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日本医師会も苦言を呈する産経新聞の報道姿勢 [マスコミ]

産科勤務医の当直、5日に1回以上 6年で30%増

 産経新聞イザ! 10/06 19:44

 産婦人科勤務医の当直回数は、平成18年度は月平均6・3回で、6年前に比べ約30%も増えたことが、日本産婦人科医会(会長・寺尾俊彦浜松医大学長)の全国調査で分かった。単純計算で5日に1回以上の頻度。当直明けでも普段と同じ勤務をこなさなければならない施設が9割以上を占め、当直手当てが増額がされた例もごく一部にとどまった。  産科医の勤務の過酷さと待遇の不十分さがあらためて数字で裏付けられた形で、同医会は今後、改善に向けた具体的提言をまとめるとしている。  調査はお産を取り扱う全国約1300施設が対象で、約800施設(62%)の有効回答を分析した。  当直回数は、12年度に行われた調査では月平均4・7回で、1・6回増加した。同医会は「この数字は小児科や救急と比べても多いのではないか」としている。  当直明けの勤務緩和措置については「なし」が全体の92・5%。国立系の施設(大学病院を除く)では100%、大学病院は97・4%が勤務緩和をしていなかった。  過去1年以内に当直手当てを増額した施設は9・4%。妊婦が糖尿病や妊娠高血圧症候群であるなど、リスクが高いお産を扱った施設に加算される「ハイリスク分娩(ぶんべん)管理料」を、一部でも医師に還元した施設は1%にも満たなかった。  調査をまとめた同医会常務理事の中井章人日本医大教授(周産期医学)は「過重労働や労働に見合わない対価などが、産科医やお産施設の不足に拍車をかけている。妊婦の救急搬送に支障が出る一因もここにあるのではないか」としている。

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  さてと、この報道に泥をかぶせるつもりはないが、わずか1ヶ月前に産経新聞はこのような社説を書いている。

 【主張】妊婦たらい回し また義務忘れた医師たち http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/column/opinion/80700/

 この中で、こう締めくくっている。

 「痛みをこらえる患者をたらい回しにする行為は許されない。理由は「手術中」「ベッドがない」といろいろあるだろうが、患者を救うのが医師や病院の義務である。それを忘れてはならない。」

  申し訳ないけど、産経新聞の姿勢は「放火犯による消火活動」と同じですな。こういう記事を載せる前に、この「社説」についてきちんとした、正しさの検証はしたんでしょうかね?この会社の無反省ぶり、社会の公器だという責任感は放棄しておりますな。

  奈良県の「たらい回し報道」の魔女狩り報道で、産経新聞は他のマスコミに比べると明らかに質が悪かった。そして訂正を電話で申し込んだが、一切訂正などしなかった。そこに「直すようなものじゃない」と言った読者サービスの電話係。御社は今後も引き続き、「魔女狩り」を行うつもりだということだ。  

 「誤報を行って記事をそのまま訂正しない行為は許されない。正しい報道を行うのがマスコミの義務である。それを忘れてはならない」

 「新聞を売るためなら何でもやってゆるされる」という勘違いは大いに許されないところである。ちなみにあの日本医師会も「いわれなきマスコミの魔女狩り報道について」苦言を呈している。

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日本医師会2007/10/05

 マスコミ報道の在り方

 九月初めから,奈良県橿原市のいわゆる「妊婦たらい回し事件」に端を発し,同じようなケースの報道がなされている.いずれのケースも,かかりつけの医師を持っていない. 奈良のケースは,最初の報道では妊娠三カ月と言っていたのが,実は妊娠七カ月.夜中にコンビニで買い物をしている時に痛みが生じ,救急車を呼んでいる.奈良市ではすべての病院に断られ,大阪に搬送する途中,救急車が交通事故.そして流産し,胎児が死亡した.しかし,妊娠七カ月というのに,一度も診察を受けていなかった. マスコミは「義務を忘れた産婦人科医」と言い,政府高官は,事実を確認もせずに,「日本の医療になっていない」「産科医を増やそう! その対策を早急に」と発言. 受け入れない産科医が悪いのか.かかりつけの医師を持たない妊婦が悪いのか……後者であろう.一時期はやった「自己責任」という言葉は,どこへいったのか. 産科医の増加のために一番効果的なのは,マスコミが『行き過ぎた医療バッシング』をやめること,これに尽きる. マスコミによって,国民は産科だけでなく,医療に不信感を植え付けられた.そのため,医療は萎縮,崩壊へと進みかけている. ヒトは皆,いつか死んでいく.その前に,ほとんどのヒトは病む.その時,必ず医師とかかわる.そのかかわり方を,良いものにするためには,いわれのない不信感は害になる.医師と患者の間に信頼感がなければ,良い医療は生まれない. 今こそ,マスコミは報道の在り方を考え,国民と医師の信頼回復に手を貸すべきであろう.(♪) -------------------

  さて、これが新聞社の首脳の人たちに届くかは不明だが、目にする人たちは、どう 思う?「産経新聞は公正な医療報道に心がけている」のだろうか?ならば、日本医師会にこんな批判を書かれることなどないだろうね。ぽち→


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