[時間外診療休止@埼玉]破綻も近いのか? [医療崩壊]
時間外の救急診療休止 東松山市民病院 4年で医師半減
東京新聞 2007年11月6日
東松山市松山の「東松山市立市民病院」(二百三十床)は十二月一日から、診療時間外の救急診療を休止する。今月末で内科の医師一人が退職するなど医師の減少に歯止めがかからず、救急患者の受け入れ態勢を維持するのが困難になったためだ。 (山口哲人)
同病院によると、二〇〇四年に導入された新医師臨床研修制度などの影響で、〇三年四月に三十一人いた医師は、十月二十六日現在で十六人に減少している。同病院では医師をやりくりしながら、平日の診療時間外に一日あたり五-十五人程度、土日祝日で二十五-三十五人程度の救急診療を受け入れていた。
金子都雄管理課長は「どの公立病院でも医師の確保が困難になっている」と窮状を訴え、「今年四月、医師給与などを年間約百五十万円増額し、民間の水準に近づけるなど努力したが、これ以上の負担を医師に強いることはできない」と話した。同病院は、診療時間外の救急診療の早期再開に向け、常勤および非常勤医師を募集している。
12市町、昨年度公立病院事業
医師不足や診療報酬の減額改定が、県内の公立病院に大きな影を落としている。県によると二〇〇六年度の県内十二市町の公立病院事業決算の実質赤字は計四十五億二千三百万円で〇二年度の約三倍。累積赤字は計百七億三千二百万円に及んでおり、県は「経営状況は非常に厳しい」としている。
県のまとめでは、赤字補てんのための一般会計からの基準外繰入金も含めた十二市町の病院事業の総収益は、五百八十四億四千二百万円で前年度比2・9%減。医師数減少や診療報酬の減額改定で外来収益が同10・5%、入院収益が同1・5%、それぞれ減少した。
総費用は六百十八億六千三百万円で前年度比2・6%減。患者減などで材料費は12・5%減少したが、退職した医師の退職金が増加して職員給与費が増加するなどした。
この結果、総費用から総収益を差し引いた純赤字額は三十四億二千百万円で前年度比1・5%増。一般会計からの繰入金を収益から除いた場合の実質赤字は四十五億二千三百万円で、〇二年度に比べて三十億円も急増している。八市町が累積赤字を抱え、総額は〇二年度の四十八億千四百万円から二倍強の百七億三千二百万円となっている。
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