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一人も倒れられない@兵庫県出石町 [医療崩壊]

  連休中ですが、いかがお過ごしでしょうか?北海道は快晴です。あと数時間すると東京に戻ります。のんびりとしてしまい、いいんでしょうか?(汗)。

 兵庫のことはあまり詳しく知らないのですが、大学時代にこの町の出身の同級生がいましたが、出身大学の医局にまだ残っています。きっと声がかかっていると思いますが、こんな状況では、生まれ故郷とは言え、よほど覚悟しないと、帰るに帰れないように思いました。ちなみに地図ではこんなに遠いところです。

 そして2005年4月1日に、周辺の豊岡市、城崎郡城崎町・竹野町・日高町、出石郡但東町と対等合併し、兵庫県で面積が一番大きい市となった。面積697.66km²(東京23区は616.70km²)、総人口89,205人の自治体の医療は大変なことになっています。

↓合併前                    ↓合併後

出石病院のいま ―守れ 地域医療

神戸新聞 2007/07/15

上.縮小3カ月、医師負担増

 公立出石病院(豊岡市出石町福住)が、病院運営に最低限必要な「常勤医師三人体制」に縮小されてから三カ月が経過した。深刻な医師不足を受け、公立豊岡病院組合が発表した病院再編案では十月から、公立梁瀬病院(朝来市山東町)も同様に規模縮小する方針だが、反発も予想される。先行して縮小された出石病院は今、どんな状況なのか。現場の医師らに話を聞いた。(黒田勝俊)

 

一人でも倒れたら

 出石病院をめぐっては昨年末、県や病院組合が、常勤医師一人で入院機能のない「診療所」に縮小する案を発表。地元住民のほか、現場の医師らも猛反発の声を上げた。

  結局、診療所化は撤回されたが、病床は削減され、医師も四人から三人に減らされることに。今年十月から縮小の予定だったが、病院組合の方針に真っ向から反対していた院長が三月末で辞職し、計画より半年早く、三人体制となった。

  「三人それぞれ、余裕がないのは確か。最近『限界病院』なんて言葉がありますが、まあ、うちも当てはまりますよね」

  屈託のない表情で話すのは、四月から副院長を務める内科の西岡顕医師(51)。院長不在のため、実質的な院長業務も担う。

  「実は三月初旬に、同僚の医師と検診し合ったんです。四月以降に病気になっても、人手がなくて休めないので。でも、今や、怖くて検診を受けられないですね」。冗談めかした言葉から、厳しい現状が透けて見えた。

◇   ◇

  実際、数字からも医師の負担増が見て取れる。

  冬場の肺炎の流行などが落ち着いた五月の外来患者数は、二千八百六十三人(前年同期比1・3%減)。一方、病院組合内の五病院全体では四万二千七十七人(同5・7%減)。他の四病院が患者数を大きく減らす中、前年とほぼ同じ水準を保っている。外来と入院の収益はともに前年同期を上回った。

  「住民から上がった『出石病院を残してほしい』という声が、医師を支えている」と高内出事務長(56)。一方で、「土日の日直や夜間の宿直は豊岡病院からも一人応援があるが、多い医師は月十二、三回こなしている。いつまで持つのか不安」。

  夜間は原則午後十時以降の救急を休止しているが、深夜に急患を受け入れることもあるという。

◇   ◇

  規定の診療時間が終わった夕刻。院内が急にあわただしくなった。市内の特別養護老人ホームの入所者二人が急に具合が悪くなり、いったん別の病院に運ばれたが、受け入れられなかったため転送されてきたという。

  二人とも、おう吐や発熱の症状があり、早急に治療が必要な「急性期」の患者。それに対し、生活習慣病や、急性期を過ぎて病状が落ち着いた状況を「慢性期」という。

  「『高齢者=慢性期』というイメージがあるが、それは違う」。急患に対応した西岡医師が力を込めた。

  病院組合の案では、急性期の患者への対応は、大規模な豊岡病院などに特化。小規模の出石病院などは慢性期の患者を担う、としている。

  「実際は急性期も慢性期もやっている。豊岡病院だけでは患者を抱えきれない」と西岡医師。「もちろん、やりがいがあるからここに残っている。でも時々、一人でも倒れたらどうなるのか、という不安が頭をよぎる」

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 うーん。大変です。やはり大規模の病院に集約化もいいですが、これだけ広い面積だと山間部ですし、救急のことを考えると簡単に踏み切れないと思います。いずれにせよ、こういう地域ごとに特性もあります。日本全国「命の格差」を認め、さらに拡大させようというのが、厚生労働省や財務省の考えじゃないかと心配してしまいます。ぽち→ 


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