[医師哀史]年休取得・・・まだ取れるだけマシ [医療崩壊]
年休取得率 最低タイ46・6% 人員削減、仕事量増…休みづらく 厚労省調査
10月13日8時0分配信 産経新聞
昨年1年間に企業の正社員が取得した年次有給休暇(年休)は1人平均8・3日で、取得率が平成17年に並ぶ過去最低の46・6%にとどまったことが12日、厚生労働省の調査で分かった。厚労省は「景気回復と人員削減が絡み、1人当たりの仕事量が増え、休みづらい状況があるとみられる」と分析。自分の評価に響く不安など、取得しづらい雰囲気も背景にあるのではないかと指摘している。
調査は今年1月、常用雇用者30人以上の全国5343社を対象に実施した。回答率は78・2%。
調査によると、付与された年休の平均日数は前年より0・2日減り17・7日。平均取得日数は前年に比べて0・1日減の8・3日だった。
従業員1000人以上の大企業では、取得日数は9・7日で、取得率は51・7%だったが、100人未満の企業は7・1日の43%。企業規模が小さいほど、1人当たりの従業員の労働環境が悪化していることが分かった。
産業別では電気・ガス・水道業の15・3日が最長で、飲食店・宿泊業は4・2日で最も短かった。同省は取得日数の差について「大企業中心の『半役所的な』電気業などは比較的休みがとりやすい環境が整っており、飲食業などは営業時間の延長などが影響したのではないか」と推察している。
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こういう記事だと、あくまで「一般向け」の新聞では、医師や看護師のことなど眼中にないことがわかります。
実際に、当直などで休日返上で仕事をして、翌日も仕事をして、ふらふらになって帰る。翌日も普通に仕事です。年間有給消化率ゼロって人が多いと思われる。
自分は病院をやめる時くらいですかね。引越しのために2-3日くらいのお休みをもらうのですが、それ以外はほとんどいつも20日以上積み残していました。
さらに問題なのは平均的な労働時間です。こうなると・・・現代版の「女工哀史」ですね。こんな状況でも「ミス」でもしようものなら、烈火のごとく家族からなじられ、訴訟がまっているとなると・・・厳しい現実です。せめて、代休くらいは欲しいものです。ぽち→
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十三日に那覇市内で開かれた「全国医師会勤務医部会連絡協議会」で報告された。
調査は二〇〇七年四月、県内九十四病院で働くフルタイム労働の医師千九百五十四人を対象に実施。うち千六十二人が回答した(回答率54%)。主な勤務先は私立病院が五百五十三人(52%)、国公立病院二百八十三人(27%)、大学病院百六十四人(15%)。
一週間の平均労働時間は、四十八時間以上が七割超。九十九時間以上も五十人(5%)いた。週五十九時間以上働く医師は、研修医を抱える私立病院(研修管理型私立病院)が最も多く79%。国公立病院と大学病院が各65%だった。大学病院では「研究・教育が長時間労働の要因」とし、国公立・私立病院は「患者数や診療内容の増加」を挙げている。勤務日数は四週四休と四週六休が各23%で休日が少ない。研修管理型私立病院で四週四休が47%を占めた。勤務医が長時間労働で最も懸念しているのは「健康不安」41%。次に「医療ミス」32%や「家族関係の崩壊」15%だった。過重労働が、患者や医師の家族にも悪影響を及ぼしている。
一方、超過勤務に対する処遇(残業代など)は「なし」が49%。収入は大学病院の医師の28%が「仕事内容や労働時間に見合わず不満」とした。同病院の医師の57%は、収入が少なく「副収入のためアルバイトをしている」と答えた。
勤務医の労働環境の悪さは、離島医療にも影響している。離島勤務を希望する医師は23%と少なかった。一方「できればしたくない」50%、「絶対しない」18%と離島勤務に否定的な考えが七割を占めている。
調査をまとめた嘉手苅勤医師は「特に大学病院で働きに見合った給料など処遇改善が必要。また研修医を抱える病院では過重労働や当直回数が目立って多く、指導医に対する経済的保障も不十分で改善が急務だ」と説明した。
医療費抑制 命が危ない/全国勤務医協で報告
病院で働く医師らが集う「全国医師会勤務医部会連絡協議会」(日本医師会主催)が十三日那覇市内であり、日本医師会の唐澤祥人会長が基調講演で、診療報酬の相次ぐマイナス改定により、医療機関の倒産件数が二〇〇七年、前年比二倍のペースで発生していることを明らかにした。「これ以上の社会保障費の削減は、生命の安全保障を崩壊させる」として、国の医療費抑制策を批判した。
唐澤会長は「社会保障制度の視点と医療制度の展望」と題し講演。全国に三十八万床あった療養病床が同二月現在、約四万床減少していると報告した。国が一二年度までに療養病床を十五万床とする方針に対し、「少子高齢化など社会ニーズで四十一万床が必要になる」とする日本医師会の推計を発表した。
過重労働など勤務医の現状を踏まえ病院の機能分化を考えるシンポジウムでは、大学・公立・私立病院の医師らがそれぞれ意見を述べた。
琉球大学医学部附属病院の須加原一博副病院長は研修医不足による診療の課題に触れ、「研修医の後期臨床研修を大学病院で」と提案した。
ちゅうざん病院の今村義典院長は、慢性期病院の方向性として「老人医療、障害医療などの慢性疾患の管理」を挙げ、「介護サービスとの連携も必要」と話した。
県立中部病院の依光たみ枝医療部長は、県内の女性医師の現状を報告。仕事と育児の両立には「保育施設など育児支援体制と、復職に向けて再教育が課題」と指摘した。
全国から約三百五十人の医師らが参加。勤務医の増員や国の医療費抑制策を改めるよう求める「沖縄宣言」を採択した。
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また、こういうのを一般の人は「離島医療につかないのはケシカラヌ」と言いそうでうが、離島で長期間、働くのは大変です。まして家族と離れたり、代りの医師も居ない・・・そういうことを考えると、沖縄県などは「研修医が集まる研修病院」もありますが、離島医療について現実を知らない国民が言うほど、簡単じゃないということです。
こういう状況下でも「国民の信頼を裏切った」だとか「義務を忘れた」という言葉を浴びせ続けないで欲しいものです。
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