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[中国が未来予想図?]医療を滅ぼす住民のモラル [医療崩壊]

未収金:「払わなくても受診できる」 浜松の病院、うわさ拡大し5770万円

毎日新聞 2007/10/11

 浜松市中区の総合病院「県西部浜松医療センター」(脇慎治院長、606床)で06年度、患者からの未収金が5770万円に上り、同年度末の累積債権が9189万円にもなっている。市内では「公的な病院だから医療費を払わなくても受診できる」とのうわさが広まっており、それが一因という。市から運営を委託されている市医療公社は「一部の不払い者のせいで医療サービスに影響が出かねず、ゆゆしき事態だ。市の債権回収対策課と連携することも検討しており、悪質なケースには強い態度で臨む」としている。

 病院は市が設置しており、市健康医療部の担当者によると、数年前から「あの病院はお金を払わなくても平気」「昼より夜に行った方がいい」などといううわさが流れ始めた。特に06年から激しくなったといい、会計処理のできない夜間や救急での診療に対する支払いを督促しても「どうせ税金で何とかなるだろう」などと拒否され、中には出産で入院中にこっそり抜け出して行方不明になる人もいるという。

 未収金は04年度3200万円、05年度3850万円と増え続け06年度5770万円に。07年度も減る気配はないという。

 明らかになっている06年度の累計は、決算時点で時効になっていない04~06年度分の患者593人分で、1人当たり約15万5000円。外国人とみられる患者も72人おり、医療費が高額になりやすい産婦人科の未収が目立つという。

 同病院の年間収入規模は06年度は124億円で、直ちに経営に支障が出るわけではないが、市医療公社は「このまま増えれば、必要な資材が買えないだけでなく、職員の給与にも響きかねない。回収も強化するが、受診者のモラルにも訴えたい」としている。医師法は、医師は訪れた患者の診察を原則断れないと定めており「持ち合わせがない」と言う患者がいた場合はクレジットカードがあるかを聞いてカード払いの導入も検討している。【竹地広憲】

毎日新聞 2007年10月11日 東京朝刊

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 日本は衣食足りて「礼節」だけでなく「常識」をも失ったようですね。残念ながら、公的病院でも、お金を払わねば住民の税金で穴埋めするしかありません。幸い日本では、お金がないからと「診療拒否」とかはできませんので(そういう意味では応召義務は患者にとってはいいことづくめですね)、いつでも自由に診療を受け、夜間・休日を問わず、病院にかけつけて、専門医がいないのは何故だ?とか、(夜中に)検査してくれないのは何故とか無理難題を言っても許される国でよかったですね。

 さて、そういうお金の問題が直結するのは中国でも同じです。あんまり取り上げられることがないので、放置していましたが、中国で医療に当たったことがある先生の言うとおり、自由化してから「もう大変」ですとのこと。具体的な「地獄の沙汰も金次第」ぶりは、よく読んでください。医療が自由化した場合、こうなっても文句は言えませんな。もちろん、診療費踏み倒しなど許されない、救急車でかけつけても点滴一本をしてもらうにも事前支払いが必要な国・・・そんな国じゃなくて良かったですね。日本の政治家の贈収賄やお役人の汚職も中国なんかに比べればはるかに少ない金額だし、医療水準も悪くはない・・・しかも治療費は踏み倒し放題!ときたら、愛国心が芽生えますw。あ、医師の士気は下がりますけどね。

ぽち  


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中国人なら病気になってはダメ 医療費現金前払いの国で
フィナンシャル・タイムズ
2007年8月31日(金)10:23 
 
(フィナンシャル・タイムズ 2008年8月29日初出 翻訳gooニュース) リチャード・マグレガー


 数年前に初めて中国の病院に足を踏み入れた時のことは、なかなか忘れられない。上海の冬、まだ明けやらぬ凍てつく寒さの中、妊娠中の妻を産科病棟に急いで連れていった時のことだ。妻がそういう状態だったからというだけではなく、あの朝
のことは強烈な印象として残っている。


 というのも、すぐには産科病棟に入れてもらえなかったからだ。それよりも先に私はまず、電車の発券カウンターのようなところに並ばせられて、3万元(約40万円)を払わせられた。そこではクレジットカードが使えたのがせめてもの幸いだった。というのも中国ではほとんどの病院が、現金の前払いを求めてくるのだ


 とても不愉快な経験だったが、ただの不愉快で済んだのだからまだマシだ。多くの中国人にとっては、生死を分ける深刻な問題なのだ。中国の人たちは、たとえ命に関わる深刻な病気でも、たとえ子どもでも、治療費を前払いするまでは医者に診てもらえない。


 中国は国家統制経済から市場経済に移行した。その狭間にあって中国の医療システムは巨大な台風の目と化してしまった。急成長を続ける中国経済の影響は中国国内にとどまらず世界各国に波及する。同様に中国の医療システムの問題もやはり、影響は中国にとどまらない。


 病気になったら破産
してしまう。この恐怖が大きな要因となって、中国人は貯金をする。高い貯蓄率に伴って投資率も増え、さらに最近では経常黒字拡大と共に輸出拡大を助長している。


 医療や教育や年金は、かつて国家が提供するものだった。都市部では国営企業が。農村部では人民公社が。どちらもかつては中国国家を支える柱だったが、ここ数年では人民公社は解体され、国有企業は民営企業にとって代わられつつある。そしてその後にできた空白を埋めているのが、利用者負担のシステムだ。


 政府の資金援助がないため、中国の病院は(中国には一般開業医の制度はない)どこも、薬漬けの薬局みたいな場所と化した。病院は安定収入の半分を、薬の売上代で得ている。残りの収入は検査代で、だから中国の病院には西側よりも優れた検査機器をそろえたところがある。


 中国の医療システムは、医師を含めて誰もができるだけ薬をたくさんを売ったほうが潤うという、そういうインセンティブが随所に組み込まれている。たとえば医師の給料は、どれだけたくさん処方箋を書いたかに連結していて、目標値も設定されている。その結果、裕福な中国には優れた病院があって、貧しい中国はせめて診療所だけでもあれば幸い、ということになる。病院入り口で患者に「金を払え」と迫る病院を責めるのは簡単だが、金を取れるうちに取っておかないと病院が成り立たないのだ。


 中国で今年発覚した最大級の汚職事件は、医薬行政トップの関係するものだった
。これは、決して偶然ではない。鄭篠萸・前国家食品薬品監督管理局長は、新薬承認をめぐり約649万元(約1億円)相当のわいろを受け取った罪で死刑判決を受けた。刑は7月、執行された。


 一番さかんに処方されるのは、抗生物質だ。そして抗生物質の使いすぎは、悲惨な結果を招いている。中国衛生部はこのほど、肺炎にかかる子どもの約7割が、抗生物質の使いすぎで治療薬に耐性ができてしまっているという調査結果を発表。中国で最も市民の収入レベルが高い北京、上海、広州の3都市では、7割が9割に跳ね上がるという。


 中国の薬漬け医療の問題は中国内でもよく知られていて、マスコミはそれを逆手にとってゲリラ取材をしている。たとえば今年には、中国人ジャーナリストが患者のふりをして10カ所の病院を訪れ、尿検査で尿の代わりにお茶を提出。病院10カ所のうち6カ所が、尿ではない尿に「潜血」を見つけて、ただちに薬を処方したという。


 中国では、政府が何もしないでいるということはあまりない。この医療危機についてもそうだ。農村部では、地方自治体や個人による保険負担と病院の診療費キャップを結びつけた、協同組合的な医療保険制度が開始。大都市では、低所得者のための家計に応じた医療保険が始まり、5月には病院の収入となる薬価差益に上限を設けた。全国レベルでは、20近い省庁が関わる委員会がこの問題を注視している。


 胡錦涛(フー・チンタオ)中国国家主席は、国民皆保険の青写真を作るよう政府に命令したというのが、大方の受け止め方だ。そして命令された官僚たちは、いったいコストがいくらぐらいかかるのかと戦々恐々としている。しかしおそらく来年には、全国展開を目指した基本医療保険の試験運用が始まるだろう。


 国と言うのは公平な医療制度、あるいは優れた医療制度がなくても繁栄できるし、超大国になることだってできる。現に、アメリカがそのいい例だ。そして中国の様々な問題を一気に解決するための特効薬などない。しかし中国の医療制度改革がどういう形をとるかというのは、胡錦涛体制がどれくらい大胆に、どういう方向に向かっているのかをわかりやすく量る雛形にはなる。


 医療制度の問題はさらに、中国にとってもっと大きなテーマと密接に絡み合っている。つまり、何をどこまで市場原理に任せたらいいのかという問題だ(医療業界の拡大は中国衛生部の利益につながる。このため衛生部は、民営化のしすぎに消極的だ)。


 課題はほかにもある。誰が医師を監督すべきなのか? (一党独裁国家では、国家権力から独立した職業集団は成立しにくい。中国では最近になってようやく、自己統治力をもつ職業集団が少しずつ発足しつつある) そして、医療改革に中央政府はどのくらいの予算をつぎ込むべきか? (中国財政部は豊かな税収で潤っているが、使い道のはっきりしないまま省政府など地方自治体に予算を回すことを嫌っている)


 そして私の場合。妻の入院前に前払いした金額から、実際にかかった医療費を差し引いた差額を、退院する際に返金してもらった。なので、生まれたばかりの子どもを片手に抱いて、そしてもう片手に重たい現金の札束を握って、病院を出て行くことができた。しかしこういう、めでたしめでたしな結末は、そうそう滅多にあることではないのだ。


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[医療崩壊]兵糧攻めでそろそろやばい・・・ [医療崩壊]

 10/10のニュースステーション

手術ができない…不足する麻酔科医 
 今、全国の医療機関で麻酔科医不足が深刻化している。全身麻酔による手術が年間約210万件に上るのに対し、麻酔科医の数はわずか6600人あまり。さらには医療の高度化で麻酔科医の仕事量が急増し、都市部の中核病院でも、緊急手術ができずに患者の転送を余儀なくされている。医療現場では今、何が起きているのか!?番組では、激務を強いられる救急センターの麻酔科医に密着。深刻な人手不足の現状を追った。  

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 現在、3000人の麻酔科医が日本中で不足とかいわれると、来年度の卒業生の三分の一強かぁ。無理だな10年以上かかりそう(汗)。内科も外科も小児科も産婦人科も足りない・・・しかも卒業してもすぐには使い物にならない(だいたい一人前になるのに10年はかかるからなぁ)。

 ついでに下のような記事を読むと・・・マンパワーの限界が先にくるな。医療崩壊は結局、裏からも表からも…来ますね。むぅ。いわゆる兵糧攻めに遭っているようなもんだしなぁ。

 そうそう、じほう社の「JapanMedicine」http://www.japan-medicine.com/index.htmlとか読むと・・・あんまり明るいお話はないですねぇ。
 今回はたまたまメールで気になったからm3.comの中を見てしまったのでした。禁忌を破ってしまいました・・・すみません。

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国立大病院の手術件数が限界水域に 年550件/台が限界 手術部会議が調査結果公表  
 
記事:Japan Medicine
提供:じほう

【2007年10月10日】 
 DPC(Diagnosis Procedure Combination)導入以降、病院経営上の要請で手術件数の増加を求められ続けてきた国立大学病院の手術部室関係者から、現行の態勢では、ほぼ限界という声が強まっている。全国国立大学病院手術部会議は手術台1台当たりの年間稼働実績が平均523件で、スタッフの健康などを加味すると550件程度が現状では限界の数字だとするデータを公表した。数値は2005年度の実績。近くまとまる06年度分では限界域にさらに近づく可能性がある。現状維持か、態勢の抜本的な見直しでさらなる増収の道を探るのか、経営層に判断材料として活用してもらう考えだ。

 国立大学病院は、04年度の独立行政法人化を機に経営の自立を求められた。医業収入増に向けて、出来高で請求できる手術件数を増やして対応するのが一般的になっている。
  手術部会議が例年行う調査によると、05年度の手術件数は20万8264件で、1996年の14万6557件の1.4倍になった。DPCが手術件数に与えた影響をみると、試行的適用前の02年度の16万7960件が1年後は18万8671件と、DPC導入を機に手術件数は急カーブで上昇している。
  1施設当たりでは年間1500件増加した計算になるが、それを支えるマンパワーはさほど増えていない。看護師は、98年度1234人が05年には1403人になり、1施設平均で4人増加した。麻酔科医も若干増えているが、臨床工学技士、薬剤師などは横ばいで、全体的な状況として手術件数の増加は、手術部スタッフの頑張りに支えられている格好だ。

1台あたり手術件数は年間523件

 手術部会議幹事で新潟大医歯学総合病院手術部の堀田哲夫副部長・准教授は、「医業収入を増やすためには手術が一番ということになるが、ではどのくらい増やせるかということが分かっていない」と指摘する。
  調査によると、1病院当たりの手術台は平均10台で、1台当たりの年間手術件数は523件だった。
  稼働する手術台は6台から15台まで差があり、手術件数に影響を与えていた因子として、稼働手術台、病床数、看護師数、全身麻酔手術数-などが浮かんだ。ただ、病院規模で補正するとこれらに相関はみられず、「手術件数増加は職員の負担の大きさに依存している可能性がある」(堀田氏)という。
  1台当たり手術件数が523件だったことに加え、「(年間)500件では余裕があるが、600件を超えると限界」という回答が多かった意識調査や、年間600件超の大学病院が4施設にとどまる状況などから堀田氏は、年間550件程度が現行態勢の限界とみている。ただ、その水準では、手術を増やしたい経営層の要請を満たすことはできない。
  外科系病床で手術を必要とする人に、外来手術を加えた数値を手術に対する病院のニーズと定義すると、810床の同院では、7377(算出式はデータ参照)件に対応しなければならない。それに対して手術室12台の同院が550件ずつ手術をしても年間6600件が上限で、その差をどう埋めるのかが課題だ。
  現行よりも手術件数を増やすには、麻酔科医や看護師、外科系医師などの職員を交代制にして1日当たり稼働時間を増やす、休日も手術をするなどが考えられる。看護師の2交代制は東京大病院がスタートさせているが、豊富なスタッフがそろう東京大ならではの態勢とみている。7対1入院基本料算定のため病棟への配置が優先される現状では、看護師の増員もスムーズには進まない。
  病棟、医事科も含めた大幅な態勢見直しを伴う土日稼働の可能性は、さらに低くなる。大学病院の医師が、救急病院で当直をするなどして地域医療を支えているため、「現実問題として、地方ではほとんど不可能」(堀田氏)とみている。

経営方針決める判断材料に

 同院手術部では、午後5時半にそろって手術が終了することはまれ。3台前後は午後9時前後まで稼働していることが多いという。医師には充分な超過勤務手当も支払われていないことから、現状維持という選択であれば、「手術に対するニーズを減らしてもらわなければ対応できない」(堀田氏)というのが現場の実感だ。
  「現場の人間は、馬車馬のように働いている」と堀田氏は話す。国立大学病院手術部のキャパシティーの上限を示した今回のデータは経営層に提示、対応を決める判断材料にしてもらいたい考えだ。
  さらに堀田氏は、手術台1台当たり550件の稼働でも、マンパワーの補充や設備の更新ができる程度の利益が診療報酬点数で確保されている必要があると強調する。調査によると手術1件当たりの収入(手術料と麻酔料の合計)は約33万円だった。堀田氏は、「それでも赤字なら、保険点数の仕組みがおかしいというところに持っていきたい」と話している。

データ
外科系病床数(450床)×稼働率(0.9)×1床あたり回転数(20.3回、365÷18)×手術患者係数(0.8)+外来手術(800)

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 医師の賃金が安い大学病院でこき使われる医師たち・・・交代制にしようにも不足したマンパワー・・・どうなんでしょうかね?今の大学病院は旧研修制度で育った働き盛りの医師が奮闘しているところです、逆に今の新研修制度で、大学以外の研修指定病院で学んでいる若手医師が大学に戻らなかったら?ちょっと怖いです・・・。
 医学教育でのひとりごとという大学の教官の先生が「学生を大事にしたって駄目ですよ」で悩んで見えるのを拝見すると本当に気の毒です。がんばって育てても戻ってこない若手医師。彼らが次のキャリアを磨くべき大学病院の崩壊がやがてはじまってしまいそうです・・・。地方大学ほど大変なことになっています。いずれ、厳しい現実「イギリス型崩壊」を我々は眼にすることになるのでしょうか。


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はびこる暴力患者・・・日本の医療危機 [医療崩壊]

 世の中には色んな患者さんがおみえです。医師も人間なので、少し忙しいときなど、看護師さんや患者さんに横柄な対応して「お叱り」をいただくのが常ですが、こういうのはあんまりですね。

 暴力行為については毅然とした対応で。診療義務とかそういうのは、常識のレベルで、無理をおっしゃる方には「お引取り」を願いたい。日本では、信頼関係をベースに患者さんをですから、それが崩壊するような事態になるのであれば、「診療義務など廃絶」してもらってもかまわない。

 時々、名医とかを賞賛するテレビ番組などがありますが、医師とて人間です。睡眠不足で疲れていたら、いつものように対応していてもミスを生じたりするでしょう。「体力」や「忍耐」の限界まで働かされて、なおかつまだ「働く」のが強制されるという・・・今の時代にそぐわぬ古めかしい規則『応召義務』。中にはこういう平気で暴力患者さんの擁護に回る法曹界の方もお見えです。

>森谷和馬弁護士(第2東京弁護士会)は「病院は患者の健康を守る使命を持つサービス業であり、診療を拒否した場合、世間などからの非難は避けられない」と、診療義務を重視する。

 きっとこの方は、海外で診療義務など、一切ないことをご存知ないのでしょう。アメリカのような国では患者さんが暴れれば、即警察ですし、支払いがカバーされない保険証であれば、映画「シッコ」で映し出されたよに、病院追い出されます。
 逆に森谷弁護士に、あなたは顧客にぶん殴られてなお、その顧客を弁護をしますか?とお尋ねしたい。

 こういう、日本の善意ベースの医療を、「暴力患者の人権尊重」という危うい状態におちいって、なお、暴力患者の弁護をする。困った人がいるものだ。一人の暴力患者を押さえ込むのに、看護師や医師が何人必要になるのであろうか?そしてそういう患者の迷惑行為のために、同じ病院にいる患者さんの生命危機を見逃す可能性もある。傍若無人の振る舞いを許す「自称・人権擁護派弁護士」って最低ですね。

 日本の診療は限界に達しています。「コンビニ」と同じように、夜でも開いているのだから、ちゃんとみろ!(すみません、夜間は昼間と違い、人がいないので出来ません・・・ご存知ないかもしれませんが、夜間救急はあくまで「救急でお困り」の方への窓口です、昼間においでください)とか、1時間に20人診察していて、多忙でも親切で当たり前、たとえ善意で手術に失敗でもすれば福島県の産科医の先生のようにお縄に・・・じゃ、誰も医者を続けられません。

 法律家はそろって、日本の医療を崩壊さえたいのであろうか?深刻なお話です。

 自分は、患者さんの診療を自由に断れる権利を求めてはいません。アメリカのように放り出そうなんて思いもよりません。ただ、暴力行為を働かれて、なおかつ居座られるのはお断り・・・というのが医師の気持ちじゃないでしょうか?
 そろそろ、撤廃すべきでしょう。>応召義務。

 患者暴力を認める弁護士や厚生労働省にはNO!を

ぽち  

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読売新聞2007/10/10 
  

暴言患者、拒めぬ医師「診療義務」法の壁

「迷惑どこまで我慢」

 医師や看護師が患者による暴力や暴言に悩んでいる問題で、度を越した場合に医療機関が診療を拒もうとしても、医師法で診療義務を課されているため、断念するケースが出ていることが分かった。

 病院からは「毅然(きぜん)とした対応が取りにくい」という声が上がるが、厚生労働省は患者のモラルを理由とした診療拒否に慎重な姿勢を崩しておらず、法律専門家の見方も分かれている。

 「診察治療の求めがあった場合、医師は正当な理由がなければ拒んではならない」。医師法では診療義務をそう規定している。「正当な理由」とは、医師が病気の場合などに限られるというのが、厚労省のこれまでの見解だった。

 診療義務が争点となった裁判では、1997年に入院患者の退院を求めた病院側の請求が退けられたケースがある。

 裁判所は「患者やその家族が看護師に包丁を見せたり、ナースコールを1日80回以上も鳴らしたりして、病院の業務を著しく妨害した」と患者側の悪質行為を認定する一方、「退院を強制すれば、入院が必要な患者にその機会が保障されないことになりかねない」と指摘した。

 昨年、九州のある病院では、胃腸の病気で入院した高齢の男性患者が消灯後に大部屋でテレビを見るなど、迷惑行為を続けた。

 病院では執行部が検討を重ねたが、医師法で診療義務が定められている以上、退院は強制できないとの結論に達し、「ルールに従わないのなら治療は続けられません」という警告にとどめた。

 しかし、患者の行動は改善されず、女性看護師を突き飛ばして転倒させる騒ぎまで起きた。最終的には自主的に退院してもらったが、病院の医師は「迷惑行為をどこまで我慢すべきか、判断するのに相当の時間を費やした」と振り返る。

 神奈川県のある私立病院は数年前、手術後に両手足のしびれが残った入院患者の家族から抗議を受けた。その内容は次第に、医師や看護師の外見に関する中傷へとエスカレート。暴言で傷つき、辞職した看護師は5人を超えた。

 病院側は弁護士に相談し、クレームの記録を取ったり、自主退院を促す誓約書を渡したりしたほか、行政や警察にも相談した。その上で、「患者の家族の暴言など一連の行為が、(診療拒否できる)正当な理由に当たる」と最終的に判断し、入院から3年半後に強制退院の手続きに入った。

見解は二分

 読売新聞が全国の大学病院を対象に実施したアンケートでは、「医師の診療義務を盾にとる患者が増えている」(近畿地方の病院)、「診療拒否権が認められておらず、医療者側があまりにも法的に守られていない」(首都圏の病院)などの声が寄せられた。

 厚労省によると、モラルに欠ける患者への対応について、病院から、「一定の限度を超えたら診療拒否できる、というような基準を設けてほしい」などと要望されることもあるという。しかし、同省は「患者側の立場を不利にするような解釈も生じかねないため、一律の基準を設けることは難しい」とし、「診療義務は社会的に定着しており、現行法の枠組みを変えるべきではない」との立場だ。

 医療訴訟に詳しい弁護士の間でも意見が割れている。

 森谷和馬弁護士(第2東京弁護士会)は「病院は患者の健康を守る使命を持つサービス業であり、診療を拒否した場合、世間などからの非難は避けられない」と、診療義務を重視する。これに対し、島田和俊弁護士(大阪弁護士会)は「患者側にも診療に協力する義務があり、患者の振るまいによって信頼関係が著しく損なわれた場合などは診療契約を解除できる。病院に甚大な不利益があった場合は、治療の必要性が軽微であれば、必要な手続きを踏んで診療拒否に踏み切るべきだ」と話している。

(2007年10月10日 読売新聞)
 
読売新聞 関西版2007/10/10
◆暴言、治療費踏み倒し…もう限界

 入院が必要な重症患者を受け入れる神戸市内の「第2次救急病院協議会」(53病院)が、治療不要な酔っぱらいが運ばれてきた場合、救急隊に病院外への搬送やトラブル防止のための警察官要請などを求める申し入れ書を、市消防局などに出していたことがわかった。大半の病院が医療費の踏み倒しなどの被害を受け、医師や看護師不足も深刻化しているためで、同会は「返答次第では受け入れを拒否する」と強硬な姿勢。救急医療を巡り、病院の受け入れ拒否が社会問題となる中で、異例ともいえる申し入れは議論を呼びそうだ。

 神戸市の救急医療体制は、初期(軽症~中等症患者)、2次(入院や手術が必要な中等症~重症患者)、3次(高度な医療が必要な重症~重篤患者)の3段階で分類されている。

 同会によると、同市の初期救急は、平日の午後11時40分以降、休日も午後4時40分から翌朝までは受け入れ先がなく、2001年の2次救急患者数は、約8万人で全国トップだった。

 今年8月では休日や夜間に診察した1万2689人のうち、入院不要な軽症患者は約85%の1万754人。酔っぱらいも含まれ、多くは入院や手術の必要がなく、搬送先の病院で暴言を吐いたり、居座ったり。医師への暴行、タクシー代の要求など悪質なケースもある。

 被害は47病院で年2回以上あり、うち17病院では毎月起きている。過酷な勤務に加え、被害の続発で医師や看護師らが辞める病院もあり、半数近くが当直医を確保できない状況という。

 このため、同会は9月、市消防局長と市保健福祉局長に申し入れ書を提出。病院側が治療不要と判断した酔っぱらいを救急隊員が病院外に運ぶよう要求。さらに、救急隊員が診察が終わるまで待機することや、警察官派遣を要請することなども求めている。

 同会の吉田耕造会長は「このまま医師が減り続ければ救急医療が崩壊する。賛否両論あるだろうが、本当に危険な患者の命を守ることが大事」と話している。

 今月中の回答を求められた市側は「受け入れを拒否されると困る。搬送後の手伝いや警察の出動要請などを前向きに検討し、解決策を探りたい」としている。

(2007年10月10日読売新聞)

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沖縄県の英断?医師手当て廃止で医介補復活? [医療崩壊]

医師手当「廃止の必要」 県、経過措置も設定

琉球新報 2007/10/02
 保健所など事務部局に勤務する医師の医師手当について、宮城嗣三県総務部長は2日の県議会9月定例会一般質問で「激変緩和のための経過措置を設けた上で、廃止する必要がある」と明言、廃止の考えを明らかにした。兼城賢次氏(護憲ネットワーク)の質問に答えた。
 宮城部長は「特殊勤務手当である医師手当については、ほかの都道府県においても廃止する傾向にあり、既に32団体では支給が行われていない」と説明。「県内に勤務する国家公務員の医師も、本県の医師手当に類似する手当は支給されていない。特殊勤務手当の趣旨を逸脱するものではないかとの指摘がある」と理由を述べた。
 公務員医師会によるアンケート調査では、医師手当が廃止された場合、県立病院や保健所で働く公務員医師の5割近くが「退職したい」と答えるなど、医師から強い反発が出ている。
 医師手当(1カ月)は県庁を除く本島中部以南の勤務地で4万5千円、県庁・北部で9万5千円、宮古・八重山で16万円。

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 本州と比べると離島の多い沖縄県です。公立病院で活躍する医師にとってではなく、離島の住民にとってこれは打撃ですね。沖縄県県庁は、離島の医師を一掃して、医介補を復活させようとしているんじゃないでしょうかね?↓医介補についてはこちらを参照。


"Assistant Doctors" and Medical Service Men in Postwar Okinawa
崎原 盛造 1 等々力 英美 2 (1沖縄国際大学総合文化学部 2琉球大学医学部 )

 戦後沖縄の医師不足を補完する目的で創設された「医介輔」制度の前身は「医師助手」であったと言われているが、その法的根拠は不明確である。米海軍軍政府布告第9号 (1945) は、「占領地域において免許を有する医師、歯科医師、薬剤師、看護婦、助産婦、およびその他の者で、病気の治療、疾病の予防または薬剤の処方等に従事していた者は、追って命令があるまで従来どおりその業務を継続すること」とした。「その他の者」とは、戦前の代診、薬局生、衛生兵、鍼灸師等であったが、「医官補」として医業に従事していた。沖縄民政府の組織と職務を規定した米軍軍政府指令第20号 (1946) には、関連職種として医介補、医師助手、外科医助手の表記があるが、その職務は、あくまでも「医師の業務を手助けする」ことであった。米軍軍政府は専門職としての「医師助手」の身分を公式に認めたことはなかった。1950年の「スキャップ指令」により、それまで暫定的措置であった「医師助手」は、布令第43号により廃止され、新たに「介輔」という身分が確立された。以上の結果から、法的には「医師助手」という身分はなく、「いわゆる医師助手」と表記するのが妥当である。

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 現行の法制度では「保健所長は医師」ですし、岐阜県の偽眼科医の事件でもわかるように「診察」は無理です。
 もうすぐほとんどの医介補もキャリアを考えると現役引退があいつでいる中、きっと「医介補特区」でも作りたいのかな?と一瞬思ったりして。

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黒島診療所再開へ/「週1回」残る課題

沖縄タイムズ2006/12/06
 今年四月から閉鎖していた竹富町黒島の町立診療所が八日、開所する。常駐の医介補が体調を崩した二年前から医師確保が島の課題となっており、町は石垣市の病院から医師を派遣していた。だが、抜本的解決には至らなかった。事態が動いたのは今年九月、住民と医師が直接対話したことがきっかけだ。島の医師探しから離島医療の課題を探る。(黒島美奈子)

 竹富町の島々は終戦後、琉球政府立診療所が設置され医介補が常駐。復帰後は西表島など人口の多い島の診療所は県立に移行し、県立病院から医師が派遣されている。一方、黒島と竹富島の診療所は町立になり、医介補が常駐してきた。

 数年前、竹富島の医介補が高齢で退職した。町健康保険課の嵩原力課長は「診療所運営は長く医介補任せだった。町の財政では医師確保の予算もなく医師探しのノウハウもなかった」と振り返る。同島では窮状を知った医師が半ばボランティアで常駐を承諾。現在、町が給与を支払うが、採算はほとんどない。「医師の善意に頼っている」という。

 黒島でも町は同様の条件で医師を探し、医師四人が島を視察した。だが、条件を提示すると返事が途絶えるという繰り返し。町の医師探しは暗礁に乗り上げた。

 今年九月島の窮状を訴えた報道で、ある医師が民宿経営者の仲田和則さんのホームページにアクセスした。仲田さんは「医師と話すうち町も住民も医師の善意に頼るだけではいけない。住民も積極的に動かなければ」と考えた。その後、複数の医師、薬剤師らと語り合う機会を持った。

 対話の結果、石垣市健康福祉センターの城所望医師が週一回開所することになった。インフルエンザ流行の時期を控え、高齢者が気軽に予防接種できることを優先した。民間病院や地元薬剤師会との協力などこれまでの診療所にはなかった支援体制も整いつつある。運営には県や国から補助金が出ることも分かった。

 だが、週一回では課題が残る。城所医師は開所を控え、島の自治会長・神山光永公民館長に住民との対話を申し出た。神山館長は「初めて医師から積極的に話し合おうと言われた」と歓迎する。

 城所医師は強調する。「医師一人にすべてを任せる時代ではない。離島医療にこそ、住民と町と医師の協働が鍵だ」

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 別に、全員の医師が離島医療でお金を求めているとは思いません。ついでにいうと、公務員の医師の待遇は悪いです。普通のサラリーマンよりはいいけど、大学教官の教授が「婦長さんの方が高いもんなぁ・・・」とつぶやくくらいです。別にベテランの婦長さんと比較しなくてもいいけど、やっぱり一人前の医師を迎えるのに相応しい待遇があると思います。
 ドクターコトーが日本中の離島にいても、明日から「理由もなく減棒」になったら・・・普通はモチベーション(士気)下がりませんかね?もちろん、医者なんだからごちゃごちゃ言わんとやれよ!という意見もあるでしょうが、じゃ、普通のサラリーマンの方に、来月から給料が2/3になります、会社に来てください?行きますか?
 公務員なら、残業代の支払いが満額回答なされてると思うでしょ。違いますからご安心を。これは他府県のお医者さんですが、ほぼこんなもんでしょう。

過酷な労働条件を撤廃するため産婦人科医が1億円を要求 

「過酷な当直」、産科医5人が超勤手当1億円要求 奈良

 奈良県立奈良病院(奈良市)の産婦人科医5人が04、05年の超過勤務手当の未払い分として計約1億円の支払いと、医療設備の改善を求める申入書を県に提出したことがわかった。医師らは「報酬に見合わない過酷な勤務を強いられている」と訴えており、要求が拒否された場合は、提訴も検討する方針。

 県によると、同病院の年間分娩数は05年度で572件。産婦人科関連の救急患者は年間約1300人にのぼる。産婦人科医が当直をした場合、1回2万円の当直料が支払われるが、当直の時間帯に手術や分娩を担当することも多いという。

 申入書によると、当直について労働基準法は「ほとんど労働する必要がない状態」と規定しており、実態とかけ離れていると指摘。当直料ではなく、超過勤務手当として支給されるべきで、04、05年の当直日数(131~158日)から算出すると、計約1億700万円の不足分があるとした。現在9床の新生児集中治療室(NICU)の増床や、超音波検査のための機材の充実なども要求している。

 医師の一人は「1カ月の超過勤務は100時間超で、医師の体力は限界に近い。更新期限を過ぎた医療機器も少なくなく、これでは患者の命を救えない」と訴える。

 県は、産科医を1人増員するなどの改善策に乗り出すとともに、医療設備の改善を検討しているが、超過勤務手当の支払いは拒否した。担当者は「財政難のため、すべての要求に一度に応えるのは難しい」と説明する。
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200610210041.html
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 財政難であるから、支払いません?だから奈良県は崩壊したんです。労働に対価を求めるのは正しいと思います。偽装請負や派遣会社がピンハネする日本。地方自治体もお金がないのを理由に、地域医療にあたる医師の給料なら削っても文句が出ないとお考えのようです。
 自分も地方公務員であったことがありますが、給料引き下げたら、みんなすたこらさっさとお辞めになられましたとさ。
 今さらながら、日本の役人さんの見識の高さに感動いたしますね。


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特集:ニッポンの医療「殺される医者」「潰される病院」 [医療崩壊]

ついに経済界からも衆目を集めるようになった、医療崩壊。これについては、ぜひ買った上で、ゆっくりとお楽しみ?ください。いや・・・深い意味はないんですが。あんまり取り上げられないことも入ってます。

  
財界展望2007年11月号
特集:ニッポンの医療

「殺される医者」
「潰される病院」

日本の医療が崩壊の瀬戸際に立たされている――。患者からは“無謬の医療”の提供を求められ、訴訟リスクとメディア・バッシングに怯えながら、疲労困憊した身体でメスを握る日本の医師たち。それに追い打ちをかけるように、財務省厚生労働省診療報酬のマイナス改訂へとひた走り、結果、医師は収入的にもさして恵まれぬ職業へと転落しようとしている。
一方、小泉構造改革は医療を“資本の草刈り場”へと変貌させた。地域医療の供給元であった病院は“ハコ”として売買され、収益の上がらないものは倒産へと追い込まれる。
医療に持ち込まれた市場原理主義の牙が、いままさに医者を殺し、病院を潰そうとしている。
医療崩壊。その現状を追った――。

特集:「大規模病院グループ」
飽くなき巨大化の野望
ジャーナリスト 田中幾太郎
診療報酬のマイナス改定が繰り返され、赤字経営が7割を超える病院受難時代に、医療福祉専門大学を新設し成功を収め、傾いた名門病院を次々に立て直した男がいる。名声の裏で何が行われてきたのか。その正体を暴きながら、どうすればサバイバルレースを勝ち抜けるかを探っていく。


特集:二極化する日本の医療機関
「稼ぐ病院」「赤字病院」を分かつ壁
高崎健康福祉大学講師 木村憲洋
新医師臨床制度、診療報酬のマイナス改訂、そして金融機関の再編・・・病院経営を取り巻く環境は厳しさを増している。はたして、「稼ぐ病院」と「赤字病院」を分かつものは何なのか。病院経営のポイントを指摘する。

特集:彷徨える「勤務医」たち
年間6000件「開業ラッシュ」の死角
高崎健康福祉大学 木村憲洋
苛酷な勤務に耐えかねて、病院を飛び出す医師たちが増えている。そして、到来しているのが年間6000件に迫る「開業ブーム」だ。はたして、開業は医師にとって“安住の地”なのか。漂流する医師たちの姿をレポートする。

特集:次は内科が崩壊する――
「ニッポンの医療」を殺した“真犯人”は
医師・衆議院議員 阿部知子
はたして、日本の医療を崩壊寸前にまで追いやったのは誰なのか。長く小児科医として医療現場を見てきた衆議院議員の阿部知子氏が、日本の医療の問題点を衝く。

特集:日本医師会、医療ファンド、コンサル、厚生労働省・・・
医療関係者座談会
「魑魅魍魎」医療界の“常識”を教えます
とかく、素人にとっては複雑怪奇な医療業界。「医療改革」から「病院経営」まで、魑魅魍魎の医療業界の内幕を第一線の医療関係者たちが赤裸々に語る。
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 ということで、ついに財界も注目ですかね。早速買いました。もちろん、まだこれからゆっくり拝読します。

ぽち  

  なかのひと


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東京都内:災害拠点病院が突然診療停止! [医療崩壊]

「災害拠点」東十条病院が新患・救急受け入れ停止…来月末で全科休止

読売新聞2007/09/29

 東京都北区の総合病院「東十条病院」(馬場操院長、350床)が医師の確保ができなくなったとして、27日に突然、新規の患者や救急搬送の受け入れを休止していたことがわかった。

 同病院は10月31日を最後に全科で診療やめるとしている。同病院の常勤医は9割が日本大学医学部の派遣医師で、病院側は「日大が医師を引き揚げてしまったため、運営が困難になった」と説明している。

 多くの民間病院が大学の医学部に人材供給を頼る一方、大学側の医師不足が深刻化する中で起きた異常事態に、医療関係者は大きな衝撃を受けている。

 東十条病院は医療法人社団りんご会が1991年6月に開業した。地上7階、地下2階建てで、内科、外科、整形外科、産婦人科、小児科など16の診療科があり、北区内では最もベッド数が多い。毎月の外来患者は1万5000人程度に上り、都の災害拠点病院にも指定されている。

 同病院は27日、「常勤医師を確保することが難しくなり、このままでは患者さまに十分な対応ができない」とする張り紙を玄関前に掲示した。新患はこの日から受け付けず、10月31日を最後に全科で診療をやめるという内容で、通院患者に対しては、別の張り紙で、今後は他の病院に紹介するための診察しかできないと告知した。一方、現在61人いる入院患者については、全員分の転院先を確保したとしている。

 患者や家族の間で騒ぎになり、区からの連絡で初めて事態を知った都は28日、医療安全課の職員を病院に派遣、事情を聞いた。

 同病院は常勤医30人体制で運営され、このうち28人が日大からの派遣だった。同病院の佐藤一幸事務長によると、日大側から今年6月、「内科を中心に大学病院の医師が足りないので派遣を中止したい」との申し出があり、その後、他の診療科についても派遣中止の申し出が続いた。

 その結果、8人が9月末までに退職、さらに来年3月までに10人が退職することが決まったという。佐藤事務長は「代わりの医師を探したが見つからず、正常に運営できる見通しが立たなくなった」と話している。

 日大医学部の関係者によると、2004年度に新卒医師の臨床研修が必修化されたことで民間病院で研修を受ける医師が増えたが、大学で研修する医師は激減した。このため、大学の人手不足が深刻になり、他の病院に派遣する医師のやり繰りがつかなくなったという。

 東十条病院は、同大の医師派遣先の中でも中核的な病院の一つとして位置づけられており、関係者は「医師を一斉に引き揚げざるを得ないとはショックだ」と話した。

2007年9月29日  読売新聞)
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 この病院が経営危機とかそういう話は今回は聞いていません。士気が下がるような「魔女狩り」もなかったと思います。カレスのようなワンマン理事長さんがいたとも思えません。やはり・・・もうこの国は「イギリス型崩壊」に突入したのでしょう。
 ちなみに、この秋の人事異動がおちついたばかりで申し訳ありませんが、ある転職会社の社長さんのブログで「お台場ではたらく、医師転職エージェントのブログ~」の8/22の記事では
>動きが早い
>この1ヶ月の間に常勤希望の先生で、来年度のご入職における面談が数件ありました。
>例年にも増して早い動きです。

 

 とあります。いよいよ人材流動化とともに、病院の格差が広がり、さらに病院の突然死ならぬ診療停止が広がりそうです。ぽち 
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[むじんくん]ご利用は計画的に・・・ [医療崩壊]

 九州に知り合いの先生がいます。麻酔科でちょっと前までは東京に学会と称して、飛行機でやってきては元気に夜遊びをしていたのですが。

 

 最近は消息不明。お見かけしません。さてはと思い昼休みにふと、携帯メールしてみました。

 

 元気ですか?

 

>公立病院の勤務で死にそうー

 

 ありゃ、大変です。大学病院の麻酔科から、どうやら外の病院に派遣になってしまったようです。だいじょうぶ?って聞いたら・・・

 

>安倍さんのように放り出せれば簡単なんだけどねー
>下の学年の子が先に辞めるって言ったもんだから

 

 どうやら逃げ遅れたようです。かわいそうですが、九州の麻酔科医師の過酷さは良く存じ上げません。

 

 ちなみに、自分は・・・勤続15年の第二部長が開業なることがわかっていましたから、半年以上かけて、医局長に後任の人事もお願いして、欠員が生じないようにして、第二部長が退職された3ヵ月後に、医長二人して辞めしました。

 

 逃亡という非常手段は時として「悲喜こもごも」な結果となる場合もあります。最後の一人になった場合、その医師がいきなり辞められると病院が「むじんくん」になってしまいます、そうならぬためにもご利用は計画的に・・・というのがヒントです。

 

 もちろん、逃げ遅れた友人には、とりあえず「がんばって」と声援を送っておきました。

 

 さて彼に、見えるのはいつのことでしょうか?汗ぽち 
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[貧しい医療]常勤医不足で露呈 [医療崩壊]

 だいぶ前に[医師の進路-2-]医療訴訟フリーな公務員の世界で「医療訴訟フリー」だなんて書いたけど、壁の中も大変なようです。

 まぁ、兼業不可などで条件が悪いことで有名な「公務員」ですが、こういう「行政の不作為」が表面化しています。

 日本医事新報などでも、募集をよく見かけますが、大学医局がお付き合いで送っていたポスト(無給助手)として、常勤職員として派遣を受けていたかもしれませんが、医師不足は「弱いところ」や「貧弱なところ」から被害がはじまります。

 きっとそのうち「医師免許さえあれば、定年退職後でも、誰でも可」ということになるのでしょうね。ぽち 

 

刑務所の常勤医不足が深刻

.産経新聞 2007/09/24

 

 全国の刑務所に勤務する常勤医が減少を続けている。国家公務員扱いから兼業禁止などの規定で、元々のなり手が少ないうえ、厚生労働省が義務付けた研修制度の影響で、大学病院が刑務所に医師を派遣する余裕がなくなっことなどがその理由だ。地方では常勤医ゼロの刑務所が珍しくなくなってきている。

 秋田刑務所は勤務していた医師が転職したことで、7月1日から常勤医がゼロとなり、現在は非常勤の医師と、別の刑務所からの派遣医に頼っている。

 医師確保は各刑務所に委ねられており、秋田刑務所の関係者も7月以降、大学病院を繰り返し訪問して交渉したが、いまだ常勤医は決まっていない。同刑務所の藤本英雄総務部長は「常勤医を採用する以前に外部の医者に非常勤で来てもらうことも難しい」と嘆く。

 秋田刑務所と同様、地方の刑務所での医師不足は目立っている。

 全国の刑務所、拘置所は75カ所で、常勤医が1人もいないのは、帯広(北海道)、月形(同)、長野(長野)、富山(富山)など全国で10カ所に上る。すべての施設の常勤医の定員数は226人だが、平成19年4月の時点で198人と深刻さがより浮き彫りになっている。

 法務省矯正医療管理官室は「診察の対象が受刑者では、進んで働こうという心理にはなりにくい。兼業ができないことも大きい」と常勤医確保の難しさを説明する。

 さらに、地方の刑務所の医師不足に拍車をかけたとされるのが、平成16年度から厚労省が医学部生に必修を義務付けた「新臨床研修制度」だ。

 制度導入後、充実した研修内容を求めた学生が、大学病院を避けて一般病院で研修を受ける傾向が強まっている。これによって大学側が自前の医師確保に汲々とし、「余裕のなさからか、地方の大学病院では刑務所などに医者を融通できなくなっているようだ」(文科省関係者)という。

(2007/09/24 20:17)

 

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行刑改革会議第3分科会 第2回会議議事概要

 より抜粋 

<説明概要>
 横浜刑務所には部長以下6名の医師がおり,24時間体制で対応している
 横浜刑務所の支所の中には非常勤医師しかいないところもあり,そのような支所からは電話で対応を求められることがある。
 医師としては,医師以外の医療スタッフの不足を強く感じている。
 医療機材の多くは老巧化しており,市中開業医以下である。
 施設で対応できない病気・怪我については,八王子医療刑務所や外部の病院に対応を依頼している。
 1日に行う業務は,病舎に収容されている者の診察,懲罰・解罰時の診察,隣接している横浜拘置支所の被収容者の診察,工場回診の結果診察が必要とされた者の診察などであり,これらを普通は3人の医師で行っている。
 被収容者のうち約60%が投薬を受けており,約17%が精神科の患者である。
 歯科は受診待ちが約8ヶ月,眼科は約3ヶ月である。
 現在の矯正医療では,医師の確保が至上命題だと思う。
 刑務所の医師になるメリットとしては,拘束時間が短いため研究などをする時間が持てるということが挙げられると思う。デメリットは,勤務に魅力がないことであり,経験が長くなるほど不満が強くなる。
 医務と保安の分離という点については,医務と保安を完全に分離すれば医師は患者が納得する治療を施せばそれでよいということになり,精神的には楽であるが,詐病が多く,外医診察や投薬要求が強い中で,限られたスタッフで全ての要望に応じるのは現実として不可能である。医師に全ての責任がかかることにはストレスを感じるが,医務と保安が協力してバランスの取れた医療を行うことが刑務所医療では必要ではないか
<説明概要>
 精神科の患者への対応はどうなっているか。
  (回答:精神科の患者は多いが,精神病の者には精神科の医師が対応している)
 睡眠薬を求める声は強いか。
  (回答:強いが,刑務所の睡眠時間は約10時間と長いため,精神科医師が必要と判断した場合のみ投薬している。)
 診察中身の危険を感じたことはあるか
  (回答:ある。精神科医師の医師は特に多い。刑務官の立会いにより対処している。)
 保安に外医治療を止められたことはあるか。
  (回答:外医治療をするかどうかは医師の責任・判断であり,必要があると判断すれば必ずやっている。)
 外部病院は受け入れに協力的か。
  (回答:公立病院でも,過去にトラブルがあったりするとなかなか協力が得られない。他方,私立病院でも礼を尽くしてよい関係を築けば協力が得られている。)
 医師以外のスタッフはあとどのくらい必要と感じるか
  (回答:どの職種も足りないが,薬剤師と回診担当の准看護師に不足を感じている。)
 社会的に意義のある仕事をしていると感じるか。それとも生活のためと割り切っているか。
  (回答:若い医師は,研究の片手間という意識が働いてしまうこともあり,どうしてもアルバイト感覚になってしまうことがある。自分に関して言えば,仕事中は熱中しているが,時々このままでいいのかと思うことはある。)
 給料を上げればどうか。
  (回答:給料への不満よりも,医師としても知識・技術を維持,発展できないのではないかという不安のほうが強い。ここにストレスを感じる
 診療を求めるものは多いか。セレクトする必要はあるのか。
  (回答:受刑者の60%程度が投薬を受けており,セレクトしないと診療できない。実際には,准看護師の資格のある刑務官が回診してセレクトしている。)
  刑務所に体調が悪い人が集まるのか,それとも,刑務所に入ってから悪くなるのか。
(回答:入ってくる時点でフィジカル的に落ちている人は多い。)

 

 もっともこの質疑応答の前に「証言」が面白いので、そちらもご参考に・・・

1.村瀬尚哉氏(横浜刑務所医務部保健課長)ヒアリング

http://www.moj.go.jp/KANBOU/GYOKEI/BUNKA03/gijiroku02.html

 

 横浜刑務所は横浜市港南区上大岡駅近くに位置します。定員が1,239名に対して収容が,9月の最初の段階で1,484名,収容率でいうと120%,職員負担率5.7と,過剰収容を反映する状況となっております。
 刑務所の隣には横浜拘置支所,これは定員579名,ほかに小田原拘置支所,定員160名,相模原拘置支所,定員100名を含めた4施設が横浜刑務所医務部の管轄となります。小田原,相模原拘置支所には非常勤医師が週2回程度数時間勤務していますが,やはり体制としては不十分であり,しばしば,当所医務部から電話コンサルト,あるいは連行して医療上の指示を受けています。
 次に横浜刑務所の特徴ですが,横浜刑務所はB級施設であり,いわゆる犯罪傾向の強い者を収容しています。実際,平均入所度数は5回,暴力団加入者が30%,これは第104回矯正統計年報の12%と比較すると,かなり大きい数字になっています。再犯率は具体的な数字は出ていませんが,恐らく全国平均の50%を超えるものと思われます。
 このようなことから,本日お話しします内容は,すべての矯正施設に当てはまるものではないことを御考慮の上,御検討ください。
 横浜刑務所の医務のスタッフ構成は,医師は部長を含め6名から成ります。外科3名,内科1名,精神科2名で,精神科の1人を除いていずれも40歳代,私ぐらいの年齢です。部長を除く5名の医師は,週3日の勤務と週1日の夜間オンコール,月2~3回の免業日の日勤及びオンコールをデューティとし,24時間対応できる体制をとっています。

(以下略) 

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 そうなんです。2000人近い受刑者と拘置中の人もたった6人の医師で・・・しかも投薬率60%となるとそれだけでかなりの仕事量でしょう。だから、こんな↓報道になるんですね。 

 

再診せず処方せん6000枚、奈良少年刑務所

日刊スポーツ 2007年9月8日

 奈良少年刑務所(奈良市)が2005年度からの2年間に、医師の再診を受けないで作られた処方せん約6700枚を基に、医薬品を入所者らに投与していたことが8日、わかった。

 医師法は、医師は自ら診察しないで処方せんを交付してはならないと規定。同刑務所を管轄する大阪矯正管区は「継続的に同じ薬を出す際、准看護師資格のある刑務官が医師に症状を報告し処方せんを作ってもらうことがあるが、違法性はない」と説明している。

 同矯正管区によると、奈良少年刑務所は、少年のほか成人の受刑者ら約870人を収容。常勤医師と非常勤医師各1人が診察していたが、ことし6月末に常勤医が退職した。現在は非常勤医2人のほか近くの医療機関に依頼することもあるという。

 医師の診察を受けずに交付された処方せんは05年度に約3100枚、06年度に約3600枚。初回時や薬を替える際には診察した上で処方していたという。

 同矯正管区は「直接医師が診察して1回ずつ処方せんを出すのが最も望ましいが、常勤医師が欠員の施設もあるのが現状。より一層充実した医療に努めたい」としている。(共同)

 

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 週3日の勤務と夜間オンコール。報酬は少ない・・・難しいかなぁ。わかったのは収容されるような悪いことはしちゃだめってことですね。

 あ、もっとも刑務所の食事は健康にはいいらしく、糖尿病なんかのコントロールは良くなるそうですよ。

 

「くさい飯」 本当はうまい?
朝日新聞 2007年09月08日15時55分

 山口県美祢市の刑務所に、受刑者とまったく同じ食事ができる食堂が登場し、「意外なおいしさ」と驚かれている。拘禁施設の食事は長年、「くさい飯」と呼ばれ、マイナスイメージがついて回ったが、最近の事情は違うらしい。くさい飯は本当はうまいのか。法務省は、塀の中の味を外に向かってアピールし始めた。東京で6月に開いたイベントで、初めて受刑者の食事を試食するコーナーも設けた。

実際に獄中で食べた人の感想はどうだろう。02年春に背任容疑で逮捕され、03年秋まで512日間を東京・小菅の東京拘置所で過ごした起訴休職外務事務官の佐藤優さん(47)は、「食事としては完璧(かんぺき)」と言う。カボチャの煮付け、切り干し大根、ひじきの煮付けは、忘れられない味だったという。「房への配膳(はいぜん)の順番を毎日変えて、均等に温かい食事を配る配慮まであった。外務省の食堂より拘置所の食事のほうがずっと上だった」 「面会のない日は囚人のストレスを食い物で抑えている」というのが佐藤さんの見方だ。「食べ物に矯正や懲罰の要素はなく、むしろ『お客様』を管理しやすくすることに重点が置かれている」

バレンタインデーにはチョコレート、お盆にはあんこを添えたもち米、年末には年越しそば。正月には重箱入りのおせち料理まで出た。「食事で季節を知ることができた」という。ご飯に肉や魚、おかずが2~3品、汁物が標準的な食事だ。土日はデザートなどが一品増える。 敷地内に農園を持ち、野菜などを自給自足する刑務所もある。


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[病院名称変更]意気込みも大切ですが… [医療崩壊]

小浜病院、来月から杉田玄白記念病院に名称変更

産経新聞 2007/09/15

 小浜市は14日、公立小浜病院の増築完成に伴い10月1日から名称を「杉田玄白記念公立小浜病院」に変更すると発表した。増築されたのは救急救命センター棟と高度医療施設棟で、落成式は同25日に行われる。

 病院名に使われる杉田玄白は江戸時代後期の小浜市ゆかりの医師で、国内初の医学解剖書「解体新書」を発刊。今年が没後190年目となる。

 建物は救急救命センター棟が鉄筋2階建て延べ約1355平方メートル。救急処置室、診療室、防災センターなどで、来月10日オープンする。高度医療施設棟は鉄筋9階建て延べ約1万6000平方メートル。450床、MRI(磁気共鳴断層撮影装置)やガンの早期発見をめざすPET-CT(陽電子断層撮影装置)などの医療機器が充実している。来月22日にオープンする。

 両棟は平成17年10月着工で総事業費約59億円。

(2007/09/15 02:43)

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 いえ。文句ないです。お名前はとってもよろしいかと・・・ついでにPET-CTに、MRIなども完備。すごく素敵な計画です。人口7万人ほど(小浜市:32,491人、おおい町:9,162人、若狭町:17,136人、美浜町:11,169人)の地区のために、これほどの投資が出来たのはすごいことです。

 

 問題は名前の斬新さよりも、こっちです・・・ちなみに410床(一般308床、精神100床、感染2床)の現行の常勤医師の数は42名ですH19.3.20現在)。

 

 さらに・・・事態は深刻化しているように見えます。 

 

内科・循環器科 - 「紹介外来制」についてお知らせ

 

公立小浜病院では、一般内科・循環器科の初診外来は、原則として「かかりつけ医」の紹介状をお持ちの患者様のみを診させて頂く、「紹介外来制」を導入しております。
 従いまして、先ずご近所の「かかりつけ医」を受診していただき、病院での精査が必要な場合には「かかりつけ医」にて予約を取っていただき、紹介状を持ってお越しくださるようお願い申し上げます。
 6月11日より、初診を「紹介外来制」へと移行するにあたり、月曜と木曜の週2回、従来通りの診察をして参りましたが、8月1日(水)以降は、月曜と木曜につきましても「紹介外来制」とさせて頂きますので紹介状が必要となります。
 なお、救急の場合には、救急総合診療科にて診察させていただきますので、こちらを受診下さい。
 ご理解とご協力をお願致します。

 

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 これは「かかりつけ医」 を重視している厚生労働省の考えを先取りしたものではなさそうな予感。

↓募集中ですし・・・汗

http://www.obamahp-wakasa.jp/hospital/staff/doctor.pdf 

 

  もちろん、地域住民が求めている医療を提供しようという自治体の熱意を感じますが・・・どうもこの辺りの自治体病院は「原発リッチ」なせいか、ふんだんにお金を使ってしまいますが、それよりも医師をどうやって確保するのか?そういう意味で、名前を使った新しい取り組みが必要なのだと思いました。

 せっかくなので、お隣のビッグな都市の無駄遣いについても読んでってください。

 

 

『市立敦賀病院・・迷走73億円の壮絶な無駄づかい?』  

 

福井県敦賀市 市立敦賀病院は2003年度から約73億円を投じて全面改修し、25床を増床

しかしその後、医師の流出が相次いだため、2006年年10月、全375床のうち79床を閉鎖。

2007
年年4月に2人の医師を確保し、一部を復活させたが、病院の配置計画からは現在も医師9人が足りず、40床余りが使われないままだ。



医療格差
2007.07.24
 読売新聞 
 
医師不足「公立」に波紋 嶺南の人口10万人当たり156.3人

 嶺南の人口10万人当たりの医師数は156・3人。全国平均201・0人、嶺北の212・8人を大きく下回る。医療格差をまざまざと示す数字だ。

 「病院利用率は医師の減少により70%に低下。医師の数に応じた適正規模での運営も検討すべきだ

 市立敦賀病院(敦賀市三島町)の経営を巡り、5月に開かれた有識者による検討委員会。公認会計士でもある委員の1人が病院の現状を分析した資料には、そう記されていた。

 同病院は2003年度から約73億円を投じて全面改修し、25床を増やした。しかしその後、医師の流出が相次いだため、昨年10月、全375床のうち79床を閉鎖。今年4月に2人の医師を確保し、一部を復活させたが、病院の配置計画からは現在も医師9人が足りず、40床余りが使われないままだ。

 「地方の公立病院の自助努力だけで、何とかなる話ではないのだが。診療体制の縮小すら示唆する記述に、小倉和彦事務局長は苦い思いをかみしめた

 過疎地を多く抱える嶺南は、開業医が少なく、公立病院に負担が集中する傾向にある。医師の勤務は過酷になりがちだ。やはり医師不足に悩む公立小浜病院は、現場の負担を減らすため、6月から内科と循環器科の初診外来の受け付けを、かかりつけ医の紹介状がある場合に限定した。

 

 一方で、医師の給与は自治体の条例で定めており、高給を条件にして個別に募集するのは難しい。 嶺北でも、今年度から奥越地域で出産できる病院がなくなった。勝山、大野両市は福井大病院に妊産婦の受け入れを要請。勝山市は同病院への交通費の助成に踏み切った。医師の偏在は、県内各地に影を落としつつある。

 ◇

  県は今年度、医師不足の公立病院で勤務する研修医に対し、ホテルの宿泊費などを助成する制度を作った。嶺南で勤務する医師を育てるため、関西電力が出資して今年創設された奨学金制度には、福井大医学部の学生ら15人が1期生として応じた。だが、成果が出るまでには、年単位の時間が必要だ。

 市立敦賀病院を訪れた敦賀市内の主婦(44)は「原発というリスクを引き受けている嶺南の住民が、身近でちゃんとした医療が受けられないようでは、納得できない」と素直な感情をぶつける。

 「いつでも安心できる地域医療システムを!」などの著書がある酒井文彦医師(横浜市)は「産科や小児科の過酷な勤務がきちんと反映され、病院が適正に運営できる医療報酬の設定が必要。地域の大学医学部の定員を自治体予算で増やせるようにするなど、政治の役割は大きい」と指摘している。

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 マスコミさんも取材は確かなところをついていますが、何故か知らないが、過重労働で立ち去った先生とか、今勤めている医師の「悲鳴」にはあんまり興味がないのですかね。

 

 患者さんの声や自治体の考えも大切ですが…逆に言うとその中で働く医師は機械じゃないし、マスコミが医療についてせっかく報道してくれても、「一生懸命がんばっている医師」を応援してくれる医療のニュースはあんまりないのが残念です。

 

 もちろん、ブラックジャックのようなスターの医師も時には患者さんの感動を呼ぶでしょう・・・しかし、そういうたぐい稀な先生によって救われたいとしても、そんな医師はこの日本いや世界にも何万人も居りません。

 

 そういう意味で「医師はあとから確保(捕獲じゃないだけましか)すればいい」とばかりに、設備投資に走って、もくろみ外れ、赤字のために自治体の財政に、ひいては地域住民に迷惑がかかるような不始末が相次いでいる件。何とかなりませんかね>マスコミ各位さま&総務省のお役人さん。ぽち 
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[贋作:天漢日乗]たらい回し非難!の名医とは? [医療崩壊]

 まず最初に、「たらい回し」表現を用いて奈良県、大阪府、全国の産科でがんばってお見えの先生方にお許し願います。また大変な「魔女狩り」報道を、いつものように非難しますが、今回の記事はそれをするのも目的じゃありません。すみません。また、タイトルを拝借した、天漢日乗の作者さま、お許しください。 

 

 

妊婦受け入れ42回拒否、搬送まで2時間40分 千葉・柏

産経新聞 09/12 08:59
 千葉県柏市の妊娠41週目の妊婦(23)が今年5月、24の医療機関から計42回受け入れを拒され、119番から病院搬送まで約2時間40分かかっていたことが11日、分かった。搬送中の妊婦の意識ははっきりとし破水もなかったが、市消防本部によると、その後の容体は不明だという。
 市消防本部によると、5月21日午前1時10分ごろ、妊婦側から「陣痛が始まり痛みが激しい。耐えられない」と119番通報があった。妊婦にかかりつけ医がいなかったことから、救急隊は千葉と東京、茨城の3都県にある24の医療機関に複数回にわたり受け入れを要請。しかし、「初診患者を診ることはできない」「当直医師がいない」「ベッドが満床」などの理由で受け入れを拒否されたという。
 妊婦は同日午前3時50分ごろ、ようやく茨城県の病院に搬送された。
 柏市では夜間の急患受け入れについて、市内の8病院と診療科目ごとに情報共有などの連携を図っているが、産科専門の協力態勢は取られていないという。
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 この事件が起きた柏市のお隣の松戸市には、先日、こんなことをおっしゃってた病院の院長先生がお見えです。

 

[オリジナル版:9/5[医療報道]メディアと医師の関係ご参照]

 

「話は変わりますが、奈良県の妊婦たらい回しは全く許せませんね。当院では、理由の如何を問わず救急を受け入れています。たとえベッドが満床だろうが医師が手術中だろうが、関係ありません。ベッドが満床でも救急処置ならできるはずです。また当直医師が手術中なら、自宅から他の医師を呼んで対応すればいいだけの事でしょう。働く気があれば、人を助ける気があれば、難しいことではありません。要は親方日の丸で、”救急の患者を受入れても自分の収入や評価が上がるわけでもないし、他の病院に行けばいいだろう。”と安易に考えるから、こんな事になるのです。自分がその患者様の立場だったらどうか、という事を考えたら、受け入れ拒否はしなかったはずです、絶対に。
 それにしても大阪には24時間救急受け入れの徳洲会病院がたくさんあるのに、なぜ救急車は行かなかったのでしょうか?不思議です。 」

 

 どうやら本日の日記にも「東京工業大学工学部出身のI君(IT秘書)、ブログの掃除は宜しくね。」ということで、有能なようですね>IT秘書さん。

 

http://blogs.yahoo.co.jp/misumi_kazuo/49348971.html 

 

 にあるように中傷メールなんかもまとめて消すんですから。院長に都合が悪い情報は届かないようになっているんですね。

 

http://blogs.yahoo.co.jp/misumi_kazuo/49146916.html

 

↓翌日はさらにこんなことを言っています。救急医療というとカテーテル治療しか頭がないようです。

「奈良県は救急医療体制に問題があるようなので、いざという時には八尾徳洲会病院の福田院長か迫田医師に連絡下さい。いずれも優秀な循環器科の医師です。八尾徳洲会は私も何回かロータブレーターの指導に行った事があり、救急は24時間受け入れています。」
 

  奈良県だけが、救急医療がひどいように書いています。
  
 ところで、救急医療が酷いのは、奈良県だけですか?妊婦さんの救急要請を42件も依頼を断った病院がある柏市って…千葉県で、しかもT病院がある隣の市じゃないですか?いいですか?救急医療がなってないのは、奈良県だけじゃないって認識がないですね。
 きっと、カテーテル治療の名手である医師が院内でぼっそりつぶやいている程度ならば、誰も責めたりしません。そして自分もお会いしたことがない先生を直接攻撃する気にもなりません。
 ただし、その病院で院長職を奉職しており、かりそめにもその地区での救急医療を「当院では、理由の如何を問わず救急を受け入れています。」といい、全て引き受けるのを自負しておきながら、実は断っており、地元住民の期待を裏切っております。
 さらに地元の医療崩壊について認識が非常に乏しいまま、「奈良県立医大の引き受け不可能」について「ひどい」とオフィシャルブログで言及し、42件のお断りした自分の病院は常に正しいといわんばかりに・・・の姿勢。
 ブログ担当の秘書さんは、コメント欄を閉じるなど、IT担当者としては優秀ですが、T洲会病院では、「奈良県」以外の地区でも、院長がオフィシャルで「当院では患者の引き受け拒否は絶対にしません!」と言うのなら、根本的に自分の病院では絶対に断ってはなりませんね。

 

 院長先生は、自分の発言ゆえ、ブログが「炎上」した原因を分析もせず、あいかわらず「自分がいつも正しい」という態度とIT担当者に丸(三角)投げだそうで・・・。

 

 もしも、取材をしたことがある産経新聞や夕刊フジの記者さんが、近日中にこのM院長先生にお会いするのであれば、ぜひ「柏市で妊婦さんの引き受けを42件の依頼があったのにもかかわらず、近隣の病院が断ったのですが・・・T病院であれば、何があっても当然引き受けますよね」ってお聞きください。

 

 もちろん、マスコミの恣意的な取材や報道はいつものことですから、「このような症例、当院では絶対に断りません」というセールストークをそのまま垂れ流すのでしょうね。

 

 ところで、この病院のブログの性格・・・他院の医療より優れていることを示しておられます。しかし、「何でも引き受けます」というのは誇大広告になりませんかね?さて、日本医師会の参事でもある奥平弁護士先生のお言葉をここに部分的に引用させていただきます。

 

医療広告と宣伝

奥平啓彦 日本医師会参与・弁護士(舟邉・奥平事務所) 

 医の倫理ーミニ事典 日本医師会雑誌 h18・3号付録

 

 日本医師会が昭和26年9月に制定した「医師の論理」では、医師が広告・宣伝することは、医師の品位を傷つけ、医風を紊す行為であるから、自粛すべきであるとして、「優秀な医学的技能と誠実なる診療とを以て、患者の信頼を得ることが、最も価値ある広告であることを銘記してほしい」と規定・・・(中略) 

 

 医師・医療機関は適切な情報提供の拡大を心がけることは必要であるが、広告・宣伝する場合は、「過大な自己宣伝に陥ることなく、適切な情報提供媒体を選んで節度ある広告・宣伝を行うことが大切である」(日本医師会「医師の職業倫理指針平成16年2月)。

 

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 結構なお話ありがとうございました>奥平先生。医療機関のホームページは宣伝じゃないですよね。自院の優越さを誇る方法としてはとても優れた方法だと思いますよ。

 

 しかし、この院長のブログは・・・どうでしょうかね?僕はまったくお会いしたことのない名医とマスコミが奉る医師を、「人格」で攻撃したくありません。しかもカテーテルの技術については日本でトップの地位にあります。

 

 しかしながら自分の病院を取り巻く環境や、他府県の病院の医療状況について無知な上に、公的な立場の人間が「他の病院の医師を無邪気に非難」するのは許せません。

 

 ちなみに、このブログは一種の「病院の宣伝」のように見えます。その場で、他の医療機関を貶め、「偽りの情報」を流すような発言、患者さんの個人情報の公表は…いかがなものでしょうか?

 

 きちんと柏市民・ならびに奈良県立医大に謝罪を行うまで、拙ブログでは「指摘」させていただきます。

 

 もちろん、正式に謝罪されることなく、隠滅ならば、個人情報の流出も含め、「週刊誌」や「病院のホームページ」を審査・認証する公的機関(有限責任中間法人 医療健康情報認証機構)にも連絡を取らせていただきます。

ぽち 

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