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[医師不足]団塊の世代の夢までも奪う? [医療崩壊]

産婦人科と小児科の診療休止急増、医師不足が深刻化 

読売新聞2007/10/15

 医師不足が深刻化する中、産婦人科と小児科の診療を休止する病院が増えていることが15日、日本病院団体協議会の初の調査でわかった。

 医師の採用枠を満たせない病院も4分の3に上り、協議会は「医師不足が予想以上に進んだことや、医療費抑制による経営圧迫の影響」と分析している。

 調査は今年8~9月、アンケート方式で行い、全国の病院の32%に当たる2837病院から回答を得た。

 それによると、2004年度以降に診療科を休止した病院は、回答した病院の16%にあたる439病院。このうち、産婦人科の診療を休止した病院が71病院、小児科の休止も67病院と多かった。以下、精神科の34病院、耳鼻咽喉(いんこう)科、皮膚科の各33病院などが続き、激務や訴訟リスクの高さなどで医師確保が難しいと指摘される産婦人科と小児科の休止が突出していた。

 産婦人科は都道府県立など自治体運営の病院で、小児科は民間の医療法人の病院で休止が多かった。

 06年度に医師を募集した病院のうち、「採用予定数より少なかった」が50%、「全く採用できなかった」も26%で、計76%が医師を十分確保できなかった。看護師募集でも67%が採用予定を充足できなかった。

 04年度以降、医師不足などで病床数を減らしたのは521病院(19%)、救急指定の取り下げも109病院(4%)に上った。

 06年度は全体の43%が赤字。協議会では「病院医療の崩壊が現実になりつつある。奈良の妊婦が受け入れを次々に拒否された問題は氷山の一角。いつ日本中で起こってもおかしくない」と指摘している。

へき地以外にも医師派遣可能に・労政審部会が了承

 日本経済新聞 2007/10/15

 労働政策審議会(厚生労働相の諮問機関)労働力需給制度部会は15日、医師不足の地域へ医師を融通できるよう労働者派遣法の運用を見直すことを了承した。具体的には同法でへき地などに限って認めている医師派遣のルールを緩和し、へき地以外の医師不足の地域への医師派遣を可能にする。

 都道府県に設置した「医療対策協議会」で医師不足で派遣が必要と認めた病院などに対し、他の病院などからの派遣を認める。医師を派遣できるのは病院などの医療機関に限り、民間の派遣会社の参入は認めない。年内に同法の施行令を改正する方針。(22:15) 

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 「産科」「小児科」の問題だけで、済まない状態が今にやってきます。内科の医師不足で次々と外来を閉じたり救急の受付をやめている病院が増えています。すでにそれは東京や名古屋、大阪近郊でもみられる現象です。
 この記事は「氷山の一角」といってますが、象徴的でさえあります。遠からず、日本中で「医師不足コール」が言われるようになるのは・・・残念ですが、仕方ありません。
 毎年3000人づつ増えているということですが、それ以上に医師サイドへの「義務」的な業務が増えています。それに対応して、昔ならはるかに多くの人数を診察していた医師の手足をしばっています。「インフォームドコンセント」「セカンドオピニオン」「電子カルテ」などは、上手に利用されれば、患者さんにとってもすばらしいものになりますが、医師の負担となってのしかかっています。また、説明せねば、ありとあらゆる「医療行為」は出来ないという具合に裁判所が医療訴訟で医療側に求め続けるのは理解できますが、説明に2倍の時間をかけるのは仕方ありませんが、その分、医師の余裕も時間も奪われます。

 以前なら、口頭で了解さえもらえれば良かった・・・牧歌的時代は終わりました。「マイナス面」も「プラス面」も告知する義務を課した裁判。説明不足に起因する訴訟を防止する方法は、「説明」に時間をかけ、カルテに記入を詳しく行うしかありません。それを「親切な診療」とみるか「最近の医者はすぐに最悪の場合のことばかり言う」とみるかは、医療について「理解度」によって異なります。

 国民には「医師の負担」など見えません。それを求めたつもりはないと言うかもしれませんが、医療については不確実で、人は必ず死にます。

 アメリカでは「契約書」を交すように、同意した上でしか医療行為を行いません。これを昔の医者の方が良かったというのであれば、それは無知ゆえだといわざるをえません

 今後も、医師も患者さんも「負担」が増えます、患者さんは親切に診察してもらえる名医を求めますが、それ全に医師不足は加速します。

 「医師不足」については、半信半疑の医師もまだ居ますし、「医者が怠慢」だからと言う人も居ますが・・・すでに兵站が切れた病院から撤退が続くように、僻地医療もそうですが、大都市近郊でも集約化が進みだしています。

 「退職したら田舎へ」とか思っている団塊の世代の人もお見えでしょうが、僻地にいく前に、ぜひ地元の医療機関をチェックしてください。産科や小児科は用事はないでしょうが、内科や脳神経外科などが撤退していたら危険信号です。

ぽち  


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