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市民の希望と現実:埋めがたいギャップ [医療崩壊]

産科休止2カ月前倒し 分娩予約の妊婦に戸惑い 登米

 河北新報2007年07月29日日曜日

 

 宮城県登米市立佐沼病院の産婦人科が、分娩(ぶんべん)の取り扱いを8月末で休止することになった。医師を拠点病院に集中配置する集約化に伴って、常勤医が8月いっぱいで大崎市民病院(大崎市)に移ることが決まり、10月末の予定が2カ月前倒しされた。9月以降に分娩予約を入れていた妊婦35人は転院を余儀なくされ、戸惑いと不安が広がっている。

 佐沼病院の産婦人科は現在、東北大から派遣を受けた常勤医1人に加え、応援の医師が週3日、東北大から来ている。病院には4月下旬、東北大から産科医と小児科医を複数確保できない施設での分娩取り扱いを休止する方針が伝えられていたが、常勤医の退職が当初見通しより早まった。

 病院側は既に9月以降の分娩予約を受け付けていたため、代わりの医師を探したが結局、断念。対象となる妊婦に6月下旬に文書を郵送して事情を説明し、大崎市民、石巻赤十字(石巻市)、岩手県立磐井(一関市)の三病院を受け入れ先として調整を進めている。

 「自分が生まれた病院で子どもを産みたかった。希望がかなわず悲しい」と話すのは、9月下旬に出産を控える登米市中田町の主婦(24)。転院で大崎市に通い始めたが「通院や検査などの費用が増えて大変だし、妊娠後期に病院が変わるのはとても不安。家族にも迷惑を掛けてしまっている」と表情を曇らせる。

 転院先が決まるまで1カ月近くかかったという同市登米町の20代の主婦も「子どもを安心して産める場所が分からなくなり、精神的な余裕がない。病院が変わるのは、もう嫌だ」と訴える。

 佐沼病院は9月以降、婦人科外来の診察のみを週1、2回行う予定。登米市は、産科休止後の対応策として「助産師外来」の設置を目指しているが、必要な非常勤産科医を確保するめどがたっていない状態だ。

 病院幹部は「市民に負担を掛けるのは大変心苦しいが、一つの病院だけではどうしようもない現状がある」と苦慮しながら、理解を求めている。

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 結局、この報道でも何故東北大学が「複数の産科医と小児科医」がいない病院から撤退する羽目になったかを書いてありません。しかし、昨年の大淀町立病院や大野病院の余波、産科医の労働条件の悪化など、現実を直視させるためにも「撤退」ということになったかを、大学や病院は住民に説明しておいたほうがいいでしょう。医師や病院が一方的に悪ではありません。
 お産に「絶対的な安全」と「地域でのフルサービス」を求めているのは、日本の国民なのです。複数の産科医や小児科医を集めるために、努力したとありますが、はたしてそうなのでしょうか?
 今後も住民の怨嗟の声をマスコミは報道するでしょうが、その背景にある魔女狩り報道で産科医療を崩壊させたことについてマスコミが反省しないでしょうし、住民にもわかるようにきちんと説明しないまま撤退することは、まずいと思います。
ぽち→ 

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