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看護師不足で、県立病院機能まひ 南部医療センター、中部病院 [医療崩壊]

すでに「Dr.Marcketの資産計画」さんで取り上げられていますが、少し詳しい報道もありましたので、追加しておきます。

http://blog.m3.com/DrMarketTrading/20060724/1 

看護師不足で、県立病院機能まひ 南部医療センター、中部病院

 4月に開院した南風原町の県立南部医療センター・こども医療センター(安次嶺馨院長)に、県内で初めて設置された精神科合併症病棟(混合病棟、19床)が必要な看護師29人が確保できず、休眠状態に陥っていることが22日までに分かった。県立中部病院(平安山英盛院長)でも看護師が14人欠員で、集中治療室3床が使えない状態。関係者は「公的医療機関の危機だ」と危惧(きぐ)し、看護師増員の必要性を切実に訴えている。
 精神科合併症病棟は、精神疾患と身体疾患を同時に治療でき、一般病棟では受け入れが困難だった患者を効率的に治療できると期待されていた。病棟に必要な看護師数は30人だが、現在は看護師長1人と担当医1人しかいない。看護師が確保できれば開床できるが、開院から既に3カ月が経過しても、まだ29人が確保できていない。
 安次嶺院長は、対象となる患者は他病棟で受け入れているとし、「手厚い看護ができる合併症病棟に入れてあげたいし、他病棟では看護師も他の患者も大変。看護師確保に努めているが集まらない」と嘆く。
 中部病院では、県立北部病院の産婦人科外来の休止後、北部地域からの重症患者を中心に受け入れており、集中治療室の必要度が高い。しかし看護師不足の影響で現在、15床のうち3床が開けられない状態だ。平安山院長は「今の状態では地域が求める救急医療の役割を果たせない。公的医療機関の危機だ。減収にもつながる」と訴える。
 県立病院の正職員数は県の条例で定められ、既に定員を満たしているため、欠員は臨時採用などで対応するしかない。4月の診療報酬の改定に伴い、これまでより看護師の配置を多くして手厚い看護を行えば、新たに報酬が加算されることから「診療報酬の改定直前に、民間病院で看護師の大量採用が相次いだ」(関係者)という。
 両院長とも「不安定な雇用形態では人が集まらない。定数増や臨時の条件を良くするなど看護師が集まる環境整備を県に求めている」と口をそろえる。これに対し県病院事業局は「早めになんとかしたいが検討、調整中としか言えない」と話す。しかし同局も、県全体の予算縮小の流れの中で定数条例に阻まれ、人員配置に苦慮している現状だ。

(琉球新報7/23 10:14)http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-15643-storytopic-1.html

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 せっかく作った立派な病院も人の手配までは間に合わなかったようですね。公立病院の欠点が露出しました。事務員の採用を削ってでも看護師は配置させるべきでしょうが…きっと逆になっているのかと。

 地方財政が豊かであれば、そう目くじらも立てなくてもいい問題かもしれませんが、こういう行政の「箱モノ優先、人はあとからついてくる」という時代錯誤な考えでは、立派な箱だけが残って、廃墟になるしかないのかと思います。もちろん、行政が必要な努力を行えば、たちまち満床で経営が好転とは行かないでしょうが、こういう問題はお役人が自分たちに都合のいいように人やお金を割り振ったために生じていると考えてしまいます。

 

 ところで、夕張市のように財政再建団体に転落するのはまれかもしれませんが、健全なレベルの赤字ってどれくらいなんでしょうか?どうみても県や市のレベルで支えられる赤字というのは限度があって、10億程度でもクビが回らないというのはよくあります。その場合、すぐに公設民営化でしょうか?それとも病床再編して外来に特化でしょうか。横浜市の市長が今朝、テレビ番組に出ていましたが、工夫次第で道となると言ってましたが、横浜市は交通局が大赤字で、新築のみなと市民病院

 案外、簡単なのは「民間への売却」ですが、私立病院の経営が困難なことを思うと、民間への売却は困難がつきまといます。赤字の病院経営の立て直しについては、色々な取り組みがなされているようですが、実現しても長続きしなかったり、院長が辞めたりするとまた元の赤字病院になったりするわけで…元から不採算部門である救急・小児科などを抱えた公立病院の先行きが心配でもあります。

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-15681-storytopic-1.html

満床「押し出し」169例 県立中部病院ICU3床“遊休化”

 県立中部病院(うるま市、平安山英盛院長)のICU(集中治療室)3床が看護師不足で稼働していない問題で、ICUケアが必要とされながら、より重症な患者の受け入れのため退室を余儀なくされた「押し出し退室」(平安山院長)が2005年度だけで169例発生していたことが24日、分かった。うち22例は人工呼吸器を装着したままの退室で、退室後容体が急変し、ICUへ再入室した事例も2例起きていた。

 人手が少ない夜勤帯での退室も多く、院内の医師や看護師からは「患者の負担は相当なもの。異常な事態が恒常的に続いている」「医療安全面からも非常に危険な状態だ」と、危機感を訴える声が上がっている。
 中部病院は本来、ICUを15床持つが、看護師6人が不足しているため、病院を改築した01年度時点から3床分が稼働していない。同病院はこの間、県に対しICUをすべて稼働させるために必要な看護師の増員を強く求めてきた。
 同病院のまとめによると、05年度のICU入室件数は述べ883件。ICUケアがまだ必要な重症患者が「押し出し退室」となった169例のうち、特に人手が不足する夜勤帯での退室は55例(準夜勤35例、深夜勤20例)あった。退室した重症患者は、医局に近い新棟に収容されている。
 ICUの満床を理由に、重症患者の救急搬送を断った事例も4月から今月24日までの間だけでも19件発生。こうした場合は同病院からの要請を受け、中部地区の民間病院が受け入れている状態だ。
 ICU専属医の依光たみ枝医師は「ICUへの入室は救急救命センターからの搬送が50%、病棟からの緊急入室が約30%と、予測困難な例が多く、計画的なベッド調節は難しい。3床を開床させるだけで、大幅な負担緩和になる」と説明する。
 平安山院長は「県は県立病院職員定数を引き合いに看護師の増員をためらっているが、病院側の試算では、現在の12床を15床に増やして稼働させると、看護師の給与を含めても、約1億1千万円の収益アップになると見込んでいる」と語り、早急な看護師の増員を求めている。

 


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