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浜の真砂は尽きるとも・・・ [医療ビジネス]



「必ずやせる」…押切もえさんらCM起用のエステに一部業務停止


産経イザ!2008/03/24



  「必ずやせる」などと誤解を招く勧誘や、うその説明で若者らに高額の契約をさせていたとして、東京都は24日、特定商取引法に基づきエステティックサロン大手「ラ・パルレ」(東京)に、25日から3カ月間、新規契約など業務の一部停止を命じた。
都によると、同社は「必ずやせる」「にきびは完ぺきに治る」などと勧誘。「無料エステを体験したら、契約しなければならない」とうその説明をし、支払いが困難な学生らに高額契約を結ばせていた。
同社は全国で98店舗を展開。CMに押切もえさんら有名タレントを起用している。同社をめぐっては、15年度以降、都に220件の苦情や相談があった。

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 このニュースを見て「石川や 浜の真砂は 尽きるとも 世に盗人の 種は尽きまじ」という石川五右衛門の辞世の句を思い出しました。ちなみにこの会社は「上場企業」だというのがウリだったように思います。



あと、このついでに・・・明日は「この業界」にも問題があることを指摘しておきます。まぁ、エステ業界も美容医療業界も、悩みを持つ人の心の隙間を埋めるような商売です。必ずしもすべてが悪質だとは言いませんが、「行き過ぎ」があれば、結果として間違いなく市場から撤退が求められたり、自主規制を行うようになります。

ぽち

  なかのひと


ちなみにイギリスでは・・・「ディスカウント作戦で加熱する美容医療業界」ですし、アメリカでは・・・「美容形成の件数が10年で5.5倍に」



ということで、しばらく美容形成外科のブームは続くと見ています。誰だって「若さ」を保ち、「長寿」を望む・・・しかし難しいですね。



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美容医療:クレジット被害相次ぐ 弁護士ら電話相談実施へ



毎日新聞 2008年3月24日 11時18分



脱毛や豊胸手術などで、医療機関に不当なクレジット契約を結ばされたとするトラブルが相次いでいる。割賦販売法は、商品やサービスに欠陥があった場合に、信販会社への顧客の代金不払いを認めているが、医療行為は対象外なのが背景にあるようだ。弁護士らは25日に初の専用電話「高額美容医療被害110番」を実施する。



「11万円との広告で包茎手術を頼んだが、手術時に『170~180万円かかる』と言われ、既にクレジット契約書が用意されていた」「8万5000円との宣伝を見て診療所で二重まぶたの手術を相談すると、2時間説得され270万円で契約、術後、まぶたが腫れた」--。



第二東京弁護士会の消費者相談には、こうした医療ローンの相談電話が月1~2本かかる。同様の電話が医療相談の窓口にも寄せられるという。国民生活センターによると、美容医療に関する苦情・相談は06年度に1253件で、3年間で1.4倍に増加。契約・解約絡みは、全体の8割近くを占めた。



割賦販売法は、信販会社への代金不払いを認める美容関係サービスについて「皮膚を美化し、体型を整え、体重を減らす施術」とする。しかし、「医師による美容医療は該当しない」というのが経済産業省の見解だ。



政府は対象指定を撤廃する改正法案を今国会に提出しているが、同弁護士会の五十嵐潤クレラサ部会長は「改正前に、業者が駆け込みで契約を取ろうとしている」と注意を呼びかける。



同弁護士会の相談電話は03・5512・3321。午後4~8時で、4月3日には東京・霞が関の弁護士会館で面接相談にも応じる。【清水健二】

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日本の保険会社も儲けすぎ? [医療ビジネス]

 アメリカの保険会社の値上げについて載せた翌日、日経新聞に「医療保険の「原価」初公表」という記事が載っていました。

 

医療保険の「原価」初公表 -大手生保4社は30%台-

日本経済新聞2007/09/18

 

 生命保険会社の販売する医療保険で、保険料に対する保険金支払いの比率が三割前後であることが割った。生保各社が今夏にまとめたディスクロージャー誌で初めて明らかにした。

 この比率は医療保険の「原価」を示す。年度中に支払った保険金や給付金を保険料収入で割った数値で、「発生率」と呼ばれる。金融庁が2006年度からの開示を求めていた。開示対象は医療保険、がん保険など「第三分野」の商品だ。

 日本、第一、住友、明治安田の大手4社の発生率は31.8~38.3%。大手は死亡保険に付いた満期のある医療特約がが中心だ。死ぬまで保障が続く終身型の医療保険が中心の外資系はアフラックが22.9%、アリコジャパンが20.7%。終身は契約当初に多めに保険料をとるため数値が低くなる。

 一部の専門家からは「保険料を取りすぎではないか」との指摘が出ている。大手生保が医療保険の保険料を算出するのに使う入院などのデータは1980年代初頭の数値とされる。「当初より入院日数が短くなり入院給付金の支払いも減っているのに保険料を多めに取っている」(保険数理の専門家)という。

 これに対して生保側は「新商品を開発するたびに保険料算出の妥当性を見直している」と反論する。保険料の一部が将来の保険金支払いに備えた「準備金」に回っている面もあるという。

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  まさに、「よ~く考えよ~お金は大事だよ~」の世界ですね。民間保険会社にとってみれば、入院などで支払いが必要となることは、支出なのです。そういう意味で、アメリカ式医療保険の未来の萌芽がここに芽生えつつあるのかもしれません。

 自分ですか?とりあえず医療保険は入ってませんが、アニコムなんかを考えています。いえ、まぁ家族といったら…一応家族なんで。

ぽち 
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[連休スペシャル]病院経営セミナー(3) [医療ビジネス]

 長くなってしまいました。もう少しコンパクトにまとめるつもりが、3時間分あるのでまとめ方が下手なのもあって、長いレポートですが、残りなのでさらっとします。  

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6.小児医療の充実

-小児病棟の経営実態分析、平日準夜間診療の協力- 

 ます、小児診療部門の赤字体質については小児科の全体の問題で、病院の持ち出しになるということを、聖路加としてどのように取り組んできたか?という話でした。

 まず、慢性的な赤字体質であるのを社会保険旬報に1995年に「小児病棟原価構成と診療報酬に関する一考察」という研究報告を日野原先生とともに投稿したそうです。

 

 その考察として「小児病棟原価構成と診療報酬制度の設定には大きな乖離がある」「1日あたり2800点程度の小児病棟入院医療管理料(仮称)のような新しい診療報酬の設定が必要」と提言されたそうです。

 

 これがきっかけになったのか、2000年4月に「小児入院医療管理料」の新設を見たそうです。

 さらにこの管理料の制限があった平均在院日数14日という制限についても、2003年の日本病院学会での報告を行い、翌年春から21日に延長となったそうで、これらの算定変更に聖路加は戦略的に取り組んだとのことです。

 もちろん、医療コスト計算などのしっかりとしたデータの積み上げが必要ですし、今もって、赤字とのことですが、これで入院単価1日あたり1.3万円の赤字が、6000円まで減少するなど、小児医療点数の改定が、病院経営の改善に役立っているようです。

 単なる切捨てより、このような形での取り組みはいいことだと思いました。

 また、聖路加タワーに移った予防医療センターの跡地(1F)に「小児総合医療センター」を設け、乳児検診を昼間に行い、「中央区」で、マンションの新設ブームで人口急増に対応して、小児医療を充実させたいという自治体からの申し出で助成金をもらって、「小児総合医療センター」を準夜間に開き、地元の医師会にも声をかけ、診療に当たりたいという小児科開業医の先生方にも診療に入ってもらい、地域医療にも貢献しているそうです。

 

 このように総合病院でありながら、特徴を出すことで、マンパワーが集まっているそうです。520床に260名の医師が現在いるそうです。もちろん、中には「無給」でいいから働きたいという先生もお見えだそうで、よく調べると非常に優秀な先生で、断らずに働いてもらって、その先生にはお休みの日に他の病院のアルバイトをしながら、研修をしたり…ということを通して人的にも不足感がないようでした。

 

7.有料老人マンションの松・竹・梅

 これは、松が聖路加レジデンスで、入居率94%で、クリニック併設の120-140平米の面積の終身利用権が2-4億円とのことでした。

 竹はサンシティなどで7000万円コース。梅は900万円から2000万円の間でさまざまだそうで、中にはビジネスホテルの廃業後の業態転換もあるそうです。

8.パートナーズクリニックのバックオフィスサービス

 これは、聖路加OBの先生方と本院の間での契約だそうで、本院の外来を週1日担当してもらったり、逆に医材の共同購入、診療報酬明細書の作成サービスなどを1年毎の契約で、病院と開業医との連携をあげる(系列化というと地元の医師会は非常に怒るそうです)のに効果をあげているようです。

9.あきらめない患者と医師のいるクリニック開設

 -ニューオータニホテルに開設する蓮見クリニック-

 これは、蓮見ワクチンの蓮見先生の息子さんがアメリカから帰国して10/2に新しいクリニックを開業されるそうです。お手伝いとおっしゃってましたが、興味があるならば、ご連絡くださいというお話でした。

10.手術機材のセット化とファミリーレストラン

 今、手術の機材については、ホギメディカルと組んでコスト削減に取り組んでいるそうですが、今のところ従来の中央機材室を使った方が安くあがるのですが、今後、提携しているクリニックや病院との機材共同化で、機材セットをホギメディカルで、その他のカスタマイズを本院で行っても、コストが同等になった場合、中央機材室を他の施設に転用することを考えているとのことでした。

 

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 この事務長さんが言うように医療機関の経営は戦略的に行う必要があります。

 古くなったから、新しく機械を更新する、新しい建物を建てる・・・これらは経営を悪化させる可能性があるだけに、きちんと採算分岐点を検証して行う、経営資源をどこに使うかをきちんと経営責任をもって行う必要があります。

 いずれにせよ、こういうノウハウなく、先代の事務長や院長が決めたから…と続けると結局、病院はアウトだと思いました。

 長くなってしまい。申し訳ありませんでした。どれくらい「内容」がためになるかは不明ですが、1000円でこの講義は本当にタメになりました。ありがとうございました。

 

 講演をしてくださいました、中村さんとあとでご挨拶しましたが、「日本にはきちんとした事務長さんがまだ少ない」と言っていたのが気になりました。

 そろそろ、こういう人材を育てるコースが必要じゃありませんかね?医療経営マネージメントコース。看護師さんや診療部長を副院長や院長に据える前に、そういう勉強をしてもらうのは必要な時代に入ったと思いました。

 今や、お産は戦争直後のように一人の女性が5人も6人も生む時代ではありません、多少お金を頂いても「記念」になるようなサービスを行う。そのためには、しっかりと設備投資を行い、患者さんにきちんとしたサービスを提供すれば自由診療であるだけに、しっかりペイするということがわかり、良かったです。

 

 そして、医療経営には「情報」も必要です。厚生労働省の方針が出ると、慌ててバスに乗遅れるな!といわんばかりに、どどっと駆け込むのは多いパターンですが、厳しい時代です。DPC病院でも今後の流れからすると、二極化が言われています。先を見通すことは難しいのですが、情報を定期的にアップデートし、きちんと病院も企業と同じでガバナンスを確立しなければなりません。ぽち 
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[連休スペシャル]病院経営セミナー(2) [医療ビジネス]

 お待たせしました。聖路加病院、名物事務長さんの「病院経営セミナー」第二弾となります。

 はっきりいって文字が多いし、経営なんざ関係ないよん♪という先生方は幸せです。逆に「赤字対策」に奔走されている先生方にとって参考になるようなものがありましたら幸いです。

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4. 聖路加国際病院の予防医療センターの年間28億5千万円の売り上げ戦略-日、韓、台プロジェクト-

 さてと、保険外収入というと、ドックなどに力を入れているというと「うちでもやってますよ」という先生が多いかもしれません。もちろん、普通の検診センターでは、日帰り、一泊2日ドックも やっていますよね。

 ここは東京です。同じような病院が同じような価格で責め合っています。虎ノ門だとか有名病院同士でガチンコ、聖路加病院にもきちんと売り込みをかけるべく、セールスを手がける営業さんが複数いるそうですが、発注をかける健保側も、他の病院と見積もりをとって「お宅の検査項目、○×病院とまったく一緒ですよね、なのに、3000円高いのは何故?」とか突っ込まれるそうです。

 

 こうなると、数をこなしても価格競争になってしまうそうです。そうならないために、聖路加タワーを借りて「予防医療センター」を開設したそうです。家賃が年間2.5億円だそうですが、しっかりとペイするそうです。 

 さらにメニューを1泊2日ドックだけではなく、重役向けなどのために2泊3日ドック、1週間ドックなども用意し差別化を図り増収につとめておられます。価格表見たら目をむきますが・・・汗。

http://www.luke.or.jp/dock/pay.html

 

 実は「日本、韓国、台湾」プロジェクトですが、この予防医療センターのためには、台湾の方のノウハウがつまっているそうで、すごい設計図だって見せたくないんだっておっしゃってました。

 台湾の事業とジョイントして見事に完成したドックセンター、年間28億円もの年商で、しかも4ヶ月待ちだそうで、見事です。そしたら、熊本日赤の方がすごいんだ、あっちは30億円だよってました。上には上がいるんですね。

 

5.産婦人科外来と女性総合診療部

 

 さて、「お産」についてです。聖路加病院はブランド病院の名にふさわしい設備を備えています。もう研修医の時代からずいぶん経ってしまっているので、自分は隔世の感ですが。

 聖路加の秘密兵器、それは一室で「LDR」という設備で、陣痛~分娩~回復までを担うように出来上がっているため、家族が一緒に付き添ったり、移動も不要となっています。宮内庁の偉い方も視察にきて、床の材質まで聞いていかれたそうで、事務長さんもぜひ聖路加病院でお世継ぎを・・・と期待していたそうですが、恩賜財団母子愛育会総合母子保健センター愛育病院でお生まれになってしまいました…と裏話もされていました。

 

 LDRシステムについてはこちらを参照ください。

産婦人科の「LDRシステム」

自宅分娩の雰囲気で安全に出産
-居間、寝室も兼ねる-

 LDRシステムは米国で生まれた。日本でいち早く導入した聖路加国際病院(東京都)産婦人科の伊藤博之名誉医長は、「自宅分娩の雰囲気で、母子共に安全に出産できるシステムです」と説明する。
 

 このLDRを7床も聖路加病院は完備しているそうです。

さて、その様子についてはちょっと古いですが、データも含めて・・・概要はこちらに。

http://www.web-reborn.com/saninjoho/sanin/tokyomedical/luke.html

 

 うーん。確かにすばらしいですね。そしてお値段も正常分娩の分娩費約¥80万(入院日数…初産7日間、経産6日間、帝王切開10日間)。

 まさに「セレブ気分」たっぷり浸れるというか、昔のように5人も6人も産む時代じゃないだけに、一回のお産にかける費用を勘案すればペイすると考えるご家族が多いのか、年間分娩数も昔は720例/年だったのが、今は1000例/年を越えるそうです。

 また外来スペースの見直しを通して、婦人科外来の独立、ならびに不妊外来の新設(部長先生をTノ門病院からヘッドハントしたそうです)し、外来部門も「女性総合診療部」として整え、患者さんへのサービス向上につとめているそうです。

 

 そうそう、ついでに理想的な自然なお産を勧めるという「吉村医院」のデータもありました、それはこちらを参照ください。

http://www.web-reborn.com/saninjoho/sanin/aichi/yosimura.html

 

 個人的には日本民家が素敵ですっ☆まぁ、どっちがいいかは任せましょう。もちろん、キラーパスとなって2%ほどの方が周辺の病院で危険な橋を渡っているとしても残りの98%は自然分娩ですから、いい成績ですよ(あくまで緊急輸送になった妊婦さんを除くと…ですがね)。

 

 ついでに、例の理事長の解任騒ぎで産科医がゼロになりかけた北海道の天使病院はこちら↓。

http://www.web-reborn.com/saninjoho/sanin/hokkaidou/tenshi.html

 

 そういえば、こんなニュースがありました。

 

大垣市民病院:来春から分娩費値上げ 民間との料金差縮小 /岐阜
毎日新聞 2007/09/13

 大垣市民病院は12日、分娩費を来年4月から5万円引き上げ、13万円にすることを明らかにした。 93年から分娩費が据え置かれており、市内の民間産婦人科との料金差を縮める。年間1000万円の増収を見込む。 この日の市議会委員会で報告された。
 同病院には現在、7人の産科医と25ベッドで対応。同病院によると、同病院で普通分娩し7日間入院すると、現在は分娩費8万円や新生児の入院料、汚物処理量などを含めて28万3005円になる。だが市内の民間産院で出産すると、平均39万4000円という。引き上げで、同病院は34万1025円になる。【子林光和】  

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 えっと「二倍」くらい出してもいいという妊婦さんがいっぱいで受け入れ制限しても十分に黒字の聖路加。かたや地域の住民のために一生懸命働いてもすごく安い自治体病院。もう差がついちゃってません?汗

閑話休題。

 いずれにせよ、「お産」をきちんと診る、そのかわりにお代はしっかり頂くというのはビジネスとして当たり前と言えば当たり前です。

 また、そのための設備投資も惜しむこともせず、そのかわり採算分岐点を越えるだけの症例数を必ずクリアすることを課すそうです。ぽち 
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[連休スペシャル]病院経営セミナー(1) [医療ビジネス]

 かつて、「米軍極東中央病院」と呼ばれた病院があります。
 どこそれ?と言われるかもしれませんが、今から60年ほど前、アメリカの進駐軍に接収されていた、時代そう呼ばれていたようです。今の名前は「聖路加国際病院」といいます。

 実は、自分もこの病院のホームページは初めてみました。

http://www.luke.or.jp/ 

 仕事とは直接関係はないセミナーとか講演会に行くのが好きな自分ですが、この医療経営セミナー、なかなかよかったです。

 まぁ、「あそこはブランド病院だから…」って素直に思いながら関係ないやというのが普通の先生方の反応だと思います。でも、院長先生が出席するこういう経営セミナーで3万とか5万円出すよりは安くあがります。

 

 一部を再現できるといいなと思いながら、なかなか時間がなくて、まとめることができずにすみませんでした。とりあえず、講演の内容についてはこちらをご覧ください。

 

エキブロ ひげ坊主の会

 

◆講演タイトル:「医療経営の課題と今後の保健・医療・福祉の関連ビジネス
◆講師:聖路加国際病院 前事務管理部長 中村彰吾 氏 

◆講演概略:
1.17年間で1,204件の病院が廃院 〜その原因を探る〜
2.医療費の総額管理の事例 〜透析患者の現状と将来をみる〜
3.急性期病院の生き残る三条件
4.聖路加国際病院の予防医療センターの年間28億5千万円の売り上げ戦略

  〜日・韓・台プロジェクト〜
5.産婦人科外来と女性総合診療部 〜自費診療の産科の充実と、婦人科外来の独立、不妊外来の新設〜
6.小児医療の充実〜小児病棟の経営実態分析、平日準夜間診療の協力
7.有料老人マンションの松・竹・梅
8.パートナーズクリニックのバックオフィスサービス
9.あきらめない患者と医師のいるクリニック開設 〜ニューオータニホテル
に開設する蓮見クリニック〜
10.手術機材のセット化とファミリーレストラン
11.公設・公営から公設・民営 〜空床病棟をグループホームに転換〜

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 とても内容がありました。というか、こういうセミナーがたった1000円で聞けたことに感動しました。あとで懇親会がありましたが、予定があったため、出席できませんでした。

 ちょっと一回ではおさまりそうもないので、第一回ということで。 1~3くらいまでにしましょうか。  

 

1.17年間で1,204件の病院が廃院 〜その原因を探る〜

 最初に、上に示したようなグラフが提示されました。もう、病院の数のピークは過ぎています。

 

 医療費削減の中、都市部では病院の生存競争は過酷です。話をうかがうまでは、聖路加病院のようにブランド病院なら大丈夫では…と思いましたが、ご近所に国立がんセンター、癌研有明病院が立地しており、ブランド病院同士の競争の様相です。

 

 ちなみにアメリカは人口が日本の二倍以上あるけど6000病院しかありません。中村さんによれば、日本ではこれからまだまだ減って、8000病院くらいで落ち着くのではないでしょうか?とのことでした(老人向けの介護施設などになるといわれていました)。

 

  ここで病院経営のキーワードをいくつか紹介してもらったので、早速、列記させていただきます。

 

 21世紀の医療トレンドをしめすキーワード

 

 1.高齢少子化社会 2025年には30%が高齢者になり、マンパワーの減少

 2.低成長の経済 医療費抑制、個人負担増加

 3.社会の成熟化 医療ニーズは多様化、複雑化し、患者が選択する時代へ

 4.情報化 電子カルテなどIT化が進み、権利意識の向上

 5.国際化 医療従事者の国際化(フィリピンやインドネシアから看護師がくる時代に)

 

 そして、倒産キーワードとしては

 

 1.医師・看護師不足

 

 2.医療費抑制(来年の改定)

 

 3.戦略の欠如(絞り込み不足)

 

 4.人事・賃金制度

 

 でした。特にこの中で、医師看護師不足は7:1の看護体制の導入もあり、きちんとした対応が求められています。しかし、今も大学病院が新人看護師の募集を大量に行っているように、どうも遅れているようです。

 これに対して、聖路加では専門看護師の育成コース17種類と充実で、来年度の看護師募集に対して800人のすでに志願者が来ているなど、ここにいたって言えば、人手不足とは無縁なようです。

 

2.医療費の総額管理の事例 〜透析患者の現状と将来をみる〜

 

 現在、日本の医療費のうち、約1兆円を透析患者さんが使用しています。これは日本の人口のわずか0.2%が、医療費の3%を使用していることになります。厚生労働省は、増え続ける透析医療の費用を削減するために、透析時間の長短に関係なく低く抑える総額抑制を行ってきました。

 2002年の診療材料費の切り下げ

 2006年の改定も診療材料の切り下げが予定されていることを、聖路加病院では事前にこの動きを察知し、透析の点数切り下げを勘案して、51床あった透析ベッドを40床へ削減し、そのあまったマンパワーを病棟にあげることで、7:1看護体制をとったそうです。そのため、毎月2500万円増収となったそうです。

 

3.急性期病院の生き残る三条件

 といわれても、たいていの院長先生や事務長さんはご存知でしょうね。

 ・DPC対象病院(2006年7月~)

 ・7:1看護体制(2006年4月~)

 ・ 保険外収入の確保[日帰りドッグ・入院ドッグ、分娩など]

 

 本当はここに「地域医療支援病院」があって、保険外収入を除いて、三種の神器だとおっしゃってましたが、どれをとっても今や急性期病院のためには、必須条件だと思われます。

 現在、DPCの調整係数は1.2194という上から27番目という非常に恵まれており、このため毎月3500万円増収という話でした。

 ただ、最後に質問しましたが、DPC病院も数が増えてきたため、来年以降の改定では、診療報酬は2階建てになるであろうとのことでした。

 特に200床以上の大規模の病院(入院中心)と、200床以下(外来中心)の病院とでは診療報酬の体系が分けられる可能性があり、また再入院率の高い病院についても、在院日数のリセットについても厳しくなるであろうという見通しでした。

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 とりあえず、1/3くらいになりました。長くなりますので明日この続きは掲載させていただきます。というか、最後まで読んで頂けただけでもうれしいです。ぽち 
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行政の怠慢]ディプロマミルと民間療法の怪しさ [医療ビジネス]

 ちょっと前に[ディプロマミルに完敗]ブログランキングで、「ディプロマミル(学位商法)」による偽学者の悪質な民間療法について、書きしました。

 

 その後は、ブログのランキングの上位にある医師のみなさまのおかげで、ランキング一覧すると、すばらしいことになっています。見ていただきましょうか?ぽち 

 

 また、「新小児科医のつぶやき」のYosyan先生のように「2007-09-09 医師としては許せぬブログ」という風に、非常にわかりやすく説明してくださった先生もおみえになり、さらにコメント欄には実際に健康被害にあわれた患者さんまでみえるようです。

 

> おとにゃん関東の小児腫瘍内科医です.私も自然医学総合研究所に患者を盗られたことがあります.患者さまはかなり具合が悪くなってから、当院に駆け込んできましたが、もっと状態がいいときに手放してくれればと悔しい思いをしたことがあります.しかし親御さんもまったく後悔していなくてステルベンのムンテラの時腹が立ったのを思い出しました.今から5年ほど前のことです.』

 

 という具合に実際に「健康被害」が出現しているのです。

 

 

 我々としてはこの問題にマスコミがあまり熱心に取り上げない(「たらい回し」報道がダイスキな産経新聞を除く)件については謎があります。きっと、新聞広告の何分の一かは「バイブル本」だったり、怪しい健康食品のスポンサーがお金を出しているからでしょうね。

<産経新聞の「学位商法」について報道> 

聖心女子大教授がDM博士号 調査委設置 早大元教授も

大学教員採用でのDM学位使用調査へ 文科省

“ニセ学位”販売横行 文科省が「安全リスト」作成へ

DM問題を追及 静岡県立大・小島教授が本出版  

 小島教授の本については存じ上げなかったのですがこの中で… 

>DMはなぜなくならないのか

> 「日本ではDMを取り締まる法律がなく、関連法の運用も甘い。早急に対策を立て、日本は『DM天国』の汚名を返上すべきだ」 

 

東京社会部遊軍~編集局の「なんでも屋」のブログによれば「朝日」も「毎日」 もようやく取り上げだしたようです。

 

福島大教授、経歴に記載

熊本大教授/非正規学位HPなどで掲載

 

 マスコミの医療報道については「間違った報道に対しては自分なりに指摘」してきました。商売ベースになるような見出しで記事を書くのは仕方ありません。

 また広告も健全なものであれば、社会で困っている人のために宣伝のお手伝いするのは大いに結構です。

 

 しかし、巷にはびこる「健康食品」「自然なんたら」にはマガイモノが多いです。彼らは「詐欺師」という本性隠すために、名誉博士号など詐称するべく、このディプロマミルから「博士号」を購入して名刺に刷り込むんです。

 

 「バイブル本」の時は、毎週のように一面の一番下にずらっと健康食品系の広告が並び、広告料金でマスコミは潤う。

 さて、そのお金はさてどこから?きっと病気に苛まされている患者さんやそのご家族からですよ。

 

 下にあるように、某新聞社が年間いくらの原稿料を支払い…あるいは広告料を受け取っているかは知りませんが、「怪しい業者」をきちんと見分ける力が欲しいところですね。

http://www.nrt.ne.jp/chukei-kiji.html

 

 さて、悪質な民間療法の実態と政府の取り締まりについては、こちらが詳しいです。

指整堂:アンチ民間療法な人の健康情報&検証

 さらにディプロマミルが怪しい実態なのは、下記のようなお手紙を「学位や権威が金を出しても欲しい」人向けに差出していることから明らかです。この件については、下記を参照していただければ幸いです。

 

http://tenbwl.livedoor.biz/archives/50142854.html

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社会人起用:「教授」「名誉教授」登録のご案内

謹啓 時下、ますますご清栄のことと、衷心より、お慶び申し上げる次第で御座居ます。本学は、アメリカ合衆国ハワイ州に本籍を置き、全米免税特権を取得している21世紀型の新しい独自システムに基づく国際総合大学で御座居ます。

 さて、このたびのご案内は、現在、各業界の企業経営をされ、そのトップに立たれる経営管理職にある方々等を対象とさせて頂きまして、その御専門分野(たとえば、経営学、情報工学、芸術学など)をさらにご発展させて頂くため、ご希望される方には、本学におけます「教授(Professor)]として、ご登録をさせて頂いて居ります。

 本学の担当推薦委員によります推薦に基づき、毎年、下記要領にて、申請方式にて取らせて頂いて居りますが、これは、強い社会的要請に基づいて始められたことで御座居ます。

 また、本趣意と致しましては、「教授」または、「名誉教授」としての社会的地位・信用のもとで、経営管理職にある方々等と本学双方とのより一層の発展を期することに御座居ます。

 本学教授会の承認を経まして、「教授」または、「名誉教授」資格証を送らせて頂くこととなりますが、本学におけます学術研究・教育・産学協同方針に基づきます産業関連研究およびその実践へのご理解と御支援・御協力をお願い致す次第で御座居ます。

 末筆ながら、貴台様のさらなる御清栄と御健康を、心より、祈願申し上げる次第で御座居ます。
   謹白



1.申請の方法:所定の申請書に必要事項をご記入の上、御返送下さい。
  ※FAX申請でも結構です。(この場合、お写真は後日御郵送下さい。)
2.「教授」資格:1年毎の更新制(資格有効期限:申請月の翌月1日より1年間)
  「名誉教授」資格:1年毎の更新制(資格有効期限:申請月の翌月1日より1年間)
3.御登録料 「教授」 年10万円(納期:申請月の末日までにお願い致します。)
       「名誉教授」 年20万円(納期:申請月の末日までにお願い致します。)
  <後納付先>東京三菱銀行 ○○支店 普通口座○○○○○○○ 講座名義 ○○○○
4.一年毎更新制 (資格の返還時には、東京本部学術部まで御一報下さいませ。)
  ※5年間連続の御納入完了後、上記の資格は、教授会承認の上、永久に有効となります。
5.特典:同時に、本学名誉学会会員として登録され、研究発表、並びに、本学紀要
  ”Journal of IOND University Japan”への論文掲載の機会が与えられます。
6.申請承認直後、直ぐに学生をもつことは難しいですが、学生を自己募集し、その学生が本学入学後、講義をもって頂くことは可能です(単科履修有り)。
7.お名刺の中に、本学教授などの肩書きを記載されることは、一向に構いません。

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 この通りである。イオンド大学は「学位」をお金で売る、非常に卑しい商売である。

 ディプロマミルとしては国際学士院大学(IAD)、イオンド大学が二大巨頭です。他にもいっぱいあります。彼らの悪質な商売ぶり、攻撃しかけるサイトへの弾圧ぶり(訴訟も含まれます)について知りたければ、下記の本をご参考ください。

グーグル八分とは何か 
著:吉本 敏洋
出版社/著者からの内容紹介
グーグル八分(Google八分)とは、公正中立と思われているGoogleの検索結果から、特定のホームページが意図的に削除されていることをいいます。削除は、企業や政治家などの「社会権力」からの要請に従い、Googleが一方的に行うものです。

 ネットによって、市民が自由に表現を行える場が出来たと考えられていますが、権力を持つ側にとって都合の悪い事実は、検索によって見つからないよう、密かに隠蔽されています。この本は、その事実を書いた日本初の書籍です。
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 ちなみに、自分はある講演会で「アガリスク屋」さんと結託していた元慶応大学助教授とお会いしたことがあります。とても紳士的にお見受けしました。しかし、アガリスク事件で警察の事情聴取や書類送検でお世話になったのにもかかわらず、相変わらず「IAD(国際学士院大学)の名誉教授」の名刺をくださいましたよ。
 ついでに、聖路加病院のH先生との対談まで載ったあやしげな健康パンフレットまでもくださいました・・・。世間で超有名な医師でさえこの始末。
 くれぐれも名誉なんたら博士には気をつけましょう。万が一薬事法とか医師法でひっかかれば、自分の名誉も信用も全て奪われます。
 ある先生がこんなことを書いていました。
 「この世の中には「病人の布団を剥す」イカサマ師や、財布を狙う詐欺師の徒輩が、跋扈する危険もあると思う。実社会に於いて、病院患者リストが高額で取引される訳は、宿痾に悩む者が最も騙しやすく、容易く金を毟り取れるカモだからだ。
 詐欺師・イカサマ師の類が あなたのそばにもかならず居る。性悪の連中は慇懃な文章、親切な言葉で あなた方に近付いてくる。相手はプロだ。
 あなたの心の隙間に入り込むのは容易い。入り込まれたが最後、騙され毟られ、あなたは無一文になることだろう。 いや生かさず殺さず、ゆっくり血を吸われるやも知れぬ。

 「嘘吐きだけが真実を語り得る」 ニーチェ
 「悪党にバッヂはない」 福田恒存 

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 我々は、こんな「善意」を装って、本当に効くという証拠も明示しないで、患者さんからお金を取ろうという悪質な偽学位をもった詐欺師から、患者さんを守らねばならない。そして厚生労働省やマスコミも監視を緩めず、「被害者」を少なくするために、きちんと取り締まってほしいと考えている。

ぽち 

 

PS:「らああめん花月」と「グロービートジャパン」、そして「インド大学」について詳しく知りたければ、下記のリンクを参照ください。

イオンド大学の学位商法


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[ビリーもびっくり]メタボビジネス勃興 [医療ビジネス]

 今回はスペシャルです。あの、ビリーさんが登場です!

 

じゃーん!?

  いないぢゃん。えぇ、最後までお読みください…じらすような中身ぢゃありませんが、いつもの東京日和です。

メタボ市場拡大!健診・指導で最大2800億円  

産経新聞2007/07/02

 生活習慣病を予防するために平成20年度から始まる「特定健康診査」と「特定保健指導」で、新たに最大2800億円超の医療市場が生まれることが、日本政策投資銀行の分析でわかった。
 特定健診・保健指導は、国のメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)対策の柱として、企業の健康保険組合や国民健康保険を運営する市区町村などに採用が義務づけられる。健診、指導費はかかるものの、医療費の3分の1を占める糖尿病など生活習慣病を予防して、結果的に、将来の医療費を抑制する取り組みだ。政投銀は「経営難の医療機関が収益態勢を改善するチャンスにもなる」と注目しており、この分野に参入を検討する病院などへの支援を強化していく方針だ。
 特定健診は、腹囲測定と血液検査を40~74歳の被保険者と被扶養者(計約5600万人)に実施するもの。現在はメニューにない健診もある。
 政投銀は、健保組合などが新たに支払う健診費用について、厚生労働省の目標健診率(保険別に65~85%)が達成されれば、単価が5000円として年間800億円、9000円なら1400億円に達するとみている。
 特定健診でメタボやその予備軍と判定されると、面接や食事、運動のアドバイスといった特定保健指導を程度に応じて最長6カ月間受ける。この指導料の単価は、軽度の「動機づけ支援」で7000~1万2000円、重度の「積極的支援」では3万~6万円と推定し、対象者(約946万人)の45%(厚労省目標)に実施した場合、総額で年間730億~1411億円になると推計している。
 近年、多くの医療機関が設備投資の増加と診療報酬の引き下げなどにより、厳しい経営を強いられている。
 一方、政投銀は国の医療政策が予防を重視する中、医療機関が特定健診・保健指導の実施に向けたメタボ対策の施設づくりや計測器、分析システムの導入など新規の設備投資にどう取り組むかを注視。来年以降の民営化に向けて、三菱商事と共同で病院再生ファンドを立ち上げるなど、病院などへの融資態勢を強化している。

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 何だか、新しい診療報酬は、医療業界外からも狙われているようです。もちろん、国民の健康のために、いろんな働きかけもいいでしょう・・・しかし、国民から集めた保険料を用いて行うのであれば、やっぱり生活基盤でもある病院の経営をサポートするような仕組みだといいですね。

 ビジネスチャンスというか、医療業界外は、おそらくこういう場面で「勝ち逃げ」るために、鳴り物入りで乗り込んできますが、勝ち目がないとなると、あっという間に逃げてしまいます。その辺を考えると、あんまり本格的にビジネスにしてもらうのも考え物?ですね。ちなみに大和総研のリサーチペーパーによれば 

「メタボリックシンドロームと予防対策の成否」  

定義が曖昧な“メタボリックシンドローム”
・将来の医療費適正化を背景に、2008 年度からメタボリックシンドローム(代謝症候群or 内臓脂肪症候群)に着目した予防活動(特定健診と特定保健指導)が、健康保険組合等の保険者に義務づけられることになった。対象は40~74 歳までの被保険者および被扶養者。各保
険者は実施状況等の目標を設定し、未達の場合には罰則が設けられている。
・予防活動が成功するためには、国民の疾病・予防に関する知識の習得とインセンティブの付与が不可欠であるが、個人に対するインセンティブが弱いことから、目標未達となる可能性が高い。
・肥満と同じく人体に悪影響を与え、その対策が確立されているにもかかわらず、喫煙対策を予防活動の対象から除外したのは片手落ちといえよう。
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 とあります。指導が成功しないと、罰則ですか・・・さて誰にでしょう?また、メタボリックの対象となう患者さんの数も欧米に比較すると少ないため、「義務化してまで予防対策を講ずる必要性があるのか」とあるように、対策費がかかる割には、回収できるほど医療費削減になるかは、これからの研究次第です。そういう意味では壮大な実験です。成功するかどうか?きちんと検証していただきたいものです。
ぽち→ 

 最後に、友達が参加したというイベントについて、サイトをご紹介…。えぇ。マジにやりやがりました、奴は。ビリーに会うためにゴールデンウィークも毎日欠かさず、あのDVDをやったそうです。久しぶりに会ったら、筋肉質になってまして、ふっくらしてた顔のラインがシャープに。負けられませんっ!さて、誰かDVD要らなくなった人いないかなぁ・・・こんなんじゃ、この夏もきっとメタボからの脱出ダメですね。さて、先日のフィーバーぶりは、こちらを拝見すると、すんごいものを感じずには居られません。もっと暖かく見守ってほしいですね>メタボ対策も。
http://kuchikomi.nifty.com/diet/special/bootcamp_r1.jsp


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[オリックスの野望と躓き]PFI病院について [医療ビジネス]

 今週号(7/29号)の週刊東洋経済(おおよそ医者が読むにはふさわしくないですね…すみません)の特集「オリックスの躓き」のなかで、個別検証1として『日本初「PFI病院」で露呈した”未熟な関係”』が特集されていました。

 内容は高知県の県立と市立病院の統合して生まれた「高知医療センター」について、材料費が予算を8億円超過していたことに端を発しているようです。2005年度予算で23.4%の材料費の見積もりが、半年経過した時点で実際には29.9%に達し「このままでは2008年度に資金がショートして2億4700万円足らなくなる」との見通しも示唆された。

 このほかにも特別目的会社(オリックスの子会社で病院より業務のアウトソーシングを受ける)との間の連携プレイが上手くできてなかったりで、肝心要の診療報酬の請求漏れが相次いだりと…どうも相当もたついたようです。

 もちろん、一日当たりの入院単価が5万8000円と公募時の4万4800円の見積もりよりも、高度医療の目標を早く達成したとポジティブな評価もありますが…収益が改善しなければ「ホテルのような施設は過大投資。医業収益の2倍近い借金はいずれ返済に支障を来す」という厳しい指摘もされています。

 発足当初は、瀬戸山先生(あの舞鶴市民病院院長、電子カルテで有名な出雲市の県立中央病院院長を経て、高知医療センターの院長)が設立まで奮闘したのですが、どうも体調だけでなく色々と軋轢があって辞任された病院ですが、やはり問題があったようです。

 

 オリックスのような民間会社が利益を求めて、医療に参入する場合、予長期契約で投下した資本(PFI事業契約金額は30年間で2131億円だそうです)以上の利益を回収するのが困難となった時、その場から逃げるようでは困ります、これらは当初より懸念された事ではありますが、今後、しっかりと見守る必要があるかと思われます。 

 

↓瀬戸山先生の辞任について

http://www.kochinews.co.jp/rensai05/05tougou36.htm

↓始動「統合病院-高知医療センターの挑戦-」(高知新聞)

http://www.kochinews.co.jp/rensai05/05tougoufr.htm


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[株式会社病院への批判]は正しいのか? [医療ビジネス]

株式会社病院については二つの意見があるので併記をまずさせて頂きます。 

日本の医療を正しく理解してもらうために 

川崎市立川崎病院  鈴木厚

■ 日本の医療の良さ

 日本の医療は医療機関へのアクセスの良さ,高度な医療と安い医療費,平均寿命の高さと乳児死亡率の低さ,まさに世界がうらやむ高い水準にあります.このことからWHOは日本の医療を世界第一位,アメリカの医療を第37位と評価しました.
 しかし日本政府は世界37位のアメリカの医療の真似をしろというのです.アメリカの医療は国民一人当たり日本の2倍の医療費を使っていますが,政府の考えはアメリカの制度を真似ても,国の金は出さないというのです.4000万人が保険に入っていないアメリカの医療,民間保険会社が病院や治療を牛耳るアメリカの医療のどこがよいのでしょうか.しかし小泉首相の諮問機関である総合規制改革会議の結論はアメリカの医療の導入なのです.
 株式会社の医療への参入を政府は考えています.しかし医療を儲けと結びつけるのは大変危険なことです.会社の社員の生活を考えずに,リストラで儲けを追求する株式会社に,患者の痛みが分かるとは思えません.
 日本の医療が世界最高レベルで値段が安いことは,患者さんにとってよいことです.そのいっぽう,医療機関で働く者にとっては,その労働条件は過酷なものです.医療従事者の我慢と努力によって,世界で最高の医療を達成していると自負しています.医療従事者の多くは奉仕の精神を持ちながら医療の世界に入ってきました.ですから劣悪な労働条件でも耐えているのです.
http://www.fukuyama.hiroshima.med.or.jp/iryou/index.html

株式会社病院への批判は正しいか

 

           広島国際大学 岡部陽二先生のHPより 

(4)株式会社病院に対する批判とその妥当性

 わが国で医療や福祉のような社会的規制の強い分野で株式会社の参入が規制されているのは、次のようなわが国独特の論理に基づいているが、それぞれの論拠につき検証してみたい。

 第一は、株式会社は営利を追求するための組織であるため、暴利をむさぼり、質の悪いサービスを提供する惧れがあるとする主張である。しかしながら、このような企業は消費者の支持が得られずに短期的にはともかく、長期的には市場から追放されている。一方、わが国に残存する株式会社病院や米国の上場病院企業の実績はすでに記述のとおり、むしろ患者のニーズを重視した経営をしており、医療の質においても非営利病院に劣るという証拠はまったく見当たらない。そもそも、医療行為の適切性は経営主体の違いとは無関係であって、医療に従事している病院経営者や医師・看護師など個々人の倫理感の問題であろう。

 第二には、株式会社は利益が得られなければ、市場から安易に撤収するという主張である。利益が得られなければ存続できない点は非営利病院も同様であって、株式会社に特有の弱点とは考えられない。逆にわが国に残存する株式会社病院の過半は赤字経営を続けているが、本業からの支援によって生き延びており、資本力のある株式会社は創業期には赤字覚悟で新規分野への進出を試みるケースが多い。

 第三には、株式会社は儲かる分野のみを手掛けて不採算分野は敬遠するため、救命救急部門などが不可欠な医療には適さないという、いわゆるクリーム・スキミング(よいとこどり)の非難である。これはわが国においては、病院全般にそのまま当てはまる非難である。救命救急医療などは採算性の問題もさることながら、公的病院においても定員制や勤務条件などの硬直性がネックとなっているので、これらの点について柔軟に対応できる株式会社病院が手掛けるのに適しているのではないかとの見方もあり、実験してみる価値があろう。

 

http://www.okabe.org/yoji/yoji_docs/021107Hospitalincorporated.htm

 

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  アメリカの自由と比較すると、日本の場合、診療内容に関しては規制が強かったため、公立私立問わずに、保険がカバーされる範囲でのみ医療が進み、それ以外のサービス内容の充実で立ち後れた可能性があります。

 株式会社病院の場合、営利追求が活動する根本理念であるので、その点、消費者のニーズを的確に捉え、そのためには万難を排しても提供する、ただし利益を求める(保険がカバーできなくても必要とする消費者には価格は提示できる)。

 現状の公立病院などは消費者のニーズにはまだまだ応えられていない、しかも提供するのは当局の規制もありその障壁を突破するには事務的な手続きや保険がカバーできない医療には手を出せない(消費者には価格提示も方法についても未提示)現状。

 

 医療の提供される側を考える時期に来ています。保険診療では限界があるのは、集中医療を行っていると感じる時がありました。保険でめいっぱい使っても不足している。しかし日数も制限されており、それ以上は保険のカバーが難しいとなると患者さんの病状にお構いなく治療はストップ。こういうのが今の健康保険の問題。その枠の中では自由、しかしそれを逸脱すると病院は費用を負担するしかありません。

 

 今後、株式会社の病院は自由化されるかは不明ですが、ファンドが購入資金を出すと、その経営に口を出すようになると思います。が、患者さんのニーズがあるところにはものすごく適切なサービスが充実すると思います。ただ、厚生労働省がまた「規制」をかければ、そういう意味では再構築には時間がかかると思います。

 似たような事例で、外資系保険会社が売り出している「がん保険」や「だれでも入れる保険」などと国がやっている「簡保」の間ではまだ自由競争にはなっていません(民営化が完了してませんし)。自由化が進んだ保険の第三分野でも、完全に自由ではないのです。

 

 日本で戦前に作られた株式会社の病院(トヨタや麻生セメントが作りました)は経営の問題などで少しづつ減ってきていますが、今後は新しい経営形態である可能性があるかもしれません。これらの施設は営利目的で作られてはいません(会社員の健康保持が目的だった)が、保険診療でほとんどカバーされているためか、いまだに消費者サイドから「儲けすぎ」とか「悪徳病院」という声は聞いたことはありません。日本での株式会社病院のあり方は今クローズアップされてもいいかと思います。

 

 もっとも、日本で病院ファンドが買収してどういう経営戦略を練るか、さらに行政の指導で大きく変わると思います。単なる「有料老人ホーム」になってしまうのか?それとも最先端医療の粋を集め、国外から患者さんを集めて猛烈に稼ぐような高収益事業に乗り出すか?はっきりまだ見えて来ませんが、医師はその中でも収益の鍵となるため、医師としての業務に専念することが可能となるかと思います。

 


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