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[妨害電波]何も北朝鮮に限らない・・・メディアによる報道被害を考える [医療]

 北朝鮮も困ったものですが、日本の医療現場を見捨てるような論説を垂れ流して平気なマスコミがやはり目につきます。


 大手マスコミ各社にとって、それは「報道」することは正義の仕事だと思っているのでしょうが、「正確さ」を欠いたたままに報道して「医療現場をバッシング」する意図ではないからでしょうが・・・ひどいものが現場の医療従事者の士気をどれだけサゲているのかは考えがないように見えます。



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3月16日付 編集手帳


 「医療事故を起こさず、医師賠償責任保険の存在を意識することなく医師としての生涯を送るのが理想であり、実際これまでの日本においては多くの医師がそうであった」◆数年前、日本医師会の常任理事の方が会の機関紙に書いていた一節だ。さらに「残念ながら今後の医療環境は明るいものでないことは確かである」と指摘した上で、医師賠償責任保険に加入すべきだと説いている◆医療訴訟が増加している。産科医の成り手が減っている背景にも訴訟リスクの高さがある。薬剤師や看護師のための訴訟保険もある。医療ミスに対して金銭的解決を求める患者が増えれば、個人では負担しきれないから保険に入らざるを得ない◆主に学校の先生を対象にした訴訟保険の加入者も急増中だ。学校設置者の自治体が保護者から訴えられて敗訴した場合、自治体は先生個人に賠償金を請求することになるからだが、10年ほど前までは加入者も少なかった◆遠足や運動会、部活動の事故、子ども同士のけんかなど、学校にも危険性が潜んでいる。「安全への配慮や生徒指導が不十分だった」として訴えられるリスクも高まっている◆この春、使命感に燃えて医療や教育の現場に立つ若者たちも、示される書類の一つが訴訟保険の勧誘案内という現実に、仕事の厳しさを知ることになるのだろう。


(2008年3月16日01時34分読売新聞)

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この新聞記者は、一番最後の文で、「現場」の厳しさをまったく無視している。昨今の患者さんの権利意識の向上に見合うだけのマンパワーの供給がなされず、過重労働あえいでいる看護師や勤務医たちにとって、仕事の厳しさなど「過労死」の急増や、「医療崩壊」でいやというほど味わっている。

これから医療に携わる若い医療従事者たちに「もっといい労働環境」をと願いながらも、支えられないような現状について、冷たい視線を放っている。
これが1000万部の読者を持つ、読売新聞のオピニオンである。筋が悪すぎる・・・。

もっと凶悪のは「産経新聞」だ。これは、このブログでなくても、「産経新聞=医療崩壊支援団体」といってもおかしくないくらいだ。


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【主張】急患拒否 搬送の問題点を改善せよ

2008.3.16 03:34


 50回目の照会でやっと受け入れ先が見つかった重症患者もいた。しかもその照会にかかった時間は4時間以上である。これではとても救急医療とはいえまい。

 総務省消防庁が初めてまとめた全国の救急搬送の受け入れ実態調査から信じがたい事実が発覚した。

 調査は計約96万4000件について都道府県を通じて実施された。調査結果によると、医療機関から3回以上受け入れを拒否されたケースは、昨年1年間に計2万4089件に上った。急患(急病の患者)の受け入れ拒否は、その患者の命にかかわる。それだけに深刻な問題である。

 まずは救急搬送システムを十分点検して問題点を見つけ出し、早急に改善しなければならない。

 総務省は、病院側が消防に空きベッドの状況を知らせる情報システムについて「1日に2回程度しか情報の更新をしない医療機関が多く、システムそのものが役に立っていない」と指摘している。

 消防庁の検討会の提言にもあるように救急病院はその状況に応じて迅速に情報を更新すべきだ。消防からの電話照会に事務員や警備員ではなく、病院内の状況を十分把握している医師や看護師が直接対応することも必要だ。

 受け入れ拒否が東京や大阪など大都市とその周辺都市に集中していることも今回の調査で分かった。消防庁は「医療機関の数が多く、ほかの病院が受け入れてくれると思い込んでいる可能性がある」と分析している。

 当直のとき、治療が難しく医療事故につながりそうな急患を引き受けると、後で上司や同僚に非難される。本当だろうかと疑いたくなるような話も一部の医療現場にはあるという。

 医療関係者は自らの仕事の重要性を自覚し、きちんとその責務を果たすべきである。

 患者側も救急病院の過度の利用は避け、負担を減らしたい。

 救急搬送の受け入れ拒否は、昨年8月に奈良県で妊婦が受け入れを10回以上断られて死産したことがきっかけで社会問題化し、消防庁は厚生労働省に救急医療体制の充実を求めてきた。

 根本的には医師不足や救急病院減少の問題がある。それらを解決することも急務であろう。

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こういっておこう。

報道関係者は自らの仕事の重要性を自覚し、きちんとその責務を果たすべきである。

まぁ、産経さんのKY度は「ちょうどこんな感じ」

巨神兵s.jpg

あの宮崎駿監督の名作「風の谷のナウシカ」のクシャナ殿下と同じです・・・日本医師会が巨神兵だったのは大昔のおとぎ話。今や、崩壊寸前で、まもなく「滅び行く」のです。誰のせいでしょう?

>当直のとき、治療が難しく医療事故につながりそうな急患を引き受けると、後で上司や同僚に非難される。本当だろうかと疑いたくなるような話も一部の医療現場にはあるという。

医療水準やマンパワーやスタッフの限界を「無理」して引き受けて、患者さんがお亡くなりになると、なんでも「医療過誤」だと大騒ぎしておられたのは、どなたでしたっけ?がんばっている医療現場を萎縮させてしまったのは・・・魔女狩り報道&医療バッシングブームを先導した「マスコミ」さんでしょ。

>【主張】妊婦たらい回し また義務忘れた医師たち

>産経新聞 2007.8.31

といった、数々の名作社説で、現場の士気を下げ続けるような報道をしておいて、滅びそうになると「もっと仕事しろ」と言うのは「論説委員」が自分たちが、医療について無理解&無教養ぶりをさらけ出している姿をそのまま如実に映し出しています。

そういえば、テレビもひどいようです。先週の在京テレビ局でも「医療崩壊」について「
崩壊寸前の救急医療 「最後の砦」も非常事態宣言」という内容だったにも関わらず、コメンテーターとか司会の猛烈に医師を非難する立場をとって、テレビ局や番組スポンサーに視聴者より、抗議が殺到しているようですが、当たり前です。

こんな番組のスポンサーをしている企業の名前は大手企業ばっかりで、T●Sは「謝罪」もしない・・・日本医師会は放置するんでしょうが。マスコミの「医療バッシング」に現場の医療従事者は横暴に耐えるしかないのでしょうね。

↓以下、T●Sで流れた電波です(うろうろどくたー先生ありがと~☆)。
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「病院のコンビニ化の何が悪い、平日午前中に病院にかかれる人間なんて限られている。
社会の変化に対応できていない病院が悪い。」
「医者不足は開業する医師が増えたからだ。楽に儲けようとする開業を制限すべきだ。」
「町医者に昼間にかかるだろう、するとちょっと難しいと病院に放り投げる」
「結局、救急の問題は医師のモラルの問題だ」
「そもそも『町医者』は暇なんだろう、だってゴルフ場に行けばいっぱい町医者に会うじゃない。」
「疲れた疲れたって言われても困っちゃうよね、判断力が低下したら患者さんが心配です」
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↓番組の司会者がぶち壊しにする様子はこちらへ・・・
http://ameblo.jp/reservoir-dogs/entry-10078727506.html

医師は「医療をめぐる非建設的な魔女狩り報道」を見るたびに「モチベーション」を下げているわけで、現状はマスコミさんが、どんなに長い時間かけて取材されても、ゲストコメンテーターが未熟だったり、まったく無知な人を起用してコメントさせれば、一貫の終わり。

誰が、けなされながら血みどろになって不眠不休で仕事を続けたいと思うのだろうか?それは「公務員」だとて同じである。マスコミは公務員や教師を叩く時、「汚職」とか「問題教師」といった風にすぐに安易にバッシング走るのだが、建設的な報道を見たことがない。

この国は「三浦何某」の報道以来、「魔女狩り報道」や「バッシング」を熱心に行うことが正義と勘違いしている。ちゃんと足を運んで、しっかりした人に聞けばいい。

読者や国民よりも「医療リテラシー」のない論説委員や自称ジャーナリストなど、お荷物どころか、北朝鮮と同じである。国民を欺くような報道をすることが、結局は現場のモチベーションをさげ、さらにマスコミとしての「自らの信頼性」すら危うくしていることになっていることにそろそろ気づくべきである。
ぽち

  なかのひと


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うろうろドクター

トラックバック有難うございます。
こんなところにも分家があったのですね。
この記事にある産経ネタが、izaのブログに載ってないのは、
お考えがあるのですよね。
(最近は変な人は来てないような気がしましたが…(笑))

by うろうろドクター (2008-03-18 16:11) 

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