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[新聞の危機]イギリスでも日本でも・・・ [マスコミ]

 「イギリス:待機手術の6ヶ月待ちは改善に向かっているイギリス:医療ミスは夜間のずさんな看護で生じている」のような英語の新聞記事を翻訳させてもらっているので、イギリスの新聞、とくに考究し紙の記事はお堅いのが多いようすが、個人的にはいい記事がならんでいます>インデペンデンス紙やタイムズ紙。

 日本の新聞社もイギリスもアメリカと同じようで、速報性ではインターネットやテレビに。広告などもインターネットにと読者離れがひどいようです。
 もちろん、活字がなくなることはないですし、模索が続くと思いますが、日本の新聞社もそういう意味で「同じ苦境」に陥る可能性が多いにあります。産経新聞は大阪を除いて夕刊を廃止してしまいましたし、新聞会社の危機的な状況はこれからまだ続くのでしょうね。



新聞社―破綻したビジネスモデル (新潮新書 205)  
河内 孝:
 


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岐路に立つ英高級紙 生き残り懸けた紙面改革

産経Express 2007/11/04

 100を超す新聞がひしめく新聞大国・英国。だが、部数減の世界的傾向はこの国も覆う。インターネットに情報を求める読者、娯楽の多様化…。生き残りをかけ、新聞各社は紙面改革や小型化などを模索している。

 ≪部数、前年比5%減≫

 英国を代表する高級紙タイムズ。8月の発行部数は約63万部で、数百万部の日本の全国紙より1桁(けた)少ない。高級紙にはインディペンデント、ガーディアン、デーリー・テレグラフもあるが、いずれも数十万部レベル。読者層は限られ、今年の調査では、医師や弁護士、中間管理職らが87%を占めた。

 ただ、部数は減少傾向だ。昨年8月に約67万部あったタイムズや約25万部のインディペンデントは5%以上の減。残り2紙も1%台の減少となった。

 背景にはインターネットの影響があるが、オープン大のジョン・ノートン教授は「メディア生態系」として新旧メディアの“すみ分け”を予測する。ある生物が他の生物を完全に滅ぼすことがないように「インターネット時代に新聞が駆逐されることはなく、テレビ、映画、ラジオ、活字、そしてインターネットが共存する」というのだ。

 だが、それでも部数減は広告収入に響く深刻な問題だ。

 ≪1面から記事消える≫

 そこで、別名「ブロードシート」(大判紙)と呼ばれた高級紙が小型化戦略に出た。小型の大衆紙が「タブロイド」と呼ばれる一方、大判は高級紙の印だったが、インディペンデントが2003年9月、タブロイドサイズに変更。タイムズも同調し、ガーディアンはタブロイドより一回り大きい「ベルリンサイズ」で後を追った。

 ただ、インディペンデントとガーディアンが小型化前より約3万2000~約4000部のプラスとなったが、タイムズは約2万部マイナスと明暗が分かれた。
 内容刷新にも力が入る。インディペンデントは1面から記事本文をなくし、トップニュースの見出しと写真だけの「ポスター化」を行った。イラク戦争に明確に反対したり、人権や環境の問題を提起したりする記事も掲載。視点(ビュー)を提供する「ビューズペーパー」とされる。

 その効果について、シェフィールド大のピーター・コール教授は「10年前、学生が(愛読紙として)名を挙げるのは常にガーディアンだったが、インディペンデントの読者が目立つようになってきた」と指摘した。

 一方、タイムズ、ガーディアンは、生活や文化をターゲットにした特集で若年層の読者獲得を狙うなど、伝統的なコラムとともに、硬軟両面の記事で読者を引きつけようとしている。

 ■「サン」値下げ断行

 英国の新聞は派手な見出しの大衆紙抜きでは語れない。最大の発行部数300万部を誇るサンが代表格だ。小型の判型からタブロイドとも、赤い題字から「レッドトップ」とも呼ばれる。だが娯楽がインターネットやコンピューターゲームなどに分散し、人気はじり貧。サンが大幅値下げで勝負に出るなど大衆紙も岐路に立たされている。

 ページの半分以上が見出しで埋まる派手なレイアウトと著名人のスキャンダル報道で知られる大衆紙。いくつもの大衆紙が3ページに掲載するヌード写真は「ページ3ガール」と呼ばれ、携帯電話へのダウンロードサービスも行っている。一方で「わが娘が給食費を忘れたからといって、パンと水だけの昼食とはひどい」といった生活密着型の訴えを大きく取り上げる。少女がパンと水を手にしている大きな「再現写真」付きだ。

 サンは地球温暖化防止や民族差別反対のキャンペーンも実施。4歳の英国人女児が5月にポルトガルで失踪(しっそう)した事件では懸賞金1万ポンド(約230万円)を提供し、記者も街頭でポスターを配った。

 議論を呼ぶのが取材手法。高級紙が禁じる取材先への謝礼金を提供することも多い。「小切手帳ジャーナリズム」といわれ、イランに拘束された英海軍兵士らが4月に解放された後、大衆紙が10万ポンド(約2300万円)とも伝えられる謝礼を払ってインタビューしたことは大問題となった。

 日曜大衆紙「ニュース・オブ・ザ・ワールド」は“盗聴事件”を起こした。王室担当だった元記者が、皇太子公邸職員らの携帯電話の留守番メッセージを不正に聞いたとして禁固4月の判決を受け、編集長は辞職した。

 サンは300万部台を確保しようと、今月3日からロンドン市内と英東南部に限り1部35ペンス(約80円)から20ペンス(約50円)に大幅値下げを断行。100人の路上販売員も投入した。メディア事業家らは「成功すればライバル紙も同じ戦略を強いられる」と、物価上昇が続く英国での厳しい価格戦争を予想する。

【用語説明】
 高級紙と大衆紙 英国の新聞を大きく2つに区別した分類。高級紙はインテリ層が読むとされ、生ニュースのほかコラムや社説が充実している。かつては日本の新聞と同じサイズが主流だったため「ブロードシート(大判紙)」とも呼ばれる。大衆紙は派手な見出しとコンパクトな記事、スキャンダルを売りものにする。社会的には高級紙ほど尊重されないが、部数が多いため影響力は侮れないとされている。英国では宅配率が3割程度で、多くの読者は新聞店に足を運んで新聞を買う。
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