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24時間診療所は過重労働を誘発 [医療行政]

診療所の24時間体制は過重労働を誘発 日医・唐澤会長

 日刊薬業2007/07/24

 日本医師会の唐澤祥人会長は20日、東京都内で講演し、病院・診療所の外来医療について「病院の外来患者数は年々増加しており、診療所が受け入れるには限界がある。診療所を病院外来のゲートキーパーにしてはいけない」と強調した。その上で、診療所の24時間体制の強化は医師の過重労働を誘発するとの危機感を示した。
 また、外来の医療提供体制を見直す前に、病院・診療所に必要な医師数と看護師数を推計する必要があるとの認識も示した。
 唐澤会長は、診療所の現状に関して「地域住民の健康診断や学校保健など診療所医師の果たす役割は多方面にわたり、診療時間以外に地域医療を支えるためのボランティア的な時間を費やしている」と述べ、こうした役割について診療報酬上の評価を求めた。
 現在の医療提供体制については、「医療圏や都道府県単位で分断された階層的な医療」と指摘。「今後は専門領域を超えた診療能力を持った医師が、総合的に地域医療を担う体制を構築しなければならない」と述べた。
●特定機能病院は7対1の対象外に
 また、国立大学病院など特定機能病院で7対1入院基本料の算定数が増えている現状に触れ、「特定機能病院の運営基盤は民間病院と大きく異なる。特定機能病院は7対1算定の対象外とし、民間病院との競合を避けるべきではないか」と指摘した。
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 まぁ、開業医の労働条件が悪化しないのも大切なことですが、僕は元勤務医の一人として、じゃ、なんで勤務医の30時間労働は放置が許されるのか?という気になりました。
 もちろん、誰かがゲートキーパーになるべきです。しかし、現状の夜間救急外来に救急車でおしかける「自称:急患」さんを病院で診るのはそろそろ難しくなってきています。
 まぁ、日本医師会は開業医さんの負担を懸念しているのでしょうが、A会員だけを相手にしてたら、こういう片手落ちになるかもしれません。
 しかし、医師不足がひどくなってきたのは、病院の勤務医がどどっと辞めているためですし、これまで勤務医の労働条件が悪化してきたのにもかかわらず、日医はまったく手を打ってこなかったツケが今頃になって響いています。
 今後、勤務医などの労働組合だって出来てもいいと思います。残念ながら今の日医に医師の政治団体としての資格はあっても、労働者の代弁者としての資格はないように思いました。
 ところで、厚生労働省がまったく労働者の権利を守らないのは何故なんだろうか?と思ってましたが、次の新聞記事を読むと、理解できます。

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霞が関国家公務員:不払い残業代は132億円 実態調査

毎日新聞 2007年7月18日 19時23分


 東京・霞が関の公務員の1割は過労死ラインで働き、不払い残業代は132億円--。「霞が関国家公務員労働組合共闘会議」は、中央官庁で働く一般職員(約4万5000人)の残業実態を調査し、18日こんな結果を発表した。

 調査には加盟22省庁の労組のうち12労組が参加し、4405人が回答した。平均残業時間は月39.1時間(前年比0.2時間増)で、超過勤務手当の予算は月30時間とされることから、約132億円が不払い残業代となっていると試算した。

 また、過労死の危険性が指摘される月80時間以上の残業をしている人は10.3%(同0.9ポイント増)で、その半分が「過労死の危機を感じているか感じたことがある」と回答した。家族と夕食を全く共にできないとの回答も35.6%。省庁別では、厚生労働省の労働系が84時間、厚生系が79.3時間と最長だった。同会議は「働き方や健康を担当する厚労省の残業が最長というのは皮肉だ」としている。【東海林智】

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 ちなみに、ホワイトカラーエグゼンプションというマスコミの猛撃によって露と消えた言葉がありますが、その背景と厚生労働省のずるいやり方については下記を参照してください。

ホワイトカラーエグゼンプション

 全国の勤務医の先生方、m3.comの掲示板で愚痴ったりしないで、自分の家族との生活を大切に思うのなら、労働基準監督署へ。また、上司や大学医局から反感をかいたくないのであれば、こっそり「新聞社」に投稿を(彼らには医療崩壊促進剤として働いた戦犯ではありますが、その責任を取ってもらうべく、味方になってもらいましょう?)。
ぽち→ 

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