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[国民の医療への意識]コメントを通して知る [医療]

 Safety Japanというホームページがあります。日経新聞の関連会社のリサーチを行ってます。たまたま、医療のセカンドオピニオンについての意識調査が掲載されていました。その結果のコメントの中から、国民の意識が垣間見えてきます。
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 世の中で注目を集めているキーワードについて意見を伺うSAFETY JAPANの「キーワード・アンケート」。第18回のテーマは「日本の医療」についてだ。医療ミスに対する不安を感じるか。実際に医療ミスの被害を受けたことがあるか。セカンドオピニオンについてどのように考えているかを尋ねた。

日経BPコンサルティング 佐藤昭彦
 
Q.あなた、またはあなたのご家族、知人が、医療ミスによって被害を受けたことがありましたか。 
 回答者と身近な方が医療ミスの被害を受けたのは4人に1人の割合
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>そんなに沢山いるのか・・・日本の医療もおしまいですかね。で、実際にどんな医療ミスかというと…「不適切な処置」「誤診」「手術の失敗」など。そんなに多いのか謎です。すると、医療ミスがどこの病院でも毎日起きて、年間の医療訴訟の数が1000件程度では収まらないはずです。
 このアンケートは国民の意識の中に、医療ミスがこんなに浸透しているのだが、実際に「不適切な処置」や「手術の失敗」が、本当に日本での件数が多いかは述べていない。医療訴訟の実数の減少と裏腹に、マスコミによって増幅された国民の医療不信…という実態を裏付けるような気がします。
Q.あなたはどのような方法や手段で調べますか。
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 >主治医の紹介以上に口コミやインターネットで情報を調べる人が多いようです。さて、そんな回答者さんのコメントを拝見しまう。
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 服薬量の指示にミスがあった経験がある。劇薬だったが、自分で服薬量を調べていたので、間違いではないかと申し出て看護婦が気づいて事なきを得た。医療ミスから自身を守るためには、病院に頼りっぱなしではなく、自分で守る気持ちが必要であるが、一方、患者が気づく程度のチェックが行われない医療体制には問題が多い」(60歳以上、男性)

 「ミスに不寛容で、事があれば訴えてやろうという考えを持った患者が、医師をはじめとする医療関係者を萎縮させている。この状況が悪循環につながりそうで心配だ。良質な医療を受けたい気持ちは大いに理解できるし自分もそういった思いを持っているが、現状は行き過ぎではないか」(30歳代、男性)

 「医師不足について非常に危機感を感じる。特に私の居住地は、大きな病院に行くまでに時間が掛かる。村の診療所は交代で医師が来てくれるが、専門外となると大病院に頼らざるを得ない。各県や市町村は独自に奨学金などを出して、自治医大のように医師を目指す学生を支援すべきではないか。現在の日本では金持ちでないと医者になれないと思う。また、医師を目指す学生が少ないと優秀な医師も限られてくる。日本の医療の発展を願うなら熱意を持った医師をたくさん育てるべきだと思う」(40歳代、女性)
 
 「日本では『赤ひげ』が理想の医師となっているが、無私の姿勢で長年続けられるほど楽な現場ではないと思う。医師も人間であるということを考えるべきかと思います」(40歳代、男性)

 「医師・医療機関については、近隣住人の評価が最大の情報源であるが、もう少し第三者評価機関的なものがあっても良いのではないかと思う」(40歳代、男性)

 「非常に難しい問題ではあるが、医療の内容について本人個人に対してもっとオープンにすべき。一例でいうと、紹介状は、封印されて医師から医師へ手渡され、本人にはその内容について何も聞かされない」(60歳以上、男性)

 「良い医療を受けられる人と、そうでない人の差がとても開いてきているように感じる。お金のある人、首都圏など技術のある大学病院などの近くに住んでいる人、コネのある人・・・。DPC(Diagnosis Procedure Combination、診断群分類)などが普及して病院間の差が少なくなって、どこでも良い医療が受けられたら、と思う」(30歳代、女性)  
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  いろんな意味で突っ込みどころ満載でしたが、特に最後のDPC病院になると、病院間で在院日数の短縮競争になるので、良い治療かもしれませんが、やがて、治る手前でも退院を迫られたりしますし、受け入れ先は病院じゃなくて自宅になるかもしれません。
 全国でDPCを名乗りを上げているのは1400病院ですが、残りの病院が全て悪い治療みたいで、勘違いもはなはだしいです(医療は急性期だけではありません)。
 さて後半になると、セカンドオピニオンについての回答ですが、セカンドオピニオンを利用したい人はたくさんいます。それに応えるためには、余分な人員やコストを確保しないとなりませんが、その費用負担を考えていないので素敵です。
 これで国民のセカンドオピニオンを通して、日本の医療についての考えがわかります。 

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 「病院の営業がカレンダー通りの日曜休みはよくないと思う。けがや病気になるのは曜日に関係ないし、逆に日曜日に普段と違うことをして病院が必要な事態になることは考えられる。24時間365日稼働を基本に考えるべきだと思います」(40歳代、男性)

 「いわゆるホームドクター的な一次診断をする医者と、専門医の区分けがもっとしっかりされてもいいのではないかと思う。例えば、歯科治療でも、表面的な虫歯処理をする技術と神経の除去といった作業では、まったく違うスキルであるということを聞きます。米国で生活した際、このような医者の分業とでもいうのでしょうか、それぞれ専門分野別に診察、処理を受けるスタイルを始めはわずらわしく感じたこともありますが、いざ日本に戻っていろいろな治療を受けようとすると、果たしてこのドクターはこの治療を本当に得意とする人なのであろうかと懐疑的になってしまいました」(40歳代、男性)

 「これだけ多くの医療機関があるのにいざ必要な時にどこの病院へ行こうか悩む。調べて行ってみた病院で良い先生に出逢った時にアタリと感じてしまうのは、まるで賭けのよう。医師の人間的要素の欠如、薬品会社と密接な関係にある日本の医療、キチンと管理の出来ない厚生省。嘆く要素ばかり」(40歳代、女性)

 「日本の医療制度はまだまだ患者本位になっていないと思っていたのに、最近では医療崩壊などといって、近隣の病院に満足に医師がいない状況が増えてしまった。関東地方に住んでいても、首都圏から少しはずれれば、患者は病院や医者を選ぶことはできない。カルテの開示もセカンドオピニオンも高額の費用を請求される。同じ健康保険を使っていながら、受けられる医療水準に格差があると思うと腹が立つ」(50歳代、女性)

 「私自身はどちらかといえば医療者側の立場に立つ人間だと思いますが、医師は確かに非常な努力をしていると思います。医療者側の変化も必要ですし、受ける社会の側の変化も必要だと思います。いろんな意味で構造的な変化は必要だと思います」(30歳代、男性)

 「医療提供側を一方的に攻めるばかりでは、何も解決しない。提供側に対してミスを起こさないようなバックアップサポートをして、疲労等が原因となるミスが起きない基盤を整備した上で、本当の医療過誤についてのみ厳しく糾弾する仕組みにすべき」(30歳代、男性)
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  コンビニ医療を望む…意見がしっかりありましたね。病院を24時間フル稼働するためには、医師や看護師、それ以外に技師さんなど本当にたくさんの人間が必要になります。その不経済性を考えないご意見ありがとうございます。
 また、最後の非常に良心的な意見もありがたく受け取っておきましょう。
 日本の医療について国民は満足していないのが良くわかりますが、高い医療を受けるために・・・必要な「代価」を払ってもらおうじゃないか?と思うと、きっと保険料がこれ以上払えない…とか、医者が儲けすぎてケシカラヌ…地域を捨てるのか…などという、前時代的な知識しか持ち合わせていない方に、医師が過重労働で酷い目に遭ってどんどん現場から立ち去らざるおえない状況を自ら招いていると言う認識がありません。
 結局、国民の考える医療は「安くて何も考えないで済む」あるいは「大学病院や大病院が集まっている東京と同じ医療を受けられないのは許せない・・・」ってのかな?と思ってしまいます。
 医療の標準化、高度化には相当、お金や人を投じる必要があります、それについてはもっと啓蒙が必要です、しかし、医療崩壊は待ってくれますでしょうか?ぽち→ 


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