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医師会は医師のための存在なのか? [医療崩壊]

 現場で酷い目に遭っている医師たちの現状について大阪の保険医協会・勤務医部会がリサーチに動いてくださいました。

長時間労働、4割「使命感失われる」 大阪府勤務医調査

朝日新聞 2007年08月13日

 勤務医の勤務状況が過酷だといわれる中で、6割が「勤務医の未来に希望が持てない」、4割が「医師としての使命感ややりがいが失われていく」と考えていることが、大阪府保険医協会・勤務医部会の調査で分かった。週60時間以上働いている医師は半数近くにのぼり、労働基準法で定める週40時間を大幅に超えた。調査チームの原田佳明・小松病院副院長(小児科)は「法を守った働き方では医療が成り立たない現状を広く知ってもらいたい」と話している。

 大阪府内の勤務医560人が回答。25日に大阪府保険医協会(大阪市浪速区)で報告会を開く。

 調査によると、1週間の勤務時間は、46%が60時間を超えた。宿直時に36時間以上の連続勤務した医師は33%もおり、全く仮眠がとれなかった人も7.5%いた。

 勤務時間が長くなるほど疲労が蓄積しているという自覚症状も増え、医療事故などに遭遇するケースも増えていた。やりがいを取り戻すために「診療以外の業務負担を減らす」ことを挙げた人は64%を占め、6割近くが勤務医の増員を求めている。

 

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 こういう勤務医の声を日本医師会体が、「開業医」の先生方より尊重してくれていたか謎です。

 

 たとえば、今年の日本医師会事業計画というものがあります。4月1日に医師会の理事会で提案された「重点課題一覧」には・・・(日医雑誌・第136巻・第2号別冊/平成19年5月号)

------------- <重点課題一覧>-------------------

 1. 総合的医療政策の確立

 2. 医の倫理の高揚と医療安全対策の推進

 3. 生涯教育の充実・推進

 4. 医師会組織の継続的強化

 5. 会員福祉施策の充実

 6. 医療分野におけるIT化の総合的推進

 7. 広報活動の強化・推進

 8. 国際活動の推進

 9. 社会保険制度の充実に向けた取り組み

10. 地域医療提供体制の確立・再生

11. 医療関係職種との連携及び資質の向上

12. 医業経営基盤の確立

13. 日本医師会陪席保険事業の安定的運営

14. 「産科領域における無過失補償制度」の立ち上げ

15. 日本医学会とのさらなる連携の強化

16. 日医総研の多角的活用

17. 治験推進センターの着実な運営

18. 医師最終行支援事業(女性医師バンク)の運営

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 えっと、勤務医の労働条件を改善とかないんですけど・・・どうも解せません。それっぽい話題を読みこんでみました。

 

5.「会員福祉施策の充実」 これだ!と思って細目を見ると、

 

会員の老後の生活安定及び遺族の生活安定の支えである日本医師会年金に対する理解を深める必要が・・・」

 

 って違うじゃん、ローゴの問題は確かに必要だけど過労死したら老後もないでしょ…。

 

10.の「地域医療提供体制の確立・再生」

 

 ここに過重労働についてやっと言及がありました(喜)。

 

 「地域医師会との緊密な連携のもと、すべての国民への平等で良質なサービスの提供を目指して、地域における保険・医療・福祉を推進し、「かかりつけ医機能」を中心に据えた地域医療のさらなる充実を目指す。

 特に、都道府県医師会のドクターバンク事業の全国ネットワーク化をはじめとする医師確保対策を推進し、小児救急医療やドクターヘリの推進等の救急医療体制の拡充を図り、さらに改正感染症法を踏まえて新興・再興感染症等の感染症対策を推進するほか、小子化対策、周産期医療の充実、母子保健対策、学校保健対策等、「子ども支援日本医師会宣言」の実現を図る。

 また、過重労働・メンタルヘルス対策をはじめとした労働者の健康確保対策と産業保健活動、環境保健対策、糖尿病等の生活習慣病予防対策、禁煙推進活動、食品安全に関する情報システムの構築等に努める。特に、糖尿病対策については、日本糖尿病対策推進会議との連携のもとに積極的に取り組む。

 さらに、地域における医療提供体制の確立・再生へ向けて、グランドデザインに基づき全般にわたる改革を進める一方、平成20年度から施行される特定検診・特定保健指導の地域における円滑な実施体制の構築を図る。特に特定保健指導の中の運動指導において、健康スポーツ医が中心的役割を担えるよう対策を図る。

 介護保険については、報酬改定後の検証作業を通じ、地域医師会が地域支援事業、地域包括支援センターの運用に十分関与できるよう対応を図る。その上で、地域ケア整備構想策定における都道府県医師会への役割支援ならびに第4期介護保険事業計画作成に向けての意見集約に努める。また、障害者自立支援法の適正な運用を葉k里、障害者に対する医療についても積極的な対応を図る。

 この他、医療廃棄物、在宅医療廃棄物についても今後の増加に備え、地域医師会を含めた体制整備に努め、環境の立場からも積極的に検討を行う。」

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 あの…日医の会員じゃありませんけど、勤務医の過重労働問題は?医師不足は?地域医療の崩壊は?

 

 日本医師会?は事業として重点的な課題には捉えてないんでしょうかね?でも、前文にはこうあります。

 

 「地域医療においては、様々な場面、形で既に深刻な混乱が生じつつあり、すべての国民に対する平等かつ普遍的な医療供給システムの基本である国民皆保険制度の崩壊が懸念されている」

 

 この前フリがありながら、重点課題には現場の医療従事者が戦線離脱が続いているのを、日医は「放置プレイ」ですか?こんなんじゃだめでしょ。国民が「医療崩壊」を医師の身勝手な振る舞いによって生じていると思われても仕方ないですね。

 

 TVCMを作って「イメージアップ」作戦をしていても、現場の崩壊を日医として何をするのか?重点項目に勤務医の過重労働について何らかの施策を述べるべきですし、医師不足対策を国と協力して対処するとかあるべきではないでしょうか?ぽち→ 


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