SSブログ

[周産期医療]奈良県は医療の先進県? [医療崩壊]

奈良県の前に・・・これは奈良県のニュースじゃありません、お隣の滋賀県です。まぁ、ここでも産科・小児科医師が不足しています。↓

医師募集を延長 産科・小児科の応募なく

産経新聞2007/09/02

 医師不足解消のために県は、産科医と小児科医の募集をしていたが、8月末に設定していた期限まで応募が0件だったため、新たに2カ月募集期間を延長することに決めた。

 県では県内の産科や小児科医の医師不足の解消を狙い、医師免許取得5年以上経過している60歳以下の産科医と小児科医をそれぞれ1人ずつ応募している。「地域医療研究資金」として500万円を貸し、県が指定する公立病院での2年間の勤務で返済を免除するほか、県職員としての身分も保障するなど勧誘策も設けて7月から募集していたが、8月31日まで応募がなく、期限を10月末まで延長することにした。

 県内では彦根市立病院や近江八幡市総合医療センターなど地域の中核病院が分娩の取り扱いを中止するなど、産科医が不足している。

(2007/09/02 03:27)

-----------------

 時々思います。これがアフリカだったらニュースにならんだろう。あの国々では医者や看護師は、英語が話せて、医師ができる人はよその国に行った方が稼ぎがいいのだから・・・人材流出でどうにもならない。

 

 日本はアフリカじゃないのは、医師はそこそこ勤勉だし海外に出稼ぎに行かなくても食って行けます・・・ただし、勤勉なのをいいことに「何時でも仕事しろ~」はいつまでも続きますまい。先進国なのに、医者は36時間労働?明治時代の女工哀史みたいな労働行政、そして地域の医療を崩壊させた厚生行政、そのミックスが・・・地方に今襲い掛かっています。

 

------------------

県の対応お粗末 医師不足解消策次々破綻 奈良死産問題

asahi.com 2007年09月01日

 救急搬送された奈良県橿原市の妊婦(38)が医療機関に相次いで受け入れを拒まれ、死産した問題で、受け入れ拒否の背景にあるとされる慢性的な医師不足を解消するため、同県などが取り組んできた医師や看護師の確保策が次々と頓挫していることがわかった。産科医らが求めていた救急搬送態勢の整備計画なども事実上、放置されており、産科医療をめぐる行政の対応の遅れが目立っている。

 県が産科や小児科、へき地の医師不足に対応して今年度から始めた「ドクターバンク制度」。出産などで退職した医師を掘り起こして登録し、医師が足りない病院に紹介する仕組みだ。だが、受け付け開始から5カ月たった今も登録者はゼロ。計19病院に受け入れを断られて昨年8月に死亡した妊婦が最初に診察を受けた町立大淀病院など、県内の公的病院から計9人の求人が寄せられているのに、まったく紹介できていない。

 県はこれまで、県医師会にチラシを配るなどして協力を要請してきた。ただ、医師会から提供されている退職者を含む2千人分の会員名簿については、医師会側が「使ってもらっても構わない」としているのに、一度も利用していない。県内の女性医師(39)は「医師を登録して派遣する民間企業は多い。県のバンクを選ぶ具体的なメリットが伝わってこない」と疑問視する。

 看護師や助産師の確保も難航している。県立医大病院は今年度、例年80人程度の新規採用を200人に増やした。来年5月に周産期医療の中核施設「総合周産期母子医療センター」を開設するため、専属の看護師ら50人が必要になったのが主な理由。年齢制限を35歳未満から50歳未満に引き上げ、試験科目も減らす独自の工夫を凝らした。

 ところが、願書を提出したのは半分超の106人。福岡、香川両県でも説明会を開いたが、四国・九州からの応募者は1人だけだった。「実際には80人確保できるかどうか」と、人事担当者は嘆く。

 柿本善也・前知事は昨年11月の記者会見で、昨夏の妊婦死亡を受けて、「庁内で検討会議を設けて検証する」と約束したが、会議はこれまで一度も開かれていなかった。その後、近畿圏での広域連携を強化するための会議が設けられたため、県単独での議論は置き去りにされたという。

 一方、県内の産科医らでつくる「周産期医療対策ワーキンググループ」は昨年3月、県に提言書を渡した。妊婦の症状に合わせて救急搬送するため、県内の各病院を1~3次指定に振り分けるなど、今年度中に周産期医療についての具体的な整備計画を策定するよう求めていた。

 だが、県は整備計画について検討すらしていない。県幹部は「県立病院の建て替え問題などを抱え、状況が不確定だったため」と説明している。

-------------------------

 

 この報道の通り、去年の大淀町の事件のあと、奈良県では「救急体制の見直し」をしないで、今回の事件へとつながっていますが、2007/03/02の拙ブログ[青木記者もきっと絶句]奈良県知事のお言葉…で、前の奈良県知事はお辞めになる前にこんなことを言っておられました。再掲させていただきます。

県民の命守る努力

Asahi.com 奈良県版 2007年03月01日
◆15年の歩み 柿本県政の宿題◆
  ◎知事インタビュー(下)
(中略)
 奈良は医療の先進県ですよ。県立医大まで持っている県はそんなにない。医大付属病院には、ノバリス(定位放射線治療装置)を全国で2番目に入れ(05年)、女性専用外来(同)もつくった。うちのような小さな県では、オールラウンドで最高レベルは無理です。重点整備を進めてきました。
 ・・総合周産期母子医療センターが未整備なのは、そうした理由からですか
 重点から外れていたわけではありません。国が整備する方針を出してすぐに、母体・胎児集中治療室(MFICU)を3床つくりました。
 ・・センター化の「6床以上」という条件に合っていません
 県の場合、大阪のように中枢医療を民間病院でやってもらえない。県立でほとんどやらなければならないんですよ。
 ・・昨年12月の補正予算で総合周産期母子医療センター整備の着手を早め、新年度の新規事業に南部山間地域の道路防災調査を盛り込んだ。人が亡くなってから手を打っているように見えます
 そういう評論の部分は、私の関知するところではありません。その場その場で精いっぱい努力してきました。

-----------------

 うそつき!ですね。前知事、このような日本の恥とも言える事件を多発させてきたあなたが知事をしていた時に奈良県の救急医療は、まったくよくならなかった。

 そして今回の事件です。高崎さんのご遺族のお怒り、病院や医師に向かっていますが、今回の事件で明らかになったように「地方行政」が怠慢だからです。

 他の自治体で、努力しているのを奈良県は大阪などの他府県におんぶすることで逃げている。そして、今回の事件。

 誰が責任を取るべきでしょうか?僕は産科医がこれ以上、過労するような状況なのは誰の責任かはっきりさせるのもマスコミの仕事でしょうね。誰ですか?まだ医者が悪いだの、病院が怠慢だの言って「社説」で【主張】妊婦たらい回し また義務忘れた医師たち のような誹謗中傷をたれているマスコミさんは…そういう報道姿勢は「読者」の信頼を裏切るものではありませんかね?ぽち 
nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。