病院が「冬の時代」を乗り切るために・・・ [医療崩壊]
病院、冬の時代 金融機関が経営支援強化
上記の記事は、金融機関の動きを知る意味でとても参考になりましたが、先日、民間病院の院長先生から「民間病院の経営者サイドからみた医療」についてお話を2時間聞く機会がありました。
日本の病院の経営状況というのは公立病院は累積損失が地方自治体の財政を圧迫しており、今後のリストラはやむなしの状況となっています。もともと、病院が黒字を出そうとすれば、「無駄な検査」や「処置」が増えます。これが従来の青天井方式の売り上げによる差益確保。
今後のDPC医療では、「無駄な検査」や「投薬」を控えることが求められています。今後は、必要な検査だけきっちり行い、早期離床、早期退院・転院が正しいあり方だと思っていますが、日本の病院、とくに中小規模の病院の場合、これに乗り換えないでがんばっている病院もみえます(IVHのポートを入れて重症者にしてなるべく、売り上げ単価が上がるようにするなど)。
タイミングが悪いことに、昭和60年ごろに建てた建物・病棟の更新で、さらに巨額の借金を背負う羽目になっています。
新しい病院はたいがい、急性期病院にしましたとばかりに、最新型CT&MRIを入れ、医師数はそのままだったりします。一部の病院経営指導の人に言わせると、ロビーに吹き抜けやステンドグラスがあるような病院ほど経営が危ないとまで言われたことがあります。
さすがに最近の病院ではそうそう見かけないのですが、今度は市町村合併で病院の統廃合、民間移譲が出てきました。もちろんこれまで採算を取れるようなやり方をしてこなかった(小児病棟や長期療養病棟)病院が、真っ先に消えます。
これは仕方ないことですが、民間病院の経営者の中にも「事業継続」を見直す人もいるようです。仕方ありません。国の財政では、公的医療については税金で支えますが(補助金も含めて相当投入されていますが)、民間病院の赤字は面倒みてくれません。最終的に売却となります。
ここに病院の譲渡情報が載っています。事業の継続が困難になった病院が「病院譲受情報」「病院譲渡情報」ここに掲載されているのでしょうが、これはいわゆる「氷山の一角」で、かなり中小規模の病院が「市場から撤退」させられていくと考えています。
もっとも、売り手が今後増えるので、買い手がどんどん買い叩く状況が見られるかもしれません。売却側としては銀行の赤字を何とかゼロに・・・でしょうが、かなり難しいように思います。
また、悪徳ブローカーもこういうときに登場されます。こちらのホームページでは警告がなされています。
悪徳ブローカーに注意
自分としては、「急性期+救急医療」、「特定疾患センター化」あるいは「回復期」「ケアミックス」など、リソースに見合った事業絞込み、転換がスムーズに行くには、経営サイドの早期の判断が必要ですが、どうも「まだまだ」と思って、粘っている病院経営者が案外多いようです。
自分は、病院が閉鎖や売却になってしまうと、やはり患者さんや地域住民にとって困ることになります。早期に説明を行ったり、集約化・業務移管のためにも早めに行うべきだと思います。売却しても「更地」になってマンション・・・では困りますよね。やはり住民や利用者あっての病院です。今後も、医療についてはさまざまな視点から見ていく必要がありそうです。ぽち→
上記の記事は、金融機関の動きを知る意味でとても参考になりましたが、先日、民間病院の院長先生から「民間病院の経営者サイドからみた医療」についてお話を2時間聞く機会がありました。
日本の病院の経営状況というのは公立病院は累積損失が地方自治体の財政を圧迫しており、今後のリストラはやむなしの状況となっています。もともと、病院が黒字を出そうとすれば、「無駄な検査」や「処置」が増えます。これが従来の青天井方式の売り上げによる差益確保。
今後のDPC医療では、「無駄な検査」や「投薬」を控えることが求められています。今後は、必要な検査だけきっちり行い、早期離床、早期退院・転院が正しいあり方だと思っていますが、日本の病院、とくに中小規模の病院の場合、これに乗り換えないでがんばっている病院もみえます(IVHのポートを入れて重症者にしてなるべく、売り上げ単価が上がるようにするなど)。
タイミングが悪いことに、昭和60年ごろに建てた建物・病棟の更新で、さらに巨額の借金を背負う羽目になっています。
新しい病院はたいがい、急性期病院にしましたとばかりに、最新型CT&MRIを入れ、医師数はそのままだったりします。一部の病院経営指導の人に言わせると、ロビーに吹き抜けやステンドグラスがあるような病院ほど経営が危ないとまで言われたことがあります。
さすがに最近の病院ではそうそう見かけないのですが、今度は市町村合併で病院の統廃合、民間移譲が出てきました。もちろんこれまで採算を取れるようなやり方をしてこなかった(小児病棟や長期療養病棟)病院が、真っ先に消えます。
これは仕方ないことですが、民間病院の経営者の中にも「事業継続」を見直す人もいるようです。仕方ありません。国の財政では、公的医療については税金で支えますが(補助金も含めて相当投入されていますが)、民間病院の赤字は面倒みてくれません。最終的に売却となります。
ここに病院の譲渡情報が載っています。事業の継続が困難になった病院が「病院譲受情報」「病院譲渡情報」ここに掲載されているのでしょうが、これはいわゆる「氷山の一角」で、かなり中小規模の病院が「市場から撤退」させられていくと考えています。
もっとも、売り手が今後増えるので、買い手がどんどん買い叩く状況が見られるかもしれません。売却側としては銀行の赤字を何とかゼロに・・・でしょうが、かなり難しいように思います。
また、悪徳ブローカーもこういうときに登場されます。こちらのホームページでは警告がなされています。
悪徳ブローカーに注意
自分としては、「急性期+救急医療」、「特定疾患センター化」あるいは「回復期」「ケアミックス」など、リソースに見合った事業絞込み、転換がスムーズに行くには、経営サイドの早期の判断が必要ですが、どうも「まだまだ」と思って、粘っている病院経営者が案外多いようです。
自分は、病院が閉鎖や売却になってしまうと、やはり患者さんや地域住民にとって困ることになります。早期に説明を行ったり、集約化・業務移管のためにも早めに行うべきだと思います。売却しても「更地」になってマンション・・・では困りますよね。やはり住民や利用者あっての病院です。今後も、医療についてはさまざまな視点から見ていく必要がありそうです。ぽち→
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