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世界と恋するおしごと [海外の医療]

 金曜日は仕事のあとに講演会に参加しました。疲れてたけれども、とても いい刺激になりました。

↓アジアパシフィック医療改革フォーラム 講演会
http://www.ngo.ne.jp/i/story_i.php?storyid=1316&start=0

 講演:山本 敏晴(医師・NPO法人代表)

 以前シエラレオネ―5歳まで生きられない子どもたち
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4901006533/503-9556621-3936756?v=glance&n=465392

 という本を買って読みました。ただ、どんなに本を読んでも、実際にその人の話を聞かないで、活動を支援するまではなかなか到りませんでした(あ、国境なき医師団とユニセフには毎年冬のボーナス時期に振り込みしてます~少ないけど)。

 講演内容は…

1.シエラレオネの現状
2.国際ボランティア
3.本当の意味ある「国際協力」
4.医療従事者にできること

 シエラレオネは北海道くらいの面積に500万人が住み、平均寿命が35歳、産業は農業と鉱業(ダイアモンド鉱山がある)、 そして元ポルトガル植民地->旧イギリス植民地、17もの種族が住み、独立後も内紛が続く、しかもダイアモンド鉱山をめぐって隣国のリベリアからも攻められ、100万人が難民。
 ダイアモンドはかなり良質なものがとれ、リベリアから密輸され、イギリス&イタリアのブランド業者を経由して日本に流れこんでいる現状らしい。
 この国には二つの大きな人権問題があり、一つは「子供兵」(麻薬漬け+自動小銃カラシニコフ)、もう一つは「民間人の四肢切断」(労働力を低下させ、国力衰退させるため)。無政府状態が続いているため、病院などまともになく…乳児死亡率20%(世界最悪)という状況。
 この現状をなんとかすべく、Dr.山田の奮闘によって病院を再建(ちなみに大工といっても15歳とかが来て立て直す…義務教育がないから6歳を過ぎると大人扱いで、「百姓」「大工」「物売り」の三つのいずれかを仕事するのが普通だそうな)、病気は「マラリア」「肺炎」「下痢」の3種類で3割づつ。

 現在、WHOがコントロールできない2つの病気は「マラリア」「エイズ」、そして毎年世界でマラリアで100万人、結核で200万人、エイズ300万人が死ぬらしい。日本では結核が復興していると行っても…2300人/100万だから違いますね。

 現地では、リーダー(医師ではない統括役)、医師、看護師or助産師、ロジスティック(物品調達係)の4人がチームを組んで行い、4種類以上の通信手段(VHF,HF,衛星携帯電話,インターネット)を用い常に海外や国内とも連絡を取り、緊急時はすぐに危険から待避できるように心がけながら、リーダーの指揮のもと、実際に乗り込む。
 ちなみに綿密な調査や目標・計画を建て、支援を行うのが基本で、それなくして緊急援助はない!そうです。

 国際援助には二つあり…

A.緊急援助:戦乱中(アフガニスタン、イラクなど)
      NGOの一部(国境なき医師団)、UNHCR…数%
B.開発援助:戦乱終結後(東南アジアなど)
      日本のODA、JICA、UNDPなど…9割がこっち

 という具合で開発援助は日本政府が行うために、相手に政府がないと行えないが…緊急援助は資金が少なく、実際に本当に困っている所には手をさしのべる団体も資金もまた少ないのが本当の事実。

 国際医療協力で出来ること

1.医師、看護師が直接患者を診察
2.現地医療スタッフに教育
3.政策提言(現地の政府に)、医療システム構築<---JICAはココ
4.プロジェクト前の事前調査
5.プロジェクト後の評判、評価

 日本の場合、3が圧倒的に多く、現地には様々な問題があるが現地の政府がある場合、病院を作り、その国に寄付したり、現地の医療スタッフの育成を行い…という具合であるが1は少ない。

 ITを使った医療貢献もある(遠隔医療、医療教育)が、現場では相手のことばを覚えて「お手伝いさせていただく」という気持ちが大切。
 そして現地の文化や伝統的医療の背景もあり、西洋文明のおしつけは反発を買いやすい。しかし、伝統にはあってはならい「出生直後の新生児の臍の緒を地面につける(大地の聖霊の祝福を受けるそうな)」「女性性器切除」などの悪習もあり、その辺のバランスがとても難しい。

 そして今大切なのは「未来へ続くシステム」の構築を目指す必要がある。なぜかというと今も1秒3.1人づつ子供が増えている。2000年前は3億人だった人口は1800年に10億人、2000年で60億人突破、あと50年で100億の人口となるが、今のような贅沢な暮らしを維持できるほど地球にはもう余裕がない。
 なぜなら石油、ウランの枯渇は目前であり、資源を巡る争いは増えるが、減ることはない。実際にアフガニスタンはパイプラインの十字路であるし、イランやイラクは石油産出国。つまり今の戦争は資源産国の利権をめぐって醜い争いをしているが、これは未来を映す鏡のようなものである。
 現地の女性は子供を15人産む(猛烈に産み、猛烈に死なせている)。これを病院で教育することで避妊(ピル、ペッサリー、コンドームなど7種類もの方法を用いる)を希望するものには行い、人口コントロールも必要である。

 ミクロとマクロで必要とされる対策は異なるが、価値観の違いもあり、自分の考えの押しつけにならないように…する必要はある。

 「国際協力師という考え方」

 プロフェッショナルとして国際協力にあたる職業もあり、ハード系としては「建築業、電気工事」など企業があるが、むしろソフトウェア系としてODAの下請けがあり、そちらに参入することで年収は現地で十分に暮らせるだけでなく年収1000万円以上クラスもいる(WHOやJICAなど必要とされるスキルや能力はあるが、農業、土建業、生産技術支援、ありとあらゆる種類の職業が必要とされている)
 また、現地に行くという選択はなくても、国内でもいわゆるエコマークの品を買う、フェアトレード(公平貿易)の商品を選ぶ、募金をする…様々な支援がある。


 愛情の反対は憎悪ではなく「無関心」

 だとおっしゃってました。もっと色んな話しが出ましたが、やはり一人一人の心の持ち方だなと思いました。まぁ、中身のとっても濃いい60分でした。
 帰りに自分として何か出来ることはないのかと考えながら帰路につきました。

↓「世界と恋するおしごと」についてはこちら
http://www.ngo.ne.jp/amazon+detail.asin+4093876401.htm   

 まだ読んでませんが、楽しみです。

↓フェアトレードの一例
http://www.janic.org/feat/feat0405.html

NPO法人「宇宙船地球号 」と講演会スケジュール(愛知でもあります>来月)
http://www.ets-org.jp/index.html
http://www.ets-org.jp/schedule.html


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