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[時間外救急]やむをえない特別徴収 [医療崩壊]

 NHKのクローズアップ現代によれば、夜間や休日に病院に殺到する小児科患者さんの97.5%が入院にならない軽症です。要は安心のために来ている、あるいは「昼間は都合が悪い」という利便性や安易な利用がメインです。こういう「コンビニ受診」のために、必要最小限しかない医療従事者が対応して、重症患者さんの見落としや救急患者さんの引き受けが困難になっているのであれば、この対応は仕方ないと思います。夜間の急変をおびえる家族の安心のためにコールセンターの活用や昼間の受診のために「家族が有給休暇」などを取得するのを自由に取得できるようにすべきです。そういう意味で「子育て支援」と言いつつ、母親や父親しかいない核家族支援はまったく政府が支援していないと考えます。夜間受診の無料化を実施している大きな自治体など、コンビニ診療が進んでいます。こういう対応について「国民の理解」は不可欠です。よろしくお願いします。ぽち→

  なかのひと 



NHKクローズアップ現代
 夜間・休日 パンク寸前〜小児治療の現場から〜


時間外救急:軽症者から8400円特別徴収…埼玉医大計画

毎日新聞 2007/11/11

 埼玉医科大総合医療センター(埼玉県川越市)が、夜間・休日の軽症救急患者に対し、時間外特別徴収金として、8400円を自己負担してもらう計画を進めていることが10日分かった。従来は健康保険から徴収していた時間外料金を全額患者の自己負担にかえ、受診者数を抑える狙い。軽症患者急増で診療体制が維持できないことが背景にあるという。専門医は「救急では聞いたことのない制度。必要な医療を受けられない恐れもある」と批判している。

 同センターによると、時間外の救急患者は94年に年間約1万人だったが、06年は約4万人に増加した。診療体制がパンク寸前になったため、軽症の受診者数を減らす方法を模索。その結果、紹介状がなく、入院を必要としない患者に対し、特別料金の徴収で負担を増やし、受診者数を絞ることにした。既に張り紙などで周知を始めている。

 ただ、「緊急性」などを巡り一律に線引きするのは難しい面もあり、現在、院内で基準作りを進めている。例えば、入院しなくても「緊急性あり」と診断された患者には、特別徴収金を求めない。一方、救急車で搬送された患者でも軽症なら徴収する予定。数カ月後の運用開始を目指す。

 厚生労働省は、時間外診療について、病院の裁量によって健康保険を適用せず、特別料金を上乗せできる制度を設けている。地元の社会保険事務局に届け出れば実施でき、同センターは今年3月、埼玉社会保険事務局の了承を得たという。

 日本救急医学会の山本保博代表理事(日本医大教授)は、個人的見解としたうえで「本当に必要な患者が治療を受けられなくなる心配がある。(誰もが健康保険で治療を受けられる)国民皆保険を揺るがす問題だ」と指摘している。【高木昭午、稲田佳代】

 ▽厚生労働省保険局の話 特別料金を徴収できる制度は、時間外受診の希望や保険で決められた回数以上の検査など患者の多様なニーズに応えるためのもの。受診抑制を目的とされると趣旨と合うか微妙だ。

毎日新聞 2007年11月11日 2時30分

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解説:時間外軽症患者負担増 医療体制維持、苦肉の策--「見極め」巡り混乱も

 埼玉医大総合医療センターが、時間外の軽症患者に特別徴収金を負担してもらう背景には、過酷な勤務を嫌う医師が病院を辞める「医療の危機」や「医師不足」がある。同センターは受診者数を減らし体制を守る苦肉の策と強調するが、素人が軽症と重症を見極めるのは難しく、混乱も予想される。

 同センターが診療した時間外救急患者は、昨年、約4万人に達した。仕事などで昼間受診できない人たちが夜間に訪れる「コンビニ化」現象なども進み、受診者が急増しているとみられる。4万人のうち、入院が必要な重症患者は約2800人(約7%)だった。

 救急対応のため医師は月に5~7回の泊まり勤務をこなし、一晩で40~60人を診療。続けて眠れるのは2時間程度という。同センター救急委員会委員長、田村正徳教授(小児科)は「重症患者を助けて外来に戻ると、大勢の軽症患者に遅いと責められる。それで若手医師は『辞めて開業したい』と言い出す。患者が増えれば救急病院の役目を返上せざるを得ない。問題はあるが、追いつめられていることを理解してほしい」と訴える。

 だが患者には、軽症か重症か自己診断するのは難しい。しかも、徴収するかどうかの診断基準も公開されない見通しだ。基準に沿ってうその病状を申告されたら困るからだという。経済的な苦しさから受診を控えて処置が遅れる可能性もあり、議論を呼びそうだ。【高木昭午、稲田佳代】

毎日新聞 2007年11月11日 東京朝刊


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