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[シリーズ社会起業家]医療バスinインド [医療]

 今夜がシリーズ最終回の放映ですが・・・BSドキュメンタリー でいい番組が今日の夜、BSで放映されます。先週、その第2回を録画して昨日になってやっと見れましたので、紹介します。

 NHKのBSでMobile Medicsという会社の起業を行ったインド人青年について報道していました。

 

9月15日(土)

「農村に医療バスを走らせたい」 

~インド・若き起業家の挑戦~

 

 農村を巡回する”医療バス” --インドの大学生カヴィクルト・グラム(23歳)がめざす新たな社会派ベンチャーである。去年社会起業家を奨励するプランコンテストで優勝。賞金2万5千ドルでバスを買い、医者や看護師を雇って、農村での巡回を始めた。1回1ドル程度で良質の医療を提供して、医療過疎の問題を解決しビジネスとしても成立させる。

 

 

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 世界的にも医療へのアクセスについて満足とは言えません。ビジネスコンペで得た賞金2万5000ドルを元手に、800ccのバンを買い、無医村に医療バスを巡回させるようなビジネスを開始したというものでした。

 スタッフは医師に看護師、薬剤師を乗せ、周辺の近隣の農村に行くことでした。

 

 インドでは7億人が農村に住むということで、医師のいる都会まで1日がかりで通うのが困難なインドの住民にもとまで医師を乗せて巡回するビジネスを展開していました。

 事業を開始したのは、まだ今年の3月からですが、どんな疾病でも30ルピー(1ルピー=2.9円)という定額。薬代を含めて100ルピー前後。

 

 金額は都市部の病院と大差ないのですが、1日に3~4箇村を回り、1日2万円の売り上げということでした。インドのような無医村のビジネス展開は確かに有望でしょう。

 都市部には人口3万人あたり病院ひとつなのに対して、農村では30万人に一つの病院。

 医療施設不足に対してこれは一つの処方箋ですね。町の病院は患者さんであふれ、周辺の農村部から1日かかりの患者さんが集まってくるようです。3時間待ちの5分診療ということで大変なのは日本と同じですね。

 

 問題は今後の経済成長でどうなっていくのか?ですが。車もなくて、町の病院まで行くのに車を借りる患者さんにとってこの巡回医療サービスが朗報かと思いきや、そうでもなかったりします。

 実はインド独特の「無資格医」がいる村では、不適切な治療を行っても村人たちは無免許医を頼るため、巡回医療サービスを撤退する羽目になったり・・・古い因習に従うようなビジネスの障害があるようです。

 ちなみにこのビジネス、採算ラインは一つの村で15人の患者。まだ開始したばかりのためか、これをクリアできないため、採算は厳しいようです。

 毎月のコストが6万ルピー必要なのに、資金繰りが厳しく、累積赤字が重なって銀行へ行く様子なども大変なようでした。

 

 結局、住民たちに「医療サービスとして認知」されていないことが判明し、起死回生のために、診察代の無料体験(1日のみ、薬代は有料)などを行ってみたところ、診療所に患者があふれるほど集まり、1日だけで116人が一気に集まったそうです。

 まだ、このビジネスは未熟なところがあるかもしれませんが、「インド」でありながら、世界的な環境がかわりつつある中で、チャンスかもしれません。 

 

↓アメリカのベンチャーコンペで優勝した時の記事について

Mobil Medics for India Win Global Social Venture Competition in New York

↓NHKの資料

http://www3.nhk.or.jp/pr/keiei/shiryou/soukyoku/2007/07/007.pdf

 

 というか、日本もそういう意味では長野県の佐久総合病院は事業として成功しているように思います。社会的に見ても長野の農村での検診活動などが実を結んでいます。

 日本では、今、これから「医師」の貸し剥がしによる病院倒産や病院集約化が図られます。仕方ありません。日本政府が国土開発という名の土建屋さんへの支出よりも、医療という福祉支出を嫌うからです。

 今後、こういうモバイルメディックスのようなサービスが必要になるかもしれません。実際に「総務省」の念頭にあるのは、下記のとおりです。まぁ、インドに近づくとはいいません。福祉への投資の効率化のためには、こうなるのが運命なのでしょう。

 

 

 さて、今回のような 社会起業家としては、去年のノーベル平和賞のムハマド・ユヌス氏が有名ですが、彼のはじめたマイクロクレジットという事業(「援助ではなくビジネスで」これが途上国への支援理論)で、バングラディシュの女性の地位が向上したり、貧困からの脱出というのに役立ったのは有名です。

 その彼の経営するグラミン銀行からの出資もあって、行われた携帯ビジネスについての本をここで紹介します。

 

グラミンフォンという奇跡 「つながり」から始まるグローバル経済の大転換

ニコラス サリバン (著), 東方雅美/渡部典子 (翻訳)

 

内容紹介

 「携帯電話」が世界を変える。いま最も注目すべき「世界の動き」を描いた感動のドキュメント!

 アジア・アフリカの発展途上国で、携帯電話が急速に普及している。その波は、これまで電気すら通っていなかったような地域、1日2ドル未満の所得で生活する「貧困層」の人々にまで及ぶ。
 携帯電話によって、経済・社会全体がダイナミックに変化しはじめた。情報通信が活発化し、農業も工業もサービス業も一気に発展。アフリカの「貧困層」の人々が、ケータイで買い物をしているのだ! だが、なぜ、そんな「貧しい」人々に、携帯電話が広まったのか?

 

 物語は、世界でも最も貧しい国の一つ、バングラデシュから始まる。

 戦争で荒廃した祖国の発展を夢見る起業家イクバル・カディーアは、バングラデシュでの携帯電話サービス立ち上げを考え、ただ一人、さまざまな企業や投資家に、その夢を説いて回る。

 彼の夢に共鳴し、協力を申し出たのは、2006年ノーベル平和賞を受賞したグラミン銀行の総裁、ムハマド・ユヌスだった。さらに、ノルウェーの電話会社、ジョージ・ソロスら米国の投資家、日本の総合商社・丸紅、NGO、そして現地人々・・・

 夢は多くの人や企業を巻き込み、「グラミンフォン」が誕生する。その衝撃は、アフリカ・アジア各国に、野火のように広がっている。生活が変わり、ビジネスが生まれ、経済が興り、民主化が進む。

 「貧困層」として見捨てられてきた、30億人の人々が立ち上がる。世界が、大きく変わり始めた。その全貌をドラマチックに描いた、衝撃と感動の一冊。


●本書に寄せられた言葉

「グラミン銀行は貧困層を変え、グラミンフォンは経済全体を変化させます」(グラミン銀行総裁 ムハマド・ユヌス

 

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 マスコミについては「彼らの社会的使命があるので、良い仕事をしてくれたら賞賛の声をあげましょう」という本田先生のお言葉もありましたので、今日はいい番組を報道してくれたNHKに花丸をあげたいです。ぽち 
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