子さんが産科医になったという竹中元大臣は…厚生労働省が医師の数を制限してきた「厚生労働省の責任」といっていました。自由化が遅れている分野で、厚生労働省のガバナンスがなっていないといってました。

  もう一人のコメンテーターの医療と法律研究協会副会長の河上和雄(元検察官・弁護士)も「医師不足」だと強調してくれましたが・・・さらにこれから弁護士が増えるので、どんどん訴訟が増える可能性をつけくわえていました。

 今回の番組報道の姿勢は「たらい回し」という言葉で埋め尽くされた感じでした。お二人の「厚生労働省が悪い!」というコメントに少し救われた感じがします。

 結局、医師の過酷な労働状況の様子など、軽く扱われていまして、その改善策までは提言できていません。国に頼るのはいいけど、事前に受診しようよ・・・という啓蒙くらいはやって欲しかったなぁ。

 まぁ、こんな番組でもお金をスポンサーが喜ぶだけの視聴率が取れるようにはしょって作っても許されるんでしょうが・・・。以下はまったくといいくらい触れられていない項目。

 

 当日の奈良県立医大の産科医の状態

 慢性的な産科医の過重労働、

 減少続きの産科医の減少の実態

 患者さんの未受診の件

 

 これらは、大切なキーワードです。僕らは奈良県に勤めている先生がたの士気がこれ以上下がらないように、どうしたらいいのか?もう少し、マスコミの方も「深く」掘り下げるべきですね。本音トークや本田先生のコメントを都合のいいところだけちょん切って番組を作るような姿勢だと、もう誰も協力しませんよ(出たがりのバラエティ専属医師は除きます)。

 

 さて、コメントに「T洲会病院に助けられたので攻撃しないで欲しい」。とありました。

 

 しかし、知人の現役の産科医の先生の証言によれば、神奈川県の有名なT洲会系の病院では「患者さんを断らない」ため、産科医やスタッフが間に合ってないのに、次々と引き受けた妊婦さんが病院にやって来て、ひどいとストレッチャーの上で放置されるような状況だったそうです(まぁ、たらい回しは回避されますが、それもどうなんでしょうかねぇ)。

 

 まさにギリギリなんですけどね・・・とてもそんな状況で安全なお産は出来ないからとその先生は「もう二度とお断り」ということで一度っきりのお勤めだったそうです(名誉のために、これは昔のお話ということは付け加えておきますね)。

 

  まぁ、個人的には「徳洲会病院」を全面否定する気はありません、ただし自分は現場のことを知らぬ院長先生の下で働くことには否定的です(キャノンの会長が派遣労働者の生活についてほとんど無頓着なのと同じで、正社員なみの技術者を彼の会社では、使い捨てにしているので自分は嫌いなだけです)。

 がんばった人には当然、休む時間も給与も与えられてしかるべきではありませんか?腕がいい医師が、睡眠不足で事故を起こしてもいいですか?

 

 家庭や自分の生活を犠牲にして働かされる医師にとっては、ストレスがかかり、ギリギリの状況では患者さんの安全が確保されるとは限りません。確かに患者さんにとって、何でも引き受けてくれるのはいいことだと思います。ただし、その混乱の中で、何かあってからでは遅いと思いますよ…ということです。

 

 24時間いつでも・・・という言葉はきちんとした労務管理の上にあるべきで、病院の医師や助産師、看護師の負担の上に「美辞麗句」はある場合、「何が何でもとれ!」という上層部のプレッシャーは場合によっては早めの燃え尽きを招きかねないと思っています。

ぽち 

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[報道]メディアと医師の関係 [マスコミ]

 今日は、色んなニュースの中から、少し考えてしまいました。もちろん、医師も自分のいる医療現場を一歩出るとまったくの無知です。また、マスコミの方も、全てに精通しているわけでもなく、聞きたがりますが、どうしても専門家がきちんとコメントしないから、安易に専門じゃない有名なお医者さんからコメントを取りたがります。
さて、そういうのって本当に真実に近づくことが出来るでしょうか? 

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後期高齢者制度の円滑実施に意気込み<厚労省・江利川新次官>

日刊薬業 2007/09/03

 (前略)

 江利川次官は、職員へのあいさつで、年金記録問題について、「国民は批判しつつも、厚労省にしっかりやってくれと思っているのではないか。われわれもその声にしっかり応えなければならない」と、国民の信頼回復に向けて不退転の決意を示した。さらに、「厚労行政は、人間の尊厳を守る仕事で、誇りと責任を持って取り組んでもらいたい」とも要請した。

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 なんとなく・・・厚生労働行政のトップとしては、あの年金問題でくじけちゃった厚生労働省のお役人を奮い立たせようということでしょうが、残念ながら、

 厚生労働省は奈良県の産科医の尊厳を守り、過重労働から守ります!

…なんて言葉はなかったのですが、これからの厚生労働省の建て直しのために腕を振るうであろう新しい厚生労働事務次官さんにとりあえず、厚労省の職員も医師も期待しております。

 

 さて僕は、マスコミの報道は必ずしもいつも正しいとは思いません、やはり記者の取材源や情報源によるノイズが入ります。

 実は同じ訓示について、日経新聞ではこの次官からの訓示を聞きながら、官僚たちが涙したという記事が載ってましたが、業界紙には当然ながら、そんな余計な描写は載ってません。これもメディアの性格もありますが、いわゆる記者の方は場面によって、修飾を使い分けられるのですね。

 

 さて、医師はそういうメディアの方とは上手にお付き合いしているとは思えません。自分も含め奈良県の産科医を「たらい回し」と一方的に非難した産経新聞の記者とはお会いしていませんし、どういうお考えかは社長さんや論説主筆の方に直接会って、産経新聞としての「産科廃絶キャンペーン」の意図があるかは聴く必要があるとは思っています。

 

 医師会は何も発言していないとは思いませんが、メディアであまり取り上げられていません。そこでこんな具合になります。今週号のAERAでは湘南鎌倉病院の救急の部長先生のお言葉が刺さります・・・

 

 「すべての救急患者を受け入れる湘南鎌倉総合病院の大田凡救急総合診療科部長は、そもそも日本の救急医療制度には不備があると指摘する。

  『現在の制度では、患者さんの受け入れ先が見つからない場合の責任の所在が不明です。各地域の救命救急センターは、税金から相当額の補助金が払われ、『地域の救急医療の最後の砦』として整備されたものですが、その救命救急センターが患者さんを断ることが容認されているのはおかしい』」

 

 もちろん、前後の文脈は不明です。直前には千葉県船橋市立医療センターの岩岡外来部長の「救急車で運ばれてきた人を後から評価して、救急車で来る必要のなかった人からは救急車出動代を取るぐらいしないと、現状では解消できないんじゃないでしょうか」という救急車の安易な利用について真剣に減らすための工夫を言うあとに、上記のコメントが突然入ります。

 

 これを読むと、自分の病院では一切断っていないし、断るくらいなら最初から救命救急センターなんてやるなよってことかなぁ?あるいは、突然キラーパスを送りつけるくらいなら、自分の病院で最後まで診ろってことかな?

 また、患者を断るような病院はやはり救急の看板を下ろすべきなんでしょう。

 さらに、徳洲会では有名なスター医師である千葉西徳洲会の院長先生が、ブログでポロっと書いたために、「炎上」しちゃっています・・・これは専門外のため、現場を理解しているつもりでも、無茶なコメントだと思いました。

 

http://blogs.yahoo.co.jp/misumi_kazuo/49146916.html

 

「話は変わりますが、奈良県の妊婦たらい回しは全く許せませんね。当院では、理由の如何を問わず救急を受け入れています。たとえベッドが満床だろうが医師が手術中だろうが、関係ありません。ベッドが満床でも救急処置ならできるはずです。また当直医師が手術中なら、自宅から他の医師を呼んで対応すればいいだけの事でしょう。働く気があれば、人を助ける気があれば、難しいことではありません。要は親方日の丸で、”救急の患者を受入れても自分の収入や評価が上がるわけでもないし、他の病院に行けばいいだろう。”と安易に考えるから、こんな事になるのです。自分がその患者様の立場だったらどうか、という事を考えたら、受け入れ拒否はしなかったはずです、絶対に。
 それにしても大阪には24時間救急受け入れの徳洲会病院がたくさんあるのに、なぜ救急車は行かなかったのでしょうか?不思議です。 」

 

 特にコメントすべきなのは、自分の系列病院でさえ、崩壊していることを知らないまま、素直に「建前」を述べちゃって、他の医師や病院を攻撃してしまっています。

 

 色々と考えてしまいます。別にこの先生が奈良県立医大の大変な勤務状況を知っていて述べたか?というと謎ですが、救急医療にあたる医師の心がけ(美しい言葉ですね)として建前、あるいは一般論を語ったと思います。

 

 しかし、やはり無理難題を言うのは良くないように思いました。現実問題として、医師不足は徳洲会病院でも聞いています。そこでマンパワー不足なのに、24時間以上の勤務を強いることができるのは、やはり「精神論ベース」なんでしょうかね。当直の翌朝に千葉西病院では、ちゃんとお休みを与えていますか?ならば、病院長として管理者として正しいのですが・・・自分は千葉西病院の産科医の労働環境が心配です。

 

 また、若手研修医も含めて医師が集まる人気病院の立場から、奈良県の貧弱な産科医療を一方的に言うのは酷な気がします。

 

 まして、県立病院の産科医が残業代も未払いのまま、交代制もなく連続勤務が当たり前の違法な労働環境で、働くことは…患者さんにとってもまた労働者である産科医にとっても、つらいことかなぁって思います。結局、自分の専門領域外で発言する場合は、責任が自分の領域外なので生半可な知識で述べるのはやはり危険だと思います。

 

 きっと湘南鎌倉病院や千葉西病院では患者を夜間におしよせる1~2次も含めて、200人でも300人でも空きベッドがなくても、入院患者を廊下に寝させても野戦病院のように収容し続けるのでしょう。その言やよし。

 

 僕は高度な救急医療サービスを提供するのは人口100万人に一つくらいでいいと思います(そのかわり不夜城で働くのだから、3交代制の導入や、割り増し賃金で残業代をしっかり払いましょうね>徳洲会本部は)。

 

 逆に人手不足の周囲の自治体病院にとって、救急車の受け入れからそろそろ撤退する時期になってきたということかもしれません。高度医療を夜間救急に期待するのであれば、夜間の当直医師が10人以上いる大病院に任せて、救急救命センターの看板を撤回する時期がきたのでは?と思っています。

 

 元々、三次救急を無制限に引き受けるのは、相当な覚悟が必要ですし、設備もそうですが、医師の撤退によって、マンパワーが枯渇しかけている自治体病院でm救命救急を続けるのは困難です。

 まして大淀町のように考えれば、奈良県の場合、産科医を早くひとつかふたつに集約化しないといけません、おそらくセンターは県立医大、あとは天理よろず大和高田だけでしょう。

 

 メディアの力で産科医療を立て直すべく立ち上がった毎日新聞社の青木記者の願いもむなしく、今回の「たらい回し報道事件」です。

 

 今週号のAERAも「患者たらい回し 全国ランキング119番通報から病院到着まで搬送時間。ワースト・東京43分・宮城…・奈良/医師不足と救急車過剰利用」とタイトルは刺激的ですが、いいことも書いてありますが、もう少し緻密な取材と、公平な報道が欲しいです。

 

 本当に奈良県の周産期医療が崩壊ならば、大淀事件のあとも定期的にチェックするべきだったのに、一年放置していたのは、奈良県庁もマスコミさんも責任は同じですな(医者がやるべきだったのは、もっと集約化をすすめ、メディア管理能力をあげるようにしておくべきでしたね)。

 

 また、こういう報道を通して思うのは、メディアに自由に騙らせないで、直接、地元の住民に向けて発言するのを痛切に思います。というか、医師会の理事をしているという友人は「やばい情報は医師会の内部でシュレッダーにかけて消すようにしている・・・」って言ってたけど、今や情報公開の時代で、そういう姿勢が、今回の報道につながっているかもしれません。

 

 奈良県内にはたった72人しか産科医がいない、お産を希望されるのならば、早めの産科予約を!と奈良県の産科医会もアピールしたほうがいいですね。ぽち 
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産経新聞に励ましのメールを出そう☆ [マスコミ]

ひのまるのはた ばんざいばんざい

 

さんけいさん さんけいさん すすめ すすめ

ずるい ならけんの さんふじんかの いしが

くいあらためるまで がんばれ がんばれ

 

きゅうきゅうの かんじゃさんを ことわるような

こうみんに あるまじき ふるまい けっして 

ゆるしては なりません

 

ぼくたちは そんな さんけいさんを おうえん

しています

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 一瞬、こんなフレーズを思いつくくらい、「産経新聞」は戦前の根性論のままでしたね>産婦人科医怠けるな!社説。

 あれは東京のビルの中で複数の論説委員という方が一生懸命考えて、世直しをするために「産経新聞の社説「主張」。他の新聞社にない国際基準がある産経ならではの視座を提供していく。」という考えを元に、とても香ばしいものでした。

 別にいいですよ。僕は産科医でもないし、もはや勤務医ですらありません、身重の奥さんもいません、まして奈良県からはるか遠い東京に住んでいるのだし・・・きっと新聞記者の方も同じ気持ちでしょうね。

 東京や大阪の論説委員の人は現場についてよくご存知でしょう・・・去年の大淀町立病院の事件で何も変わってなくて、奈良県の産科医療が崩壊しているのを。今さら、もう手を施す必要はありません、そのうち廃絶するから・・・って気持ちよくわかります。だから、今頃、ひよったりしないでくださいね。

県立医大病院、救急隊とのやりとり公開 妊婦死産問題で苦情50件

産経新聞2007/09/01 

奈良県橿原市の妊婦の搬送先が決まらず死産した問題を受け、計3回の受け入れ要請を断った県立医大病院は31日、当直医の勤務状況や救急隊とのやりとりをまとめた調査結果を、病院のホームページ(HP)上で公開した。

 30、31の両日に「妊婦を受け入れるべきだったのではないか」など計約50件の苦情が相次ぎ、同病院は「事情を分かってもらうために積極的な広報が必要と判断した」と説明している。

 榊寿右院長はHP上で「緊急患者を受け入れるためには患者の治療に対応できる医師の有無が重要だが、当直医は過酷な勤務状況だった」と釈明した。

 HPには、28日夜-29日朝の当直医の対応が時系列で記され、救急隊からの連絡を受けた事務員に、当直医が「お産の診察中で、後にしてほしい」と答えたことなどが詳細に記載されている。

奈良県立医大病院ホームページhttp://www.naramed-u.ac.jp/~hp/

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 フジ・サンケイグループによるメディアスクラムは、めまい、吐き気がしそうな位に「奈良県立医大=悪者」扱いで、素敵でした。

 もちろん、そういう意図がなかったというのなら、訂正記事だって今からかけます。しかし、お電話を差し上げて、新聞社としての態度をお聞きましたが、そういうお考えは一切ないそうです。

 もっといえば、論説委員の人たちはお忙しいので、現場の取材もしないで、メディアとして日本のことを真摯に考えた結果・・・あのような上っ面のレベルの社説なのだいうことでした。

 自分は、サンケイ新聞の中国記事などは買っていたのですが、即刻、電子版の契約を破棄しました。

 まぁ、よく言えば・・・産経新聞は「産科廃絶キャンペーン」に毎日新聞の次に力を入れたということでしょうかね。

 よくがんばりました。ちなみに自分がお客様センターのお電話を差し上げましたが、電話の受付さんは「もうその件については、朝からいっぱいお電話を頂き・・・」と言うことで、うんざりといった雰囲気で、読者に対して担当の名前も告げずにとりあえずお聞きしますという態度ありありでした…読者の意見など彼らは聞かないのだ!。

  電話とかメールで意見を言うのも手ですが、結局、わかったのは、産経新聞の論説委員や社長さん宛てに励ましのお便り・・・が一番のお薬になるそうです。

 みなさまの暖かいご支援、ならびにご意見、お手紙でお待ち申し上げております♪とのことでした。紙爆弾が今も効くってのは奥ゆかしくて、素敵です。みなさまも、ぜひ思いのたけを・・・ぽち 

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PS:明日からちょっとお勉強のために九州へおでかけします。月曜日まで更新ができなかったらごめんなさいっ。 


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[奈良県でまた魔女狩り報道]メディアの効果 [マスコミ]

 最初に、流産という結果は非常に残念な出来事です。それについては、出産を楽しみにしていた家族やお母さんにとって気の毒なことでした。

 

 さて、去年の大淀町立病院の事件と今回の事件、根底にあるのは「行政の怠慢」です。いくら断ったとされる医療従事者や病院に原因を求めても、大きくは変わらないこと、それを心していただきたい。

 

 去年の大淀事件と同じ論調で病院たらい回し:妊婦衝突事故後に流産 救急搬送中 大阪 」と見出しをつけたM日新聞さん、今朝の「とくダネ!」のように「9病院”たらい回し”受け入れ拒否で妊婦流産」と報道しています。

 

 

 

 こういう風にセンセーショナリズムに走っても、「救急車で運ばれても、病院が信用できない」などと不安を煽られてしまいます。確かに1時間半病院がみつからずにこのような結果になることは住民にとっては不安です。

 

 しかし、産科医が断りたくて断るのではないのです。

 

 昨年10/22に「労働者としての医師の権利を無視してきたツケ」で取り上げたように

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過酷な労働条件を撤廃するため産婦人科医が1億円を要求 

「過酷な当直」、産科医5人が超勤手当1億円要求 奈良

 奈良県立奈良病院(奈良市)の産婦人科医5人が04、05年の超過勤務手当の未払い分として計約1億円の支払いと、医療設備の改善を求める申入書を県に提出したことがわかった。医師らは「報酬に見合わない過酷な勤務を強いられている」と訴えており、要求が拒否された場合は、提訴も検討する方針。

 県によると、同病院の年間分娩数は05年度で572件。産婦人科関連の救急患者は年間約1300人にのぼる。産婦人科医が当直をした場合、1回2万円の当直料が支払われるが、当直の時間帯に手術や分娩を担当することも多いという。

 申入書によると、当直について労働基準法は「ほとんど労働する必要がない状態」と規定しており、実態とかけ離れていると指摘。当直料ではなく、超過勤務手当として支給されるべきで、04、05年の当直日数(131~158日)から算出すると、計約1億700万円の不足分があるとした。現在9床の新生児集中治療室(NICU)の増床や、超音波検査のための機材の充実なども要求している。

 医師の一人は「1カ月の超過勤務は100時間超で、医師の体力は限界に近い。更新期限を過ぎた医療機器も少なくなく、これでは患者の命を救えない」と訴える。

 県は、産科医を1人増員するなどの改善策に乗り出すとともに、医療設備の改善を検討しているが、超過勤務手当の支払いは拒否した。担当者は「財政難のため、すべての要求に一度に応えるのは難しい」と説明する。
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200610210041.html
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 このような状況で「産科医が医療を続けられる」ような状況を、行政が改善してきたか一切検証されていません。なのに「たらい回し」と簡単に報道する態度は疑問です。

 

 自分は、1年前と奈良県の周産期医療が変わってないことを懸念していました。1年後のこの事件で露見したように、今回も大阪府まで転送という結果が示すように奈良県では、産科救急医療が改善していません。

 

 去年も、「たらい回しした病院がヒドい」というマスコミの報道にひきずられた、ブログが目立っていましたが、今回もここにみるように「その傾向」が明らかです。マスコミが恣意的に「病院がさも悪者」なように報道したせいです。

 

 いずれわかると思いますが、全ての病院がお産を引き受けられない状況ではなかったにせよ、ぎりぎり「過労死」寸前で仕事をさせられている限り、そして医療事故が生じるようなぎりぎりの人員で仕事をさせられている限り、産科医療は充実などしないことを断言します。ぽち 

 

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奈良県立医大、医師「断ったつもりなかった」 妊婦流産

朝日新聞 2007年08月29日

 奈良県橿原市の妊娠24週の女性(38)が、奈良・大阪両府県の病院に相次いで受け入れを拒まれ、救急搬送中に胎児を流産した問題で、最初に受け入れを求められた同市の奈良県立医大病院の産婦人科には空きベッドがあったことが29日、分かった。別の妊婦の診察中だった当直医が「後にしてほしい」と答えたのを、事務担当者が受け入れ拒否と受け止め、救急隊に回答したという。

 また、高槻署や中和広域消防組合(橿原市)などによると、女性は搬送中の交通事故の約3分前に破水。胎児は女児で、すでに死亡した状態だった。破水前までに9病院、最終的に搬送されるまで計11病院から受け入れを断られていた。

 県などによると、県立医大病院の産婦人科には、28日夜から29日朝にかけてベテランと若手の2人の当直医がいた。同組合から同病院産婦人科に受け入れ要請があったのは29日午前2時55分。直前に、同病院で診察を受けていた女性が陣痛のために来院し、当直医の1人が対応しており、もう1人は、別の患者の手術後の経過を診ていた。

 救急からの要請を受けた事務担当者は当直医に報告。担当者は「診察中なので後にしてほしい」と回答されたため、救急に対して「お産の患者が入り、オペになるかもしれない」と答えた。

 しかし、県の聞き取りに対し、当直医は「断ったつもりではなかった」と話したという。

 この時点で、産科のベッドは1床空いていた。約40分後に同病院に通っていた別の女性が破水して入院。さらに午前5時半には、近くのクリニックから依頼された大量出血の患者を別病棟で受け入れた。

 同病院には来年度、ハイリスクの妊婦や新生児を対象にした総合周産期母子医療センターが開設される予定。

 

 救急隊、病院に電話照会せず=「想定外」一般手順で搬送-妊婦流産・奈良

時事通信 2007/08/30-01:18

 奈良県橿原市の妊婦(38)を乗せた救急車が受け入れ病院を探すのに手間取り、妊婦が流産した問題で、妊婦に掛かり付け医がいなかったため、救急隊が一般の搬送手順で運んでいたことが29日、分かった。
 救急隊は妊婦の場合、掛かり付け医に連絡を取って搬送するが、今回は一般搬送の手順にのっとり、救急医療情報システムでいずれの病院も受け入れ不可と表示されたため、最初に問い合わせた県立病院を除き、県内の病院については電話での照会をしなかったという。
 同県健康安全局の米田雅博次長らは、県庁で記者会見し、「掛かり付け医のいない妊婦を一般の救急で運ぶことは想定していなかった」と釈明した。


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[プロ意識ゼロの物書き屋]量産型王子にコトー医師 [マスコミ]

さてと、まずはやわらかいところから・・・参りますか?

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話題沸騰!これが“タイのハニカミ王子”だ

07/18 12:26
“タイのハニカミ王子”ことタイのポップス歌手、アイス・サランユー(22)が、9月5日にアルバム「ICE」で日本デビューすることが17日、分かった。さわやかな笑顔と初々しい雰囲気が、史上最年少で国内ゴルフツアーを制した石川遼選手(15)に似ていると話題沸騰。都内でサンケイスポーツの取材に応じ「遼くんと一緒に頑張りたいです」と“同志”とのさらなる飛躍を誓った。

 例の「ハンカチ王子」に「ハニカミ王子」…、型にはまったように何でも「王子」。あふぉか…。君らは文章を書くことでお金をもらっているのだろう・・・みっともない。そろそろ、こういう紋切り型の記事を垂れ流すのは、そろそろ止めにいないか?  

 

 まぁ、個人的にはこの歌手、タイでめちゃくちゃ流行っていたので、知っていますし、友人がはまっちゃうくらいPVはよく出来ていますが・・・【タイポップスのCD屋の解説】によれば『タイのスター育成テレビ番組「First Stage Project」の第一期生「Ice」』であり、どこにもプロ野球もゴルフも関係がない。

  しいて言えば、モーニング娘。と同じようなアイドル誕生番組経由のデビューである。そういう意味ではこの記事には「不自然さをともなった作為」を感じるし、最近のように量産されている、日本の王子サマとはまた別個のモノを、わざわざ日本の石川亮選手を交えて、事実を歪曲しているように感じます。

↓動画
Ice - Khon Jai Ngai  
↓ICE Sarunyu 日本語サイト 
http://icesarunyusite.web.fc2.com/content.html
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   マスコミが美談が好きなのは、今に始まったことじゃないので、今回はあえてそこは、攻撃しません。ただ、この医療崩壊と紙一重の状況を、「通り一遍の美談」で済ませるあたりは、何だろう?あなたたちの仕事は戦地に赴いた戦士を美化することに専念した戦前時代のプロパガンダ屋と一緒だね。

 もしも、医療崩壊に対する危機意識があるのなら、こんな漠然とした美談に終わらせず、こういう最前線で働いている医師が休暇が満足に取れているのか?病気で入院したりした場合、代役が確保できているのか?そういうのって報道する価値はありますよね。その文言は一切ありません。善意万歳、都市部の医師は彼らを見習うべき?

 戦争賛美に突っ走った過去をキレイに拭い去ったこの新聞社に限りません。  ちなみに本家はキレイに消し去られていましたのでウェブ魚拓です。
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我が町の「コトー先生」
朝日新聞 2007年07月18日
 崩壊の危機にある過疎地医療に手を差し伸べるため、あえて地方にこだわって診察を続ける人たちがいる。加速する高齢化で医療ニーズが高まっているのに、担い手不足から十分な診療態勢が確保できない。そんな「命の地域格差」は食い止められるのか。離島で、山間部で、そして震災の地で、地元に溶け込んで活躍する医師たちを追った。
◆子どもと会話が流儀 兵庫
 「ご飯しっかり食べてるの」「おもちゃで遊んでる?」。子どもに直接話しかけるのが、河原浩二郎医師(38)の「流儀」だ。4月末、兵庫県上郡町の鞍居(くらい)診療所に赴任。専門の小児科、内科、アレルギー科の診察を始めた。
 診療所は前任の医師が病気で退職し、1年7カ月間休業していた。河原医師も妻も兵庫出身。それまで三重県の小児科クリニックで働いていたが、故郷で仕事をしたいと考え、応募した。
 クリニックでは1日100人を診察することもあったが、患者1人につき、せいぜい5分しか診られない。今は1日15人程度で、1人に20分はかけられる。過去にかかった病気を聞き取り、気をつける点などもゆっくりと話せる。「時間的にぜいたくな治療ができる。親と子、孫の3世代を診ることもあり、生活習慣も含めてしっかりと話ができる。診察の原点に戻れたようです」
 赴任して間もなく、高齢の患者が河原さんの勧めで総合病院の検査を受け、早期のがんが見つかった。「医療レベルでは大病院にはかなわない。自分は1番バッターとして、後につなぐのが仕事」。同じ患者を長く診て、話すだけで病気がわかるような名医になりたいと願う。
◆被災民を支え続ける 石川
 能登半島地震で深刻な被害を受けた石川県輪島市門前町の開業医、宮丸冨士雄さん(81)を訪ねてくる被災者が後を絶たない。住民たちの訴えには、自宅の再建をどうするかなど、医療以外のものも含まれる。
 地域にいる開業医5人の中で最年長。輪島市と合併する直前の旧門前町長も務めた。「患者がいる限り頑張りたい」と、現役の笑顔を見せる。
 激しい揺れに襲われた3月25日は、所用で金沢にいた。翌日、町に戻ると風景が変わっていた。生家は全壊。隣接する築約50年の自宅や木造2階の医院は倒壊を免れたが、院内では土壁が落ち、医療器具などが散乱して足の踏み場もない状態だった。
 それでも、次の日には震災で薬を失った患者が来院。片づけに追われながら、1週間後には診察を再開した。高齢の自分でも頼りにされている、との思いが支えになった。
 「震災がなければ、今頃は医師をやめていたかもしれない。ただ、命にかかわる仕事だけに、やめる判断を間違えてはいけない」
◆島民215人の健康守る 高知
 高知県宿毛市から定期船で1時間半。県の西端に浮かぶ沖の島にある「へき地診療所」では、4月に赴任した宮崎修さん(29)が、島でただ一人の医師として全島民の健康を守る。
 年間を通してダイビングや磯釣りを楽しむ人が訪れる自然豊かな島。かつては漁業で栄え、1955年ごろの人口は3000人近かったが、今は215人。半数は高齢者だ。患者の多くは高血圧や糖尿病などを抱える。
 診療所ではできることも限られ、治療のために島を出る人も少なくない。「島でずっと暮らしたい」。そんな島民の気持ちにどう応えていくか、悩むこともある。
 妻と生後6カ月になる息子とともに暮らす。慣れない島での暮らしで、家族に負担をかけていると感じることもあるが、「診察に時間をかけ、患者さん一人ひとりの家庭環境や生活も知って治療にあたりたい」と願っている。
 「無理せられんよー」。診察を終えた高齢者に優しく声をかける宮崎医師の存在そのものが、島民の安心につながっているようだ。
◆生活の改善へ料理リハビリ 徳島
 西日本第2の高峰、剣山のふもとにある端山診療所(徳島県つるぎ町)は、お年寄りを対象に「料理リハビリ」を実践している。診療を終えた約10人が、所長の十枝紀巳代(とえだ・きみよ)さん(66)考案のメニューを作る。
 元小学校教員。36歳で医学部に合格し、医師の道を歩んできた。患者の大半は80歳以上。病状を診るだけでなく、生活全般を改善する「包括ケア」にこだわった。そこで思いついたのが料理リハビリだった。
 塩分を控えめに栄養バランスにも気遣う。1食200円。十枝さんを囲んで談笑しながらの食事も楽しみの一つだ。食べ残しは容器に入れて持ち帰る。10年前に脳梗塞(のうこうそく)になったという80代女性は「家にこもって死ぬつもりだったけど、ここに来て体が動くようになった。今は料理が楽しい」。
 町は赤字を理由に、診療所を3月限りで閉院する予定だった。だが、患者の強い要請もあり、十枝さんと町が月1万円の賃貸契約を結んで存続にこぎつけた。「患者とじっくり向き合いたい」。10年前、この地にやってきた時の思いは一向に衰えていない。
◆陸の孤島 奮闘の毎日 奈良
 紀伊山地の奥深い場所にあり、「陸の孤島」と自らのホームページで表現する奈良県十津川村。琵琶湖とほぼ同じ面積の日本一広い村に住む4500人を、歯科を除けば公立の2診療所と1医院の計3人の医師が支える。
 深い谷に面した小原診療所の医師、巳波(みなみ)健一さん(38)は4月、へき地や離島の医師を確保するため、自治医科大から派遣された。妻と2人で週に1回、約100キロ離れた同県橿原市まで食料を買い出しに行く生活にも慣れてきた。
 1日に50~80人を診察する。「患者が列を作って待っている時に急患が来ると、もうパニックです」。診療態勢はパンク寸前だ。
 65歳以上の高齢者が約4割を占める村では、思うように外出できないお年寄りも多く、往診の需要は高い。ただ、車で片道1時間半かかる場所もざらで、午後3時半の診療終了後だと1軒がやっとだ。
 それでも、往診に行くと患者の生活環境が把握できる。「気持ちも通じるようになるんです」。深緑の山道を走る日が続く。
◆温かい住民に囲まれ 和歌山
 和歌山県白浜町の温泉街から、川沿いの山道を車で1時間弱。瓦ぶきの「川添診療所」に勤務する中川武正医師(60)は、4月に川崎市の聖マリアンナ医科大から赴任してきた。
 医師が大勢いる大学病院とは事情が違う。「医師としてすべてを任されている」。専門はぜんそくやアレルギー。着任後すぐ、犬にかまれた患者がやって来た。
 医学生時代に読んだ1冊の本が忘れられない。ドイツ人医師、シュバイツァーのアフリカ滞在記「水と原生林のはざまで」。原住民の医療に携わった筆者の姿に、「医療を必要としている人のための手助けがしたい」との思いを強くした。
 昨年8月、知人の医師の紹介で妻と診療所を見に来た。「ここだ」。山の緑と水の清さを見て直感した。「住民も温かく、日本の原風景がある」。定年まで5年。退職を決めるのに時間はかからなかった。
 「地元の人たちに感謝されると、来て良かったなと思う。キャリアの締めくくりをここで迎えたい」

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  ところで、大淀町立病院や大野病院で産科を一人で続けてこられた先生方は「医療を必要としている人のための手助け」をしていなかったのでしょうか?その医師をたった一度の医療事故で、医療現場から立ち去らせ、地域医療の崩壊に大いに貢献したマスゴミ。

 恥もなく、こういう記事を量産するマスゴミの稚拙さ、低脳さぶりに脱帽です。うち、医療事故の報道が少ない日経新聞しかとってないんだけだけど、こういう記事が垂れ流されるようなモノ、取るの止めようかな。ぽち→ 



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