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[机上の空論]医療調査委員会 [医療事故]

 先週の水曜日に、医療制度研究会の緊急の勉強会に参加しました。「診療行為関連死に関する第二次試案」について弁護士の先生から説明をうけ、厚生労働省のとんでもない度の高い試案とその後、自民党から出されたという試案について色々と説明を受けましたが、医療事故について、新しく制度化が考えられていう調査委員会の位置づけが「検察の起訴のための下調べ」のように使われやしないか?あるいは、患者団体などからの代表も委員に含める?というおかしな点がいくつもあります。

 ちょうど今日、午後から下記のようなシンポジウムがあります。自分は出席できませんが、医師だけではなく医療現場にいる看護師、薬剤師、技師さんありとあらゆる人に診療関連死はかかわると思います。お時間がありましたら、ぜひ出席を。

 というか、読売新聞の記事を最後にくっつけましたが、「法医解剖」もままならない状況で事故を調査?できるんですか?単なる絵に描いた餅になるように思います。拙速は禁止。将来の医療事故が少なくなるように、きちんとした制度化が必要です。届出を怠ったらペナルティ、21条の撤廃についてもまったく言及されていない、行政・与党側の意見にはやはり疑問を感じています。というか、産経新聞はこういう報道しないよねぇ・・・特定アジア諸国には関心が強いのはいいけど、国民の影響を考えたら、これも大切なんだけど・・・医療について「誤報」だらけだから、期待したら罰が当たるかな?


医療危機を訴える! by:座位先生


シンポジウム「医療崩壊と司法の論理」
日時:12月23日(日)13時~17時 
場所:早稲田大学27号館地下、小野記念講堂 
主催:早稲田大学紛争交渉研究所、医療コンフリクトマネジメント研究会 
申込み:参加をご希望の方は、お名前、ご所属先、ご連絡先をメールにてsympo@conflict-management.jpまでお送り下さい。定員により参加いただけない方のみ返事します。なお、お申込みは先着順にお受けしております。/b> 
プログラム:1)医療事故判例の論理(手嶋豊:神戸大学教授)

2)医療事故事実認定の論理(佐藤彰一:法政大学教授

3)医療事故判例と医療の視点(中田善規:帝京大学教授

4)医療と司法のかかわりをめぐって(小松秀樹:虎ノ門病院)

5)パネルディスカッション(司会:和田仁孝)


お問合せ:上記アドレスにてお受けしえおります。


解剖医、3年で15%減…学会調査  

政府、育成へ検討会議

読売新聞 2007/12/23

 大相撲・時津風部屋の力士死亡などを受けて死因究明制度の充実が求められているなか、司法解剖などを行う法医解剖医について、3年前に比べて少なくとも22人が削減されたか削減予定となっていることが、日本法医学会(理事長・中園一郎長崎大教授)の調査で分かった。

 法医解剖医(現在約130人)の15%以上に当たり、専門医がいなくなった県もある。学会は、人材育成と確保に取り組むよう関係省庁に陳情。政府も関係する4省庁による検討会議の設置を決め、26日に初会合を開く。

 学会は11~12月、80か所ある大学の法医学教室を対象にアンケートした。国公立大学の法人化が始まった2004年と比べて人員の変化を聞き、61教室から回答があった。

 この結果、3年間で9教室が11人の削減を行い、11教室が今後欠員が出ても補充しないなど11人の削減を予定している。4教室では医師が不在となっている。学会は「法医学教室は臨床部門とは違って利益を望めず、国公立大学の法人化などで大学も採算性を求められるようになり、リストラの対象とされている」とみる。

 愛媛県では06年秋から解剖医が不在となり、専門でない病理学者や開業医に司法解剖を頼っている。解剖医が1人という県も増え、今年から1人になった県の医師は「家族で遠出もできず、四六時中気の休まることがない」と話す。医学部には法医学を志す学生もいるが、教授らは「ポストが減っており、とても勧められない」と嘆く。

 一方、全国の警察が06年中に扱った死因不明遺体は約15万体で、10年で1・5倍に急増している。解剖率は、9%で先進国の中で最低だった。

 学会庶務委員長の久保真一徳島大教授は「現場の負担は限界に近い。人材の確保と育成は喫緊の課題であり、国が本気で取り組まなければ、解剖制度は立ち行かなくなる」と話す。

 政府が設置する検討会議は、警察、法務、厚生労働、文部科学の4省庁で構成。解剖医の育成や確保などについて話し合う。

 法医解剖医 刑事訴訟法に基づく司法解剖や死体解剖保存法に基づく行政・承諾解剖を行う医師。医師免許があれば特別な資格は不要だが、法医学の専門知識が求められる。大学の法医学教室や全国に5か所ある監察医務院に在籍する。疾病の研究目的で解剖する病理解剖医とは区別される。


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[論座:医療と司法特集]ちょっと違和感・・・ [医療事故]

今月号の『論座』はなかなか読みでのある、特集を組んでいます。

☆対談 医者から医者へのメッセージ 医療を“内部”から崩壊させるな

 打出喜義 金沢大学講師、産婦人科医 ×南淵明宏 大和成和病院院長、心臓外科医

☆根拠なき患者攻撃からは何も生まれない “鬱憤晴らし”からの脱却を

  鳥集 徹 ジャーナリスト

☆医師ブログ言説を憂う:栗岡幹英 奈良女子大学教授

☆刑事介入が崩壊の犯人ではない 法の立場から:飯田英男 弁護士

☆被害者救済へ「無過失補償制度」の導入を

 小説『ノーフォールト』を書いた理由:岡井 崇  昭和大学教授、産婦人科医

☆インタビュー:岩瀬博太郎 千葉大学教授、法医学者

 「すべての異状死を徹底究明する『検死局』をつくるべきです」

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 ただ、肝心の対談が「打出」先生。うーん、ミスマッチ(失礼)。いえ、タイトルがちょっとね。
 ちなみに、wikipediaにはこんな風(文末参照)に書かれています。少なくともこういう風に「事故は防げた」という風にいう根拠とか、医師・患者関係の問題について論文や論拠が欲しいのですけどね。

 あえて「疑問」を呈するだけにしておきます。僕は産科医療の問題は素人以下ですんで(きっと打出先生はすごい腕前なのだと思います>ぜひ!産科医が不足している東北地方の病院でお仕事してください♪)

 あと、南淵先生の

>「南淵 ひどいなあ。ここ(大和成和病院)の近くの病院が産婦人科医を好条件で探しています。いきません?(笑)」突込みに対して
>「打出 金沢は僕の出身大学で、母校愛みたいなものもあるし、なにより大学病院って医育機関ですよね。医者を育てるところ。僕は大学で「医療とは、医療人とはどういうものなのか」を叩き込むことが必要だと思うんです」

 ってぜんぜん違う切り替えしだし・・・いえ別にいいんですけどね。南淵先生は「大学はねつ造を教えるところだ!」みたいな発言をマスコミでしちゃっているし・・・笑。なんとなくですね。

 僕は、打出先生と小松先生の対談とかが読んでみたいです。もうちょっと人選をしてくださいね>朝日新聞社さま
 
ぽち

  なかのひと 


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打出喜義

福島県立大野病院産科医逮捕事件に関して、産婦人科医師のほとんどは妊婦の救命は不可能もしくは極めて困難だったとの認識を示す中、「癒着胎盤であっても適切な治療を施せば問題なく救命可能であった」「医師・患者関係に問題がなければこのような事態にならなかった」など、逮捕された医師に妊婦死亡の責任があったとする立場から独自の主張を行っている。 これに関連し、臨床に携わっている産婦人科医からは、「癒着胎盤に関する正確な知識を持たずに無責任な発言を行っている」として強い批判を受けている。

>共同通信社のインタビューに答えたこの四点については下記のとおり(論座より)

・自分の家族が大野病院と同じような形でなくなったら「これは仕方がない。医者の逮捕は不当だ」といって署名するか
・多くの人は逮捕が行き過ぎだと考えている。だからその点で警察には説明責任がある
・産婦人科医が少ないから仕方ないとか、応援を呼べるような状態ではなかったということで事件を正当化しすぎていないか?
・医者と患者のあいだに信頼関係があれば、このような刑事事件にならなかったのではないか


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透析患者さんの手術:安全管理は難しいです。 [医療事故]

骨折女性、術後に死亡 業過致死容疑で捜査、安全管理怠る? 
産経新聞 2007/10/31 09:10 
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/event/crime/95691/

 東京都足立区の特定医療法人大坪会「東和病院」(毛利昌史院長、病床数299)で平成16年10月、大腿(たい)骨骨折で入院中の葛飾区内の女性患者=当時(75)=が、人工骨の置換手術後、出血性ショックで死亡していたことが30日、分かった。警視庁は、担当医師らが適切な術後管理を怠った業務上過失致死の疑いもあるとして、関係者から事情聴取するなど捜査している。

 東和病院ではこの医療事故の前年にも鎮静剤を多量に注射し女性患者=当時(85)=を死亡させる事故を起こし、准看護師が同容疑で書類送検されている。短期間に相次いで死亡事故を起こしていることから、警視庁は病院側の安全管理の実態についても解明を進める。

 関係者によると、手術は骨折した部位を取り除き人工骨に置き換えるもので、整形外科の男性医師(50)と准看護師(25)が担当し、16年10月20日午後2時から同4時半ごろまで行われた。手術後、女性の容体が急変し翌日未明、出血性ショックで死亡した。

 女性には胸腹部大動脈瘤(りゅう)のほか動脈硬化、腎不全の既往症があった。医療関係者によると、こうした既往症を持ち全身の状態がすぐれない患者に外科手術を行う際、少量の出血でも出血性ショックを引き起こす恐れがあるため、麻酔医を置いて術中や術後に血圧などの状態を管理する必要があるという。だが、手術には麻酔医が立ち会っていなかった。

 男性医師は女性の既往症を把握しており、出血性ショックを起こす可能性があると認識していたにもかかわらず、術後の血圧管理など適切な経過観察を怠った疑いがもたれている。准看護師も術後に女性が出血して血圧が低下していたのを確認したのに、医師らに連絡することを怠った疑いがあるという。

 警視庁は医師と准看護師双方の「過失の競合」により女性が死亡した疑いがあるとみており、業務上過失致死容疑での立件に向け慎重に調べを進めている。
 東和病院の話 「院長が不在のためコメントできない」

                   ◇

 ■いまだ説明・謝罪なく

 「機械(心電図)を止めていいですか」。女性の長男(36)によると、担当の男性医師は長男に「もう助からない」と言わんばかりに、女性の弱い心拍を伝えていた心電図に手を伸ばそうとしたという。男性医師はその後も蘇生措置をとらず、女性は息を引き取った。

 遺族の話によると、女性は平成16年10月10日ごろ、足立区の自宅寝室で足を滑らせて転倒し右足の付け根を骨折、東和病院に搬送された。「骨が丈夫なので、つなげば歩けるようになる」。男性医師の説明を信じて手術を選んだ。

 女性は骨折前にも、肺炎で東和病院に入院。薬の副作用で退院後も腎臓透析が必要で、通院していた。長男らはこれまでの病院の対応に不信感を抱いていていたが、「家族が通える範囲で、透析治療もできる病院はここしかなかった」という。

 高齢者が転倒して足の付け根を骨折するケースは多く、男性医師は「手術経験があり慣れている」と説明した。長男らは既往症を心配したが、「血管への負担はない」。術後も「成功しました」と一言声を掛けられただけだった。

 手術当日の10月20日深夜、看護師から容態急変を告げられ、長男らが病院に駆けつけたとき、女性は苦しそうに手足をバタバタさせていた。明らかに様子がおかしかったが、男性医師らが出血を疑っている様子はなかったという。

 死亡から数日後、男性医師が「線香を上げさせてほしい」と自宅に来たが、断った。その後、病院側から説明や謝罪は一切ない。長男は「納得できる説明がなければ、母親の死を受け入れることができない」と訴えている。

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 麻酔科医がいないことが原因みたいな書き方・・・ちょっと記事の取材が浅い感じがします。高齢者の手術には再細の注意を払う必要があります。
 ただ、一方、骨盤出血や出血性ショックなどの合併症は高齢者であれば生じやすいです。また、この方は腎臓透析を必要としており、「通える範囲でこの病院しかなかった」というように、診療できる場所がここしか選べなかったのが本当のようです。

 また、司法の手を借りて真相を明らかに・・・ということでしょうか?ただ、言えるのは麻酔科が居ても、「手術の合併症」をゼロにすることは完全には難しいのです。
 手術の際に安全確保の努力を怠ったという風に書くと、この手のハイリスク患者さんの手術を引き受けてもらえる施設がぐんと減ってしまいそうに・・・感じました。

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[心臓手術で18歳死亡]経験不足で「業務上過失致死」なのか? [医療事故]

心臓手術2日後、18歳死亡=医師の経験不足が原因?-県警も捜査・水戸

 水戸市の水戸済生会総合病院で2004年、難度の高い心臓手術を受けた少年=当時(18)=が、2日後に死亡していたことが31日、分かった。遺族の訴えで茨城県警も業務上過失致死容疑で捜査。県警の依頼を受けた専門家は「執刀医が経験不足のため引き起こされた」などとする意見書を提出している。(時事通信) - 7月31日14時1分更新

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 またも、痛ましい話しです。もっとも報道では「執刀医の経験不足」ばかりが前面に出てしまっているので、今の時点で正しい判断はつきかねます。
 ただ、下記のリンクによれば、ロス手術の手術死亡率は4.1%(3922人中129人が死亡)と報告ということで、リスクが無いわけでもない。それを刑事事件として扱うかはまだ注意深くみていかねば成りません。
 問題は、こういうのを「業務上過失致死容疑」となると、もうリスクは取れませんね。慣れている手術であっても、万が一のことを考えたら、スタッフが揃わなければ、緊急手術を避けるのが当然となり、「逮捕」の二文字がありとあらゆるハイリスク手術の障害になります…警察が動くのは本当に、医療の現場を知らないことで、かえって縮小医療に加速するばかりではないかと危惧します。
 もちろん、この執刀医が2例目であるのに「20-30例の経験」と事実と違うことを家族に話したということであれば、これは民事上で争うべきです。業務上過失致死ってそう簡単に問うべきなんですかね。手術台や分娩台で患者さんが死ぬようなケースで、もれなく警察が出動するようでは、こまります。
※ロス手術は下のリンク参考
http://www.geocities.jp/shin_zou_geka/topicross.htm

↓英文の文献

Ross operation - sixteen year experience

Ronald C Elkins, C. Craig Elkins, Mary M Lane, Chris J Knott-craig, Timothy H Trotter, Marvin D Peyton; Oklahoma City, OK
http://www.aats.org/annualmeeting/Abstracts/2005/9941.html

 operative mortality was 3.9%, 19/487


Highlights of a Ten-Year Experience With the Ross Procedure

THE ANNALS OF THORACIC SURGERY Volume 71 • Number 5 (Suppl.) • May 2001 • ISSN 0003-4975

John D. Oswalt, MD, Stephen J. Dewan, MD, Michael C. Mueller, MD, and Suzi Nelson, RN
Cardiothoracic and Vascular Surgeons, Austin, Texas

Operative mortality was 5.2% with a late mortality of 2.6%.


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[結果論で裁かれる]医療だけ結果が悪ければすべて悪なんでしょうか? [医療事故]

「医療事故の慰謝料、交通事故より高額も」東京地裁

2006年07月26日19時24分
 03年に帝王切開で出産後に死亡した女性(当時32)の家族が「死亡したのは医療ミスが原因だ」として、「国保軽井沢病院」を運営する長野県軽井沢町と担当医を相手に損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、東京地裁であった。藤山雅行裁判長は医療ミスを認め、死亡慰謝料については「医師が患者の信頼関係に反した程度は高い」として、医療事故で通常適用される交通事故の場合の水準を300万円ほど上回る計2700万円と算定。逸失利益の4000万円を含め、町と医師に総額7256万円の支払いを命じた。
 藤山裁判長は「医療事故の場合、損害自体に基づく精神的苦痛に加え、医師に対する信頼を裏切られたことへの苦痛が生じる」とする原告の主張を認め、事故の内容次第では慰謝料は交通事故の場合より高額となる場合もあり得ると述べた。
 今回の場合、「医師は手術後、腹部の出血を疑うべき所見を軽視し、経過観察にあたる他の医師を確保することなく帰宅。女性は3時間余も放置され、最悪の結果を招いた」と指摘。「通常より高額の慰謝料はやむを得ない」とした。しかし、原告側は慰謝料計1億500万円を含む総額約1億8000万円の賠償を求めており、控訴する方針。 (朝日新聞)

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 病院に約7700万賠償命令 出産時母親死亡で千葉地裁

千葉県いすみ市の病院で女児を出産した母親=当時(38)=が死亡したのは病院側の処置が遅れたのが原因として、遺族が約7900万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、千葉地裁は24日、病院側の過失を認定、約7700万円の支払いを命じた。
 判決理由で小磯武男(こいそ・たけお)裁判長は「医師には母親が重度の妊娠中毒症との認識があり、死亡は予見可能だった」と指摘した。
 判決によると、母親は2002年10月28日、いすみ市のもりかわ医院に入院。重度の妊娠中毒症で頭痛を訴えていたが、翌29日に意識を失い、転院先で出産後に脳内出血で死亡した。
 もりかわ医院の森川義郎(もりかわ・よしろう)院長は「到底納得できず、即刻控訴したい」としている。

(共同06/07/25) 

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  今回は両方とも民事訴訟ですが、医療事故で、訴訟となると被告の医師を殺人者のように思う方も増えているようです。遺族の気持ちを汲んでの今回の判決ですが、交通事故もそうですが、医師がどんなに注意しても、おきる時はあるんで、裁判官はその辺、平等には扱ってもらいたいです。
 もちろん、「君子危うきに近寄らず」の風潮をこういうった判決がさらに広めるわけで、研修医にとってみれば、キケンでキツイ産科医療などはどうしても二の足を踏むような気がします。
 今、思うのは「福島県大野病院の刑事裁判」ですが、こういう現場を支えている医師達がこれやる気をなくさせる判決をしないで欲しいですが…いかがでしょうか。
 これは、民事のことではありません。刑事事件の方です、手術などで最善を医師がその場でしても結果が悪ければ「懲役ですか?」。検察は、事件後も医師がきちんと逃げもしないで病院で勤務している所をなぜ「逮捕」せねばならなかったのか…今も不思議でなりません。我々医師は睡眠時間や家族との時間も削って、当直したり毎日呼び出しを受けています。100%安全な手術はありえません。限りある人手と時間の中で、必死にがんばっている医師たち…その報いが、殺人事件の犯人と同じような形で報道されてしまいとても無念でなりません。
 この国は「少子化対策」と「周産期医療滅亡」が同時に進行しています。少子化対策は大切だとおっしゃるマスコミや政府の方へ…アクセルとブレーキを一緒に踏んでしまっていませんか?お産を増やしたい?それとも日本中から産科医を絶滅させたいのですか?

↓周産期医療の崩壊をくい止める会

http://perinate.umin.jp/

 「特集:お産」(読売新聞大阪版)

http://osaka.yomiuri.co.jp/mama/osan/mz60723a.htm

 

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 あ、ちなみに今回の藤山雅行裁判長は色々と物議を醸す判決を出していたようで(小田急高架事業や圏央道の土地収用、学生無年金障害者訴訟など行政側敗訴の判決のオンパレードとか)、高裁でほとんど判決がくつがえることで有名なようで、ご参考までにこちらもどうぞ。 

http://www.still-laughin.com/mt/monolog/archives/2004/04/post_418.html

http://www.j-j-n.com/su_fu/past2004/040801/040801b.html


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[無責任なのか?]医療事故にどう向き合うか [医療事故]

NHK クローズアップ現代
総合 夜7時30分~7時56分
BS2  夜11時~11時26分 
6月22日(木)放送予定
医療事故にどう向き合うか

 医療事故がこの10年で10倍以上に急増する中、隠蔽や改ざんが相次ぎ、医療現場への不信が増大している。こうした中、今年2月福島県で起きた医師の逮捕が全国に波紋を広げている。リスクを伴う医療現場でどこまで医師に責任を問うべきなのか。医師からは、「逮捕されるくらいならリスクの高い診療はしたくない」という声も上がり、市民が受ける医療サービスの低下が懸念されている。一方、医療の閉鎖体質を変え患者に向き合おうという動きも出ている。事故の被害者を安全対策者として病院に招き、医師の意識改革を図ったり、患者と医師の仲介役を果たしてもらうなどの取り組みが始まっている。医療者と患者のあるべき関係を考える。
http://www.nhk.or.jp/gendai/yotei.html

 

 この中で、いつものことだが、NHKらしい視点としては患者さんに不満を述べさせてそのままということ。

 福島県の事件については「逮捕場面」をさらっと流し、その背景(一人赴任、患者さんの希望)など一切無視。そして、被害者の当日の様子の父親のインタビュー(これも大切なことなんだけど輸血を集めるために病院中が大騒ぎであったことも説明なし)、この余波で福島県内のお産を取り扱う施設数が逮捕前の31->この夏に24へ減るという事実だけまた報道。

 そしてその余波で一人しか勤務していない福島県のある病院の産科医が「お産」を止めることになって、転院を求められた患者さんにインタビュー。「ちゃんと最後まで続けれなかったのでしょうか?」そして最後にひとこと「正直いって、無責任ですよね」。

 うーん、その患者さんにこっそり聞きたかった、大野病院と同じように自らが出産時に医療事故が起きてもいいんですか?(謎)。

 

 まぁ、この一言だけでなく「司会役」である国谷裕子 さんが、「訴えられるのが怖くて、リスクのある医療を避ける、これを引き受けないのは医師として、責任を放棄しているのではないのか?」という発言するし…。

 

 何だか見てて平等じゃないような。患者さんの立場も確かに事故の真相究明と釈明、再発防止というのはわかるんですけどね。結局、福島の事件で「医者が逃げてる」という立場で報道を始終してたような感じです。

 

 医者として国谷さんにも聞きたいけど、放送中のちょっとしたミスで「逮捕され」たり、犯罪者扱いをされるようなハイリスクな仕事をあなたならしたいですか?

 

 これを見てまた勘違いをするような。病院がお産から撤退をするのはリスクをさけるためマンパワーの集中であって、そこに「医療事故」をひき起こしたくない大学や病院関係者の気持ちはほとんどくみ取れないですね。

 

 後半のリスクマネージャーを病院が雇うことは家族や患者側にたってクレームがあれば、病院に問い合わせたりする存在は福音でしょうが…難しいですね。

 その存在が不信感を解除することに役立つとは思いますけど、結局「裁判」でしか解決する方法がないかぎり、訴訟をすべてなくすことはできないと思いますが…。

 

 患者さんの声を聞く、これはとても大切ですが、それだけの時間が現場の勤務医や看護師にあるのだろうか?増える書類、入院期間の短縮、急性期病院の多忙なところほど人が足りていないのに…「国がお金を払わない」状態で事故防止にはならんと思うのですが。

 

 お産を携わってはない立場ですが、「少子化対策」という名で出産につきお金を妊婦さんに配ることも大切ですが、現場の医師を大切にしない限り、「逃散」が相次ぐでしょうし、地域の産科・小児科医療は二度と立て直しは不可能だと断言する。 


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