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世界一高い医療費と不健康なアメリカ国民 [医療]

 最近は日本の「マスコミの医療叩き」とか「もうだめぽ」というテーマに飽きてきているSkyteamです(一時の医療崩壊マニアはどこへ行ったんだ・・・汗)。さて、今日は医療先進国アメリカ賛美の日本人にはこの数字はどうでしょうかね?

先進国19かと国中、医療大国1位は仏、2位は日本

2008年1月9日ワシントン発
【1月9日 AFP】英国の研究チームが先進国19か国を対象に行った回避可能な死に関する調査結果が8日、米医療経済・政策専門誌「Health Affairs」の1・2月号に掲載された。それによると、適切なタイミングで効果的な医療を提供している国の1位はフランス、2位は日本だった。一方、米国は最下位に沈んだ。

研究を行ったのは、ロンドン大学衛生熱帯医学校(London School of Hygiene and Tropical Medicine)の研究チーム。チームは、2002-2003年の間に、適切なタイミングで効果的な医療が施されれば死を回避できた75歳未満の人の死亡率を調査した。

その結果、1997-1998年時点から回避できる死の割合が大半の国で平均16%低下している中、米国だけがわずか4%の低下にとどまったことが判  明。仮に米国が上位3か国と同水準の医療を提供していたとすれば、年間10万1000人の死が回避できたと研究は指摘している。

研究に出資した非営利組織Commonwealth FundのCathy Schoen上級副社長は「米国が大きく遅れをとっていることは驚くべきことだ。ほかの国は米国よりずっと少ない資金しか投入していないにもかかわらず、回避できる死の割合が急激に低下している」と述べた。

研究の主著者Ellen Nolte氏は「米国以外の国では大幅に改善していることは特筆すべきことだ」と語っている。

19か国の順位は上位からフランス、日本、オーストラリア、オーストリア、カナダ、デンマーク、フィンランド、ドイツ、ギリシャ、アイルランド、イタリ  ア、オランダ、ニュージーランド、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、英国、米国となっている。前回調査で、米国は15位だった。
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まぁ、気持ちフランスの方が高いので「なんで?」とか思ったでしょうが、原文に当たることをせずにロイターの英文ニュースをあたってみました。

http://www.reuters.com/article/latestCrisis/idUSN07651650
によれば・・・
「France did best -- with 64.8 deaths deemed preventable by timely and effective health care per 100,000 people,  in the study period of 2002 and 2003. Japan had 71.2 and Australia had 71.3 such deaths per 100,000 people. The United States had 109.7 such deaths per 100,000 people,  the researchers said.」

フランスも確かに一番いい(10万人当たり64.8人)のですが、日本(71.2人/10万人)との差は、10万人あたり、6.3人。日本とアメリカ(109.7人/10万人)の差は38.5人/10万とその差は驚くほど遅れています。

さて、あんまり日本の新聞が報じないので、勝手に翻訳しているMNJでは取り上げていますが、アメリカの医療費は1トリリオン(兆)ドルになってから11年で、さらに2倍の218兆円という大幅な記録更新(日本じゃ30兆円が10年で二倍になったら大騒ぎだろう)です。いやぁ、「原因」の原因には「市場原理至上主義」があるとは思いますが、これもまた頭の痛い問題でしょうな。世界一お金をかけて、先進国で一番成績が悪いアメリカをまねようという日本。

アメリカ:医療費は11年で倍増、過去最高の2兆ドルへ

Health Spending Exceeded Record $2 Trillion in 2006
アメリカ:医療費は2006年に過去最高の2兆ドルを超えました

NewYorkTimes 2008年1月8日

ワシントン発- アメリカの医療費は、2006年に初めて2兆ドルを上回りました、この数字はこの10年間で約2倍へと増加したことになり、1人あたり平均7,000ドルになったことを、アメリカ政府は1月7日に報告しました。 

2006年は、新たに処方薬の薬剤費が上乗せされたことにより、1981年以来、メディケア(老人医療健康保険制度)の支出は最も速いペースで増加しました、と報告書は述べています。

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ちなみに、日本人一人当たりの医療費は25.9万円。アメリカの7000ドル(76.5万円)に比べると安くあがっています。国際比較はともかく、疾病予防のランキングが世界で2番目に成績が良くて、医療費はアメリカの1/3で済んでいるのですよ。
今後のことは知りませんが、銘記しておいてください。医療費はまたOECD加盟国との比較をしてもいいけど「安い」のです。

 問題は、マスコミが「医療費」について書く時は「過去最高」とか必ず報道しているです。きっと政府側にそう書くように「記者会見」で述べられた資料をそのまま読んでろくすっぽ調べずに書くんでしょうな>記者さんは。

いいですが、古いデータですが。この数字を見れば、一目瞭然です。これでも「高い」というか安いというか?命の値段はどうなんでしょうかね?ぽち

  なかのひと 



73. (2007年7月3日記載)
より拝借しました。

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コメント 1

Bundo

Skyteam様、はじめまして。一開業医です。
そうですか、米国ではついに200兆円を超えましたか・・。
その上かの国では貧困層が多いので、実際に医療を享受している人口は2億人以下なのではないかと思います。
小生、15年前に米国でclinical fellowをしていましが、Doctor feeだけで、尿管結石のESWLの指示で1,800ドル、気管支鏡で2,500ドルしたのには驚きました。
by Bundo (2008-01-11 15:36) 

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