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[医療と食品]安全のためにコストは必要だ! [医療]

 医療については「安全性」を常に問われており、当たり前ですが、それを無視しているとそこには「医療事故」という形で、医療機関の責任が問われます。当たり前ですが、患者さんの生命を預かる立場である医師、医療機関、そして厚生労働省は「安全性」を無視してはなりません。

 ちなみに、「たらい回し」(=受け入れ困難)の増加を問題視する向きがありますが、日本の場合、「少ないスタッフ」でよくやっている実態から考えると、限界いっぱいです。救急隊が運ぶ病院がなくなるような事態があって「客を断る病院は問題」とか、現場を知らないまま「ケシカラヌ」などといい出す人や、喜んで「たらい回し」などと取り上げる報道各社がまだ多いようですが、実際にそれだけのマンパワーを投入するためには「金」がいるのだが・・・夜勤明けの看護師が帰れるのに、医師はそのまま診療を続けたり手術を行うという「危険行為」を行わせているのは、国や行政です。

 これに手を入れようとすれば、「医師数」をどうやって増やすか?を検討する時期ですが、政府も医師数を増やすと、医療費が増えるという理由で「検討」を行ってこなかったり、医師会は競合による患者さんの取り合いを敬遠して増員を要求せずむしろ医師過剰という説を厚生労働省や財務当局などと展開してきたように思います。



日本の医療を正しく理解してもらうために 川崎市立川崎病院 鈴木厚先生より


 誰かが「●×病院は医者が200人もいるから周辺の病院に分けた方がいい」 というもっともらしいことを言ってましたが、そういう判断は現場を知らないから言えるのです。
自分が一番最初に働いた病院では、当時100人いた病院は入院患者さんの在院日数が減少したため、それだけたくさんの入院患者さんが入れ替わりするため、医師の数は150人に増えています。

 救急車の「受け入れ困難」はあたかも人気歌手のコンサートに、当日開演直後になってアリーナ最前列を求めて殺到しているようなもんです。「キャパシティ」いっぱいに会場につめこんでおり、そこに新たに「受け入れる余地」がほとんどないのです。余裕をもとめているのは我々、医師もそこに「万が一」のための余裕を残していたいのですが、そこに「自称・急患」さんが押しかけます。3日前から・・・とか明日、学校の試験なので今日中に熱を下げたい・・・とか、去年からずっと熱が・・・という具合で夜中に来るような患者さんではない人が押し寄せ、それらを拒否する権利を国は認めていません(応召義務)。
こういう非救急の患者さん(小児科も含む)で手一杯の2次救急、3次救急もマンパワーは十分ではありません。そこに様々な患者さんが乱入しており、そこでアリーナ席?(最高のマンパワーが必要)ありえないでしょ・・・。

 現実は、この状況でさらに患者さんの「安全」のために・・・書類仕事や電子カルテの入力など、それだけ余計な仕事が増えています(インフォームドコンセントを医師がじっくり行うことを求めたのは時代の要請です)。
 それを、含めれば仕事は倍増。会議や書類の記入など医者が怠けているように報道するのは、マスコミ各社の不勉強ぶりがあらわになるだけ。

 患者さんの「安全」を十分確保するためには上記のように、増員をはかるしかありません。そして病院はもっと減るでしょう・・・財務省と厚生労働省は「社会的入院」を削減目的に、ベッド数を減らすことを常に「念頭」において政策立案を続けています。総務省は自治体の赤字財政のもととなっている自治体病院の集約化をはかることを立案して、実行に着手しています。

 これは「病院」が日本の国民にとって、遠くなることばかりです。

 入院を断られる・・・仕方ありません「空きベッドありません。」。(収容力不足)
 救急車が断られる・・・仕方ありません十分な医師を確保できていません(人手不足)
 心臓が止まっても救急車でなくなりました・・・すでにいる別の患者さんを放置できません(無責任はできない)

 いずれにせよ「断りたくて断る」のではなく、政府や行政側の怠慢で生じていることです。「中国」の餃子問題も同じようなものです、他国から輸入をするのを進めたのは安い物をデフレで求めたからです。安いものには必ず「何か」があります。

 そして、外国の穀物の値上がりは今後、日本に影響を及ぼしだしています。これは仕方ないでしょう・・・もう日本で食料を安価に提供できる体制を作らないできたからです。自衛手段を持たない国。それが、今後、どのような形でインフレを受けるのか?非常に考えてしまいます。

 あ、石油は値段が下がりつつありますが、まだこれから電気代があがります。いずれにせよ、コスト転嫁が進めば、すべからくインフレとなります。それを防ぐ手段は今のところありません。職場の給料をあげてもらうか、生活レベルを下げるかどちらかしかありません・・・日本はまだまだ厳しい選択が続きそうです。

 安全のために「中国」以外の食品の選択、調達先の新規開拓、それは時として値上がりを伴うかもしれませんね。いずれにせよ「値上げ」は引き受ける必要があります。覚悟が必要になりますね。ぽち

  なかのひと 




モスフード:モスバーガーなど平均6%値上げ

毎日新聞 2008/02/08

 モスフードサービスは8日、「モスバーガー」などの食べ物とドリンクの一部、計27品目の店頭価格を3月28日から平均約6%値上げすると発表し た。原材料の輸入小麦が高騰しているほか、原油高で包装資材の価格も上昇しているため。値上げは90年7月以来約18年ぶりとなる。

 食べ物が15品目、ドリンクが12品目。主力商品の「モスバーガー」や「テリヤキバーガー」の価格(税込み)は現行の300円から320円に上がる。ただし、売れ筋の「ハンバーガー」(220円)と「チーズバーガー」(250円)は据え置く。【遠藤和行】


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