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[過信は禁物]サプリメントも摂り過ぎはマイナス [サプリメント]

 時々、テレビの通販番組で「○×は体にいいんです」という怪しげなものがあります(証拠ゼロでたいがい言いますよね)。ま、食事で取る分にはいいですが、これだけ飲んでいれば安心というのは大間違い。医師の中にも患者さんに「サプリメント」をお勧めする商売熱心な方が見えますが、果たして本当に正しいのでしょうか?

 そういう意味では、患者さんに勧める前に、マイナス面もあることを知っていなければなりません。ということで、いつもお世話になっているBioToday.comさんで微量元素であるセレンの文献が紹介されていました。

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セレンのサプリメント摂取は糖尿病リスクを高める

2007-07-11 -
皮膚癌に対するセレンの効果を評価した試験データを2次解析した結果、糖代謝の改善作用を有すると示唆されているセレンのサプリメント摂取は2型糖尿病の発現リスクを高めると示唆されました。

この試験では、約1200人が200μg/日のセレン摂取群かプラセボ摂取群に割り振られました。

およそ8年間の追跡調査の結果、プラセボ投与群に比べてセレン投与群の方が糖尿病の発現リスクが高くなっていました。

解析の結果、ベースラインで血漿セレン濃度が高かった被験者ほどセレン投与による糖尿病のリスクが高くなっていました。

具体的には、ベースラインでの血漿セレンレベルに基づいて被験者を3グループに分け、その3グループのうちセレンレベルが最も高いグループでプラセボとセレン投与群の糖尿病発現率を比較したところ、プラセボ投与群に比べてセレン投与群の方が糖尿病のリスクが2.4倍高くなっていました。

セレンの栄養所要量(55μg/日)を含む食事を摂っている人はセレンサプリメントを摂取するべきではないとエディトリアルには記載されています。



‥> 関連ニュース
Selenium supplements linked to diabetes in U.S. study / Reuters

‥> 関連文献
Selenium and Diabetes: More Bad News for Supplements. Annals of Internal Medicine. 21 August 2007 | Volume 147 Issue 4
Effects of Long-Term Selenium Supplementation on the Incidence of Type 2 Diabetes. Annals of Internal Medicine. 21 August 2007 | Volume 147 Issue 4

 

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  このように「正しい知識」は必要です。そしてこういう知識もないのに、何でもサプリメントを勧めたり、食事以外からの摂取に頼るのは危険だと思いました。

 いつも紹介しているBioToday.comさんですが、無料ニュースだけでもかなりの分量が送られてきます。今日のメールでも…「表示量が入っているかどうかすら怪しいサプリメントなんぞ服用するよりは、血糖値が気になるなら、カボチャを食べた方がよさそうです。」とのことで下記の二つの文献まで紹介してくれていました。

▽カボチャ抽出物は血糖降下作用を有する
http://www.biotoday.com/view.cfm?n=20769

この報告はラットでの実験結果ですが、以下のように、カボチャ抽出物で血糖値が低下することを示した臨床報告もあります。

▽カボチャ抽出物で血糖値が低下する
http://www.biotoday.com/view.cfm?n=20798

 

 まぁ、食事でならともかく、毎日取るほど長生きなどという証拠があるサプリメントはいまだに聞いたことがありません。金の無駄遣いというのが一番ふさわしいと思いますが。患者さんの弱みにつけこむような商売がまかり通るのはいかがなものかと思います。ぽち→ 

 

 ちなみに、今年の前半だけで、BioToday.comさんで取り上げられていたサプリメント関連の文献はこれだけあります。

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2007-06-24 vHLとHIFによるヘプシジンレベルの調節によって鉄恒常性が保たれている【オープンアクセス文献】...

肝臓で合成されるペプチド・ヘプシジン(Hepcidin)は、哺乳類における鉄の吸収・ホメオスタシスの重要な調節因子です。 9段落, 899文字

2007-06-20 サプリメントに比べて食事から摂ったカルシウムの方が閉経後女性の骨の健康により好ましい効果をもたらす...

閉経後女性168人を対象にした試験の結果、サプリメントから摂ったカルシウムに比べて食事から摂ったカルシウムの方が閉経後女性の骨の健康により好ましい効果をもたらすと示唆されました。 4段落, 370文字

 

2007-06-10 カルシウムとビタミンDのサプリメントで閉経後女性の乳癌リスクが低下する...

ネブラスカ州の田舎に住む閉経後女性1179人を対象にした4年間のプラセボ対照二重盲検無作為化試験の結果から、カルシウムとビタミンDのサプリメント摂取により癌リスクが低下すると分かりました。 2段落, 148文字

 

2007-06-07 葉酸サプリメントで結腸直腸腺腫は防げない【オープンアクセス文献】...

結腸直腸腺腫を切除して間もない患者1000人以上を対象にしたプラセボ対照二重盲検試験の結果、葉酸サプリメントでこれらの患者の結腸直腸腺腫は防げず、むしろ進行病変(相対リスク、1.67)や3個以上の結腸直腸腺腫(相対リスク、2.32)の発現リスクを上昇させると示唆されました。 2段落, 185文字

 

2007-06-04 葉酸サプリメントで脳卒中のリスクが有意に低下する...

これまでに発表された8つの無作為化試験をメタ解析したところ、葉酸サプリメントによって脳卒中のリスクが有意に18%低下するという結果が得られました。 2段落, 118文字

 

2007-06-03 食事からビタミンB6、B12、葉酸をたくさん摂取している正常体重以下の人は膵癌になりにくい~サプリメントは逆に...

4つの大規模試験の結果を混合解析したところ、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸を食事からたくさん摂っている正常体重または痩せ型の人は膵癌を発現するリスクが低いという結果が得られました。 3段落, 218文字

 

2007-05-31 貧血ではない妊婦が鉄サプリメントを摂取すると妊娠期間のわりに小さい赤ちゃんの出産や高血圧のリスクが高まる...

ヘモグロビンレベルが13.2g/dl以上の妊婦を対象にしたプラセボ対照二重盲検無作為化試験の結果から、貧血ではない妊婦に鉄サプリメントを与えることは有害と示唆されました。 3段落, 244文字

 

2007-05-23 糖尿病にクロムは無効...

血糖コントロールを補助する目的で、2型糖尿病患者はしばしばクロム(クロミウム)をサプリメントとして使用します。 4段落, 261文字

 

2007-05-22 緑茶のカテキンは膀胱細胞に炎症が起きるのを防ぐ...

新たな研究の結果、緑茶に含まれるカテキンは膀胱細胞が炎症で損傷するのを防ぐ作用を有すると示唆されました。 4段落, 225文字

 

2007-05-19 リコピンで前立腺癌は予防できない~血清βカロテン(βカロチン)レベルの高い男性はアグレッシブな前立腺癌を発現す...

大規模疫学試験・Prostate, Lung, Colorectal, and Ovarian (PLCO) Cancer Screening Trialにエンロールされた男性28,000人以上のデータを解析した結果、トマトに豊富な抗酸化物質・リコピンで前立腺癌は予防できないと示唆されました。 3段落, 292文字

 

2007-05-18 ピクノジェノールは高血圧による悪影響から心臓を守る作用がある...

マウスの実験から、フランス南西部からスペイン国境にかけて生息するフランス海岸松の樹皮から抽出した天然成分・ピクノジェノール(Pycnogenol)は高血圧によって引き起こされる心臓の損傷を予防する作用を有することが確認されました。 3段落, 211文字

 

2007-05-16 カルシウムとビタミンDサプリメントは閉経後女性の体重増加をほんの少し抑制する...

50-79歳の閉経後女性36,282人を対象にした試験の結果、カルシウムとビタミンD(コレカルシフェロール)サプリメントの併用は閉経後女性の体重増加を抑制すると示唆されました。 3段落, 211文字

 

2007-05-14 超低出生体重早産児の壊死性腸炎はプロバイオティクス(プロビオティクス)で予防しうる/メタ解析結果...

壊死性腸炎(necrotising enterocolitis)は、主に早産児に発現する重症の胃腸疾患です。新生児集中治療部への入院の1%未満~5%がこの疾患で占められており、死亡率は15-30%となっています(1)。超低体重で出生した早産児のおよそ7%に壊死性腸炎が認められます(2)。過去数十年間で壊死性腸炎の頻度低下は認められず(3)、この疾患の予防法の開発は急務となっています。 7段落, 997文字

 

2007-05-04 朝鮮人参やイチョウは医薬品の吸収や代謝に影響を及ぼさない...

新たな試験の結果、人気があるサプリメント・朝鮮人参やイチョウを摂取しても処方薬やOTC医薬品の薬物動態に影響が及ぶことはないと示唆されました。 3段落, 225文字

 

2007-04-07 妊娠中のマルチビタミン摂取で低体重時出産が防げる【オープンアクセス文献】...

タンザニアのダルエスサラームのHIV非感染妊娠女性8468人を対象にしたプラセボ対照二重盲検試験の結果、鉄と葉酸サプリメントと共にマルチビタミン(ビタミンC・E・B)を摂取すると低体重児出産や在胎期間のわりに小さい赤ちゃんの出産(small-for-gestational-age birth)を予防できることが確認されました。 4段落, 339文字

 

2007-03-21 食事からのビタミンCの摂取量が多い男性は口腔前癌病変を発現するリスクが低い...

新たな試験の結果、食事からのビタミンCの摂取量が多い男性は口腔前癌病変を発現するリスクが低いと分かりました。 5段落, 374文字

 

2007-03-18 亜鉛サプリメントで小児の死亡率は低下しない...

ザンジバルのペンバ島の1-36ヶ月の小児を対象にして、亜鉛サプリメントで死亡率が低下しうるかどうかを評価した試験の結果が発表されています。 4段落, 260文字

 

2007-03-15 βカロチンで加齢黄斑変性症は防げない... Free!

40-84歳の健康なアメリカの男性医師22,071人を対象にしたプラセボ対照二重盲検試験の結果、βカロテン(βカロチン)サプリメントに加齢黄斑変性症(ARM)の予防効果はないと分かりました。 2段落, 172文字

 

2007-03-01 抗酸化サプリメントは死のリスクを高める...

 大規模なメタ解析の結果、βカロチン(βカロテン)、ビタミンA、ビタミンEサプリメントは死亡リスク上昇と関連すると分かりました。 6段落, 336文字

 

2007-02-28 ニンニクでLDLコレステロールは低下しない【オープンアクセス文献】...

 無作為化試験の結果、中等度の高コレステロール血症の人のLDLコレステロールはニンニク(ガーリック、garlic)では低下しないと分かりました。 12段落, 1441文字

 

2007-02-18 カルシウムとビタミンDサプリメントは活動的な若い女性の疲労骨折を防ぐ...

イリノイ州のグレートレークス海軍訓練センターで訓練していている17-35歳の女性およそ3700人を対象にしたプラセボ対照試験の結果、8週間のトレーニング期間中に推奨量よりも多いカルシウム(2,000 mg/日)とビタミンD(800 IU/日)サプリメントを服用した女性はプラセボ服用女性に比べて疲労骨折の割合が低くなっていました。 3段落, 320文字

 

2007-02-05 クロミウム・ピコリネートは2型糖尿病患者の血糖コントロールや脂質レベルを改善する...

2007年1月31日、Nutrition 21社は、糖尿病を対象にしたクロミウム・ピコリネート(chromium picolinate)サプリメントの臨床試験のレビュー結果が専門誌に掲載されたと発表しました。 4段落, 383文字

 

2007-01-26 セレンのサプリメントはHIVレベルの低下に役立つ...

HIV感染成人262人を対象にした試験の結果、セレン(セレニウム)はHIVレベルを低下させると示唆されました。 5段落, 334文字

 

2007-01-31 妊娠初期の葉酸サプリメントで口唇裂が予防できる...

1996-2001年にノルウェーで生まれた口唇裂または口蓋裂の幼児573人と健康な幼児763人を対象にした調査の結果、妊娠初期の葉酸サプリメントの服用は赤ちゃんの口唇裂を予防しうると分かりました。 3段落, 284文字

 

2007-01-22 葉酸サプリメントは高齢成人の認知機能に良い影響を及ぼす...

血中ホモシステイン濃度上昇と葉酸レベル低下は認知機能不良と関連します。動脈硬化進行に対する葉酸サプリメントの効果を評価したFACIT(Folic Acid and Carotid Intima-media Thickness)試験のセカンダリーエンドポイントとして、認知機能に対する葉酸サプリメントの効果が評価されました。この評価の結果が医学誌に発表されています。 5段落, 474文字

  

2007-01-21 カルシウムサプリメントの結腸直腸腺腫再発予防効果はサプリメント摂取中止後5年まで維持される... カルシウムサプリメントは結腸直腸腺腫の再発リスクを抑制することが無作為化試験で確認されています。しかしこの腺腫予防作用がサプリメント摂取中止後いつまで続くかは明らかではありませんでした。 3段落, 366文字

 

2007-01-09 コエンザイムQ10は心不全患者の運動能力や心機能を改善する...

平均年齢59歳の中等度~重度の慢性心不全患者23人を対象にしたプラセボ対照二重盲検クロスオーバー試験において、コエンザイムQ10〔CoQ(10)〕(100mg t.i.d.)サプリメント服用でHDLコレステロール、運動能力、心機能が改善するという結果が得られました。 3段落, 241文字

 

2007-01-07 葉酸サプリメントは老化による難聴の進行を遅らせる作用がある...

50-70歳のオランダの男女728人を対象にした試験の結果、葉酸は老化に伴う難聴の進行を遅らせる作用があると示唆されました。 4段落, 248文字

 


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[サプリメントで硬化バツグン!愚息ムクムク」 [サプリメント]

 

 一昨日、日経流通新聞MJによるセミナーがあり、日本経済新聞社まで足を運び、出席しました。タイトルは「売上前年比6000%増 ~ 窓際OLのマーケティングのヒケツ ~」ということで、すごく興味津々でした。 

 講師の方は普通のOLさんです。彼女が、広報部から健康食品部に移動するまで、まったく報道各社にまったく見向きもされなかった、万年赤字部門が、たまたまスポーツ新聞の見出しで「精力剤」として取り上げられたところ、一気にブレイク。増収増益、キャッチコピーの効果は絶大です。

 お話のほとんどが、EDに対するマーケッティングのお話かと思いきや、ぜんぜん違います。

  彼女は文芸一家に生まれ、普通のOLとして仕事されているとのことでしたが、1時間の間数百人の聴衆をあきさせないで、上手にお話されていました。さて、そんなお話の内容は、彼女の本にも、楽しい家族の様子や会社のドタバタぶりが楽しく描かれています。

 もっとも、普通にサラリーマンしている彼女がいきなり「精力剤を売る女」という第一回目のタイトルで、週刊誌に精力剤コラム連載を開始したため、家族には「実のあるお話を書けと言ったのに・・・」と絶句され、連載後すぐに書くネタに枯渇したため、会社の上司の悪口やセールスの裏話がいっぱい載せる始末。

 そのエッセイを社長さんは爆笑しながら、自分の会社の社員が書いているとは知らなくて、「この会社むちゃくちゃやな~」と言ってて、秘書さんにそれうちの会社の・・・といわれたとか。

 まぁ、最近はマカの産地であるペルーまで取材に出かけたり、ブラジルの奥地のアマゾンまで行って、さらに外務省から来年がブラジル移民100周年なので、またブラジルに行く羽目になるなど、すごく活躍されているようです。

 こんなぶっ飛んでいる?窓際OLさんの会社の名前は、サントリーといいます。また、窓際OLさんのお父さんの名前を、北杜夫といいます。 ぽち→ 

 

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http://www.nikkei4946.com/seminar/seminar.cgi?ID=1426

 

◇◆◇◆◇◆ 日経MJセミナー ◇◆◇◆◇◆
 サントリーの健康食品「マカ」売上前年比6000%を達成した立役者、斎藤由香さんにそのマーケティングの秘訣を語っていただきます。

 入社以来、広報一筋だった斎藤さんが、万年赤字の健康食品事業部に異動、それからのドタバタ奮闘ぶりとは?
 「作家の家庭がどんなに悲惨なものか」(本人談)や、会社でのトホホ話やペルー・アンデスに行った話もあります。
 是非、ご期待ください。

◇◆◇◆◇◆ 斎藤由香氏プロフィール ◇◆◇◆◇◆
 現在「週刊新潮」で「トホホな朝ウフフの夜」を連載中のエッセイストでもある、サントリーの窓際OL。祖父は歌人・斎藤茂吉、父は作家・北杜夫。
 特技なし、語学力ゼロ、酒量はウィスキー1本。著書に『窓際OLトホホな朝ウフフの夜』『窓際OL会社はいつもてんやわんや』など。

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窓際OL トホホな朝ウフフの夜
斎藤 由香 (著)

 

窓際OL会社はいつもてんやわんや 

斎藤 由香 (著)

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 ちなみに、「エグゼクティブな方々の健康管理サプリメント」という宣伝文句が光るマカは、前回の衆議院選挙前に自民党にも民主党にも送ったところ、自民党はその翌日に「全員で飲みます」と言ったとか。今回の参議院選挙に当たって、所望された議員さんがおみえで、赤坂議員宿舎にも届けにあがったとか・・・まぁ、高いので3カプセルのサンプルだけだったらしいですが、一ヶ月5000円というのはちょいと高いですよね(高血圧の薬、ARB+利尿剤の合剤であるプレミネントは1錠190円で、30日分で5700円です。ARBと利尿薬の合剤「プレミネント錠」を発売 万有製薬)。

 

↓もしもご興味がありましたらどうぞ♪

http://www.suntory-kenko.com/maca/prod.html?key=19

 

 

↓マカ畑に行ってきました。

http://www.suntory-kenko.com/maca/report.html

 

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 ちなみに、日本の製薬企業の医家向け薬品の総売り上げは6兆円、ガスター10のようなOTC薬の市場は6000億円。ちなみに、トクホまで含めるとサプリメント市場はすでに2兆円近いとか。これも何だか変な気がします。ぽち→ 

 

http://eri.netty.ne.jp/honmanote/comp_eco/2005/0310.htm


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[危険なブーム]常用薬とサプリ、トクホの危険な組み合わせ [サプリメント]

今日の日経新聞「消費をつかむ」には、「健康食品の家計調査」の2005年の支出額の数字が出ていました。
 2005年の支出額は23000円と2000年の1.5倍。2000年の売上高が10億円だったサントリー「セサミン」は2005年が140億円。「健康食品購入の6割は女性。健康な方が多く買う

 家計を預かる主婦にとって、家族の健康は大切なのだが、その健康食品があなたの健康を守るかというと謎である。

 まぁ、まるちビタミン♪ネーチャー冥土♪とかテレビCMで連呼に影響されるのは、とても愚かしい行動である。

 ここに、「日刊ゲンダイ」に掲載された記事を転用する。
http://gendai.net/?m=view&g=kenko&c=110&no=16352

常用薬とサプリ、トクホの危険な組み合わせ
命にかかわる“副作用”もある

「飲まないよりはマシ」くらいの軽い気持ちでサプリを中心とした健康補助食品を取っている人は多いが、生活習慣病などの薬を飲んでいる人は要注意だ。サプリと薬の“飲み合わせ”でヤバイことがあるのだ。危険な組み合わせをリストアップした。

《高血圧》
 高血圧だと「カリウム」を勧められるが、摂取してはいけない人がいる。
「カリウム保持性利尿薬やARB、ACE阻害薬などの降圧剤を服用中の人は、過剰にカリウムを摂取すると、これらとの相互作用で高カリウム血症になる恐れがあります。特に腎障害の人は要注意です」(「医薬情報研究所」医薬情報部門責任者・堀美智子氏)
 高カリウム血症は、手足のマヒが初期症状だが、心臓への負担が大きく、最悪の場合は心停止を起こす危険な病気だ。
 ACE阻害薬を服用している人は、「血圧が高めの方へ」という乳製品などの特定保健用食品(トクホ)も危ない。
「トクホの成分であるカゼインドデカペプチドやカツオ節オリゴペプチド、ラクトトリペプチド、サーディンペプチドなどは、ACE阻害作用があり、ACE阻害薬と重なると、血圧が下がり過ぎたり、高カリウム血症を発症するリスクが上がります」(堀美智子氏)

《糖尿病》
 糖尿病の人が血糖値抑制効果をうたうトクホのお茶を飲んでいたら、動悸が激しくなり冷や汗が出始めたということがある。
「血糖値改善効果をうたうトクホの成分の多くは、α―グルコシターゼ阻害薬と同じ作用で血糖値の上昇を抑制します。食前に服薬した人が、トクホを飲むと、作用が増幅されて低血糖になりやすいのです」(薬剤師・井上健太氏)
 低血糖は放置すると、精神錯乱や昏睡症状を伴い、最悪の場合は死ぬから、ナメてはいけない。

《痛風・高尿酸血症》
 尿酸値の上昇で発症する痛風や高尿酸血症の人は、「核酸」がダメだ。
「核酸を構成する成分のひとつが、プリン体ですから、核酸を過剰摂取すると、プリン体の摂取が進んで、尿酸値が上昇、痛風発作のリスクが高まります」(薬学博士・生田哲氏)

《胃・十二指腸潰瘍》
「アルミニウム含有の胃薬を服用している人は、『クエン酸』を含むサプリや食品を摂取しない方がいい。摂取すると、血中アルミニウム濃度が高まり、痴呆のような症状になるアルミニウム脳症が発症しやすくなります」(井上健太氏)

《心臓病》
「おなかの調子を整える」というトクホの多くは、食物繊維が機能成分だ。
 心不全や不整脈でジゴキシンを処方されている人が、このトクホを食べた直後に、薬を飲むと、薬剤の吸収が遅れて症状が改善されない恐れがある。

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 この他、話題の「コエンザイムQ10」だが、日本のブームはアメリカより伝来。しかし元々は日本では「ノイキノン」という名前で循環器内科を中心として心臓が悪い人に処方していた、れっきとしたお薬。副作用だってあるのだ。
 これについてはさらにむかつくのだが、保険で処方すると一番安いジェネリックの薬価は1錠10mg6.4円。推奨用量が1日30mgでした。これだと毎日19.2円で1ヶ月600円

 さて、これを、日本の健康食品会社はいくらで売っている
のかというと‥

GOLD コエンザイムQ10
よりハイレベルの健康と美容をサポートするために、コエンザイムQ10を1粒中101mgと超高配合! さらにアンチエイジングパワーを作り出すαリポ酸と人気のピクノジェノールを合わせました。

 30日分で3,990円 コエンザイムQ10を101mg。ということ
は医師が処方する通常量の3倍を推奨する。1ヶ月3990円。 高いです。 でわ、割と安いと有名な大手についても検討してみましょう。


【コエンザイムQ10】ネイチャー冥土 コエンザイムQ10
 30mg*50粒
価格:1,380円

 ほっとする価格ですが、毎日30-60mg推奨。これで一ヶ月1380円 高いです。

 思い出してください。一日20円足らずで、一ヶ月600円は実費です。実はお医者さんにかかって、ついでに処方してもらって健康保険を使ってもらったら3割負担で、一ヶ月180円です(そんなものに使ってほしくないが)。

 風邪薬や湿布薬を健康保険から外すことについては今後の検討課題とのことですが、薬として効能を謳っても効果効能が限りなく怪しいため、アメリカで食品ということになった、そんでそこにつけ入る日本のメーカー。実はコエンザイムの製造業者の日本の4つの会社の世界シェアは80%。

 医療用の薬としては儲からないので、健康食品として売ることで儲かるようにしたんです。

マルチビタミン・ミネラルサプリメントに関する否定的見解相次ぐ!

http://intmed.exblog.jp/3660054

 まぁ、食品だから体に毒ではない‥と思うのだろうが
健康にいいなんて証拠はほとんど皆無であるのは下記を
読めば明らかである。

サプリメントを考える
http://www.gaiki.net/lib/2005/05127spl0.html

(1) 賢い消費者になろう
(2) 「健康食品」に忍び込む医薬品
(3) 医薬品の原石? イチョウ葉
(4) ガン・ビジネスが作り出した「奇跡の茸」アガリクス(前編)
(5) ガン・ビジネスが作り出した「奇跡の茸」アガリクス(後編)
(6) ビタミンCは野菜不足を補えるか
(7) 骨を丈夫にするカルシウム
(8) アミノ酸だけでは痩せません
(9) ビタミンEで「老化防止」は、要注意
(10) 飲み合わせに注意がいる、セント・ジョーンズ・ワート
(11) 効果があるのか、コエンザイムQ10
(12) 割高な「ゼラチン」、コラーゲン
(13) 過剰な期待がかけられた、プロポリス
(14) 目によいものは、ブルーベリーだけか
(15) 根拠のない治療効果が宣伝される、クロレラ
(16) 天然物信仰がつくる、にがりブーム
(17) ガンを治すという「サメ軟骨」には要注意
(18) 「ウコン」は二日酔い予防に効くのか
(19) やせる目的には経済的でない「カテキン」
(20) 「グルコサミン」で関節痛が和らぐか
(21) 漠然とした健康イメージで売る「ローヤルゼリー」
(22) 魔法のことば「抗酸化作用」
(23) 「天然物」なら安全なのか
(24) 危ない広告から逃げる道

参考文献:健康食品を売る有名企業にお勤めの著者が暴露する 

窓際OL トホホな朝ウフフの夜
斎藤 由香:著

祖父・斎藤茂吉、父・北杜夫。文学者の家庭に生まれ育ったお嬢様が、何の因果か精力剤(マカ)をを売るハメに!自称「窓際OL」のハチャメチャな会社生活と斎藤家のこころ温まる思い出を綴った待望の1冊。
http://www.amazon.co.jp/gp/product/4104678015/503-8557077-3855109?v=glance&n=465392

 内容は面白いエッセイですが、万年4位のビールメーカーが何とかやってこられるのも、健康食品の急成長のおかげかもしれません(その前はお荷物だったという話だが)


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