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[産経新聞の害毒]新聞社とは政府の広報か? [マスコミ]

 産経新聞って・・・「政府の方針」をそのまま『主張』だなんて、ジャーナリストとして終わってませんか?産経新聞もそうですが、「新聞」という名前を使っていますが、政府の広報機関「官報」になりさがっていると思われます。でなければ、こんな文章は載せられませんな。

 『勤務医の診療報酬を引き上げるというなら、その前に開業医の診療報酬を下げるべきだろう。そのうえで診療報酬は全体として引き下げる必要がある。そうでなければ、医療費負担が国民にさらに重くのしかかる。』

 これから高齢者が増えて、医療費が自然増でもまず減らそう・・・いいんですか?産経さん、今回もきちんと調べたましたか?>開業医の年収について。産経新聞の論説室の偉い新聞記者さんたちは、今年の8月にも【主張】妊婦たらい回し また義務忘れた医師たち 」という、非常に程度の低い社説で、自ら悪評を買ったばかり。

 その社説は最後をこう締めくくっていました。

 「それにしても、痛みをこらえる患者をたらい回しにする行為は許されない。理由は「手術中」「ベッドがない」といろいろあるだろうが、患者を救うのが医師や病院の義務である。それを忘れてはならない。」

 まるで現場の産科医たちが、怠けているような書き方の論説を垂れ流し、総スカンを産科医だけでなく、日本医師会にもくらったばかり。
 現場の医師が大変な状況であるのを取材していないのがよくわかりすぎる。これに対して当事者として「叩かれた」奈良県立医大の産婦人科教室は、下記のように当日の産婦人科医の勤務状況を含めて公表しています。

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今般の妊婦救急搬送事案について
 去る8月29日、救急搬送中の妊婦さんが不幸にも死産にいたりましたことについて、誠に遺憾に感じております。
 今回の事案につきましては、マスコミを通じて、さまざまな報道がなされておりますが、当病院の産婦人科における8月28日から29日にかけての当直医師の勤務状況や当病院と救急隊とのやり取りについて調査しましたので、その結果を公表いたします。

平成19年8月28日の当直日誌記録より

(産婦人科当直者 2名)

時間 対応内容

8月28日(火)     夕方から抜粋

19:06         妊娠36週 前回帝王切開の患者が出血のため来院、診察後に帰宅
19:45         妊娠32週 妊娠高血圧のため救急患者が搬送され入院、重症管理中
09:00~23:00     婦人科の癌の手術が終了したのが23:00、医師一人が術後の経過観察
23:30         妊娠高血圧患者が胎盤早期剥離となり緊急帝王切開にて手術室に入室
23:36~00:08     緊急帝王切開手術
00:32          手術から帰室、医師一人が術後の処置・経過観察をする。重症のためその対応に朝まで追われる。妊婦の対応にもその都度応援する。当直外の1名の医師も重症患者の処置にあたり2:30ごろ帰宅

8月29日(水)

02:54         妊娠39週 陣痛のため妊婦A入院、処置
02:55         救急隊から1回目の電話が入る(医大事務当直より連絡があり当直医一人が事務に返事) 「お産の診察中で後にしてほしい」、そのあと4時頃まで連絡なし
03:32         妊娠40週 破水のため妊婦B入院、処置 (これで産科病棟満床となる)
04:00         開業医から分娩後の大量出血の連絡があり、搬送依頼あるが部屋がないため他の病棟に交渉
04:00頃        この直後に救急隊から2回目の電話が入る 「今、当直医が急患を送る先生と話しをしているので後で電話してほしい」旨、医大事務が説明したところ電話が切れた
05:30(病棟へ)    分娩後の大量出血患者を病棟に収容 (産科満床のため他の病棟で入院・処置)
05:55         妊婦Aの出産に立ち会う。その後も分娩後出血した患者の対応に追われる
08:30         当直者1名は外来など通常業務につく、もう1名は代務先の病院で24時間勤務につく

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 こんな勤務状況でも「産経新聞は許さない」そうで…現場を知らないから書けるですね。

 こういう「真実」を提示されても、また、苦情が集中しても、要は産経新聞は「取材能力」も「記事の質」も劣化しており、ジャーナリストとしてまともな機能をなくし、あまつさえ自分で訂正することさえも出来なくなっているんですな。

 海外の先進国の医療費に比べて、低い医療費に押さえ、患者さんの安全性も二の次にさせてきた厚生労働省のお追従…いつにも増してご苦労様です。

 産経新聞としては、政府・与党の意見は大切に・・・厚生労働省や財務省の味方です、「日本医師会」や「開業医」とは、今後も縁を切って、大いにケンカしたいということですね。

 マスコミが、現場の開業医の仕事を毎日それこそ見て、開業医の大半が儲けすぎで、遊んで暮らしているという批判ならばわかりますが(だいたい儲けているのは美容形成とか違う人をいれてませんか?)、自分の勤めていた病院の先生は、4年前に開業して以前の勤務医時代よりも仕事を朝も晩も外来、それに在宅の患者さんの往診と飛び回っていて、勤務医時代よりもむしろ忙しいと言ってます。

 そういう先生方の努力を「全て儲けすぎ」と批判したり、「産科医を攻撃」するあたり、産経新聞は、ジャーナリストとして健全さを失っていると思います(論説委員が現場を知らないにしてもほどがある・・・)。

 政府の方針をそのまま記事に書いて年収1000万円以上の論説委員っていいですね。こういうジャーナリストとしての魂まで売り渡すような新聞記者の年収はまず下げたいな。ぽち

  なかのひと 

 政府の「大本営発表」をもとに社説を書く前に・・・先にこれを読んでから書けばいいものを・・・↓もうけすぎ報道にきちんと突込みを入れられていますから熟読を>産経さん。
新小児科医のつぶやき 2007/11/12

診療報酬削減3.6%の破壊力

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新聞報道 開業医黒字、月228万円 のトリック
1)開業医の給与額ではない
 個人立診療所という事業所の黒字ですから、開業医という個人の給与だけでなく、土地や建物などのイニシャルコスト(借金)の返済額、建物・設備の改善や修理に備えるための内部資金など数十万円分の金額も、その中に含まれています。従って、単純に、勤務医の給与とは比較できません。

2)「一般的な診療所」の黒字は、100万~150万円の間(グラフ1
 実際のデータの分布の仕方をみると、100万~150万円の間が一番多く、そこを頂点とした山型の分布をしています。少数の高額の施設が、全体の平均値を引き上げています。

3)平成元年からの経過を見ると、大きく減少したまま(グラフ2
 平成11年から収入は減り続けており、それ以上に、費用を切りつめることで、黒字を保っています。
4)働いた日が1日、前回より多い
今回(平成17年6月)は、前回(平成15年6月)より、曜日の関係で、診療日が1日多いので、その分を割り引く必要があります。


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【主張】診療報酬改定 開業医優遇の是正が先だ

産経新聞 2007/11/25

 厚生労働省が来年度の診療報酬の改定に向けた基本方針案を社会保障審議会の医療部会に示した。方針案では病院で働く医師の負担軽減を緊急課題として挙げ、産科や小児科の診療報酬について加算を求めている。

 勤務医の労働は、夜勤明けに再び診察に当たらなければならないなど過酷な面がある。とくに産科医や小児科医は深刻だ。地域的な格差もある。医師不足は国民の健康や命にかかわる。勤務医を優遇して医師不足を解消するのは当然だろう。

 しかし、診療報酬は患者の健康保険料や税金、患者負担で賄われる。診療報酬が上がると、当然、国民の負担は増える。それを忘れてはならない。国民皆保険制度のもとでの日本の医療費は診療報酬が多くを占める。医師、とりわけ開業医には大きな関心事だ。患者も認識を深めるべきである。

 開業医の年収が病院勤務医の年収の1・8倍にも上ることも考えてほしい。厚生労働省の医療経済実態調査によれば、診療所、つまり開業医の平均年収は2500万円で、勤務医の1400万円との差は際だっている。

 診療報酬の大幅な引き上げを求めている日本医師会は「開業医を経営責任の問われない勤務医と比較するのは不見識だ」との見解を示すが、説得力には乏しい。

 2年に1度改定する診療報酬は、これまでゼロ改定をはさんで2回のマイナス改定が続いた。それにもかかわらず、開業医の収入水準は高い。それは診療報酬の配分自体が偏っているからにほかならない。

 勤務医の診療報酬を引き上げるというなら、その前に開業医の診療報酬を下げるべきだろう。そのうえで診療報酬は全体として引き下げる必要がある。そうでなければ、医療費負担が国民にさらに重くのしかかる。

 高齢化社会における医療費の増大を懸念し、財政制度等審議会の建議(意見書)も診療報酬引き下げを提言し、開業医優遇の是正を求めている。

 基本方針案は、(1)処方箋(せん)の様式を変更して先発医薬品よりも安価な後発医薬品のシェアを高める(2)がんや脳卒中の治療を推進する-も掲げている。医療費は必要なところに使い、それ以外は抑制することも大切である。


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