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代理母は世界的な流行です・・・ [医療]


いつでもそうですが、医療の先駆けをする人は「誹謗」とか「毀誉褒貶」がつきものです。もちろん、倫理的な条件が伴わないと世間に受け入れられないこと、法律的な条件がまだ不備があること・・・それらも含めて「拒絶」されたりするのは仕方ないことかもしれません。



先日も、ある学会で、心臓カテーテル検査のさきがけをした医師について教えてもらいました。彼の名前はヴェルナー・フォルスマンといいます。ウィキペディアの項目にはこうあります。



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ヴェルナー・フォルスマン(Werner Forssmann、1904年8月29日 - 1979年6月1日)は西ドイツエーベルスヴァルデ出身の医師。人間の心臓に初めてカテーテルを通した人物として知られている。



1929年、彼は腕を切開し、自身の心臓の右心房に尿カテーテルを通した。その後、自ら放射線医学の部署まで階段を降りて行き、レントゲン写真を撮って心臓にカテーテルが入っていることを確認した。彼はこの一件で病院を解雇されたが、心臓の研究への貢献により、1956年度のノーベル生理学・医学賞を受賞した。



フォルスマンはベルリンで生まれ、ベルリン大学を1929年に卒業した。

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いつもトラックバックを下さる「お医者になるのは大変ですね」のブログの方には、このノーベル賞を受賞した経緯などが詳しくそしてその時代も含めて書いてあります。ご参考までに。

心臓カテーテル:自分で自分を切り裂いた男


『「人間はモルモットじゃない」「だいたい心臓に管をいれるなど、患者に言える訳がない。」など反対意見ばかりで当時の学会は、この実験結果を倫理的に認めなかった。』



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さて、心臓カテーテルも時代を経て、現代では「当たり前」、「必須」の技術となりました。代理母はあくまで、実験的要素があり、非常に厳しい視線にさらされていますが、では、不妊症の女性は「挙児願望」を我慢せよ?あるいは「孤児を引き取れ?」でしょうか。

ハリウッドのセレブの人たちが、40年以上前から若さを保つために美容形成を当たり前にやっていることを「現代」の人たちがやっていること。結局は、時代を考えねばなりません。



日本の弥生時代に「中国」では紙や文字を発明して使用していました。日本では6~7世紀の時代まで伝来しなかったようです。もちろん、紙は倫理的な問題はありません、代理母は「人体実験」かもしれません。でも、すでに産業化しているのは事実です。裏も表も知っておく必要があるでしょうね。



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●Cover Story

格安で最先端医療を受けようと途上国に向かう「医療ツーリズム」が世界で急増。

医師も患者もボーダーレス化する医療市場の未来とは 40



医療観光



人材 医師の頭脳流出が医療制度を破壊する 45

インド 外国人が殺到する不妊治療の光と影 46



李明博の韓国改造計画 16

韓国 「アジアのサルコジ」CEO大統領を待ち受ける抵抗勢力と反米感情  

■独占インタビュー 「5年後に一流国家になる」 19



<以下略>



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外貨獲得のために医療技術を磨いた人を活躍させ、ニーズのある患者を海外から集める産業を「メディカルツーリズム」あるいは「医療観光」といいます。そして、インドまで渡る人、不妊のカップルが本国から押し寄せる様子は、もうずいぶん前から当たり前です。日本国内で法規制を厳しくするのは構いませんが、海外の状況とあわせて考えなければなりません。認めないのは仕方ないのですが、これが「現実」です。日本の考え方が「非常識」とは言いません。また海外が常に正しいとも言いません。でも、必要なのは「医療」もまた国境を越えて広がりを得る性質のもので、規制を国が厳しくしても、求める人は国境を越えてしまうことがあるということです。

ぽち

  なかのひと


↓ついでにこっちも参考までに

イギリス:海外へのメディカルツーリズムは危険?


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インドで代理出産がブームに 不妊の外国人カップルらが依頼


日刊ベリタ 2006年04月25日



経済発展が目ざましいインドの女性たちが、子どもを持てない外国人カップルのために代理出産を引き受けるケースが目立っている。米英などに比べ、代 理出産の費用が3分の1程度で済むことも手伝って、代理出産を扱うインドのクリニックには外国から照会が多数寄せられている。貧しい生活を余儀なくされて いる女性たちにとって、代理出産で得られる謝礼は貴重な資金になっており、今後も増え続くと予想されている。(ベリタ通信=有馬洋行) 



代理出産は、男性の精子を代理母の卵子と結合させる方法もあるが、インドでは、代理母は、別の場所で受精した卵を自分の子宮で育てるもので、文字通り「子宮を貸す」だけの格好になるという。精子や卵子の提供者は、本人の場合もあれば、そうでない場合もある。 



子どもを求める外国人カップルは、長年不妊に悩み、疲れ果ててインドのクリニックに訪れている。勿論、地元のインド人のカップルにも相談に乗ってい る。 米サンガブリエル・バレー・トリビューンは、インドでの代理出産の増加傾向の様子を「妊娠のアウトソーシング(外部発注)」といった表現で形容して いる。 



代理出産の数については正確な記録はあまりないようだが、米国で初の代理出産が行われたのは1979年という。1992年の推計では、米国では4000人の赤ん坊が代理出産で生まれている。 



米国で代理出産を行うと、費用は全部で2万ドルから2万5000ドルかかる。これをインドで行うと、飛行機代を含めても3分の1の7200ドル程度で済む。 



米紙ロサンゼル・タイムズによると、代理出産を行うインド人女性の年齢層は18歳から45歳。大半が貧しい若い女性で、代理出産に応じる第一の目的はお金だ。 



子どもを生んだ場合の謝礼は2800ドルから5600ドル程度。一人当たりの年間の国民所得が500ドルのインドでは、数年分の所得を一人赤ん坊を産むことで稼ぐ勘定だ。この結果、夫が代理出産を応援することがしばしばだ。 



■規制する法律はなし 



インドには米国と違い、代理出産などを規制する法律はなく、女性が搾取される恐れもある。またインドでは年間10万人の女性が妊娠中、または産後に死亡しており、安易な代理母ブームを警戒する声もある。 



さらにインドの地方では、代理出産を軽蔑する傾向もあるため、人によっては妊娠中は自分の夫の子どもだと偽り、出産後は「死んでしまった」と言って、ごまかす女性もいる。 

一方、代理出産を前に両親になる予定のカップルと、インド人の代理母が契約書を交わし、赤ん坊が生まれた後に、親権は主張しないなどの取り決めが行われている。 



米国では、出産後に代理母が親権を主張し、裁判沙汰になることが多い。しかし、インド人の医師たちは、子どものない夫婦に対して同情を寄せるインド文化が、こうした無用な摩擦を回避できると考えている。 



インドでは、子どもを産むことは神聖な義務と考えられている。このため、この義務に応えられない不妊のカップルに対する同情心が人一倍高くなっている。 またヒンズー教では、現世で善行を施せば、来世で報われるとの教えがあり、これもインドでの代理出産の増加の背景にある。 



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日経BizPLUS コラム
インド ニュース&トレンド

治療と休暇の融合、インドの医療観光


 シカゴ在住の消防士、ジョン・コンウェイ氏(43)は最近、ハリウッド・ スターのブルース・ウィリスの写真を数枚持参し、ニューデリーのガンガーラーム病院を訪れた。彼は病院の職員に対し、ブルース・ウィリスそっくりになりた いと申し出た。その手術には1600ドルかかった。


 退院したコンウェイ氏は、「私は消防士だ。それにふさわしい外見でなければ」と述べた。


 彼の母国では消防士は人々から尊敬される存在であり、そのため彼はマッチョなイメージを維持したかったのだという。コンウェイ氏はまた、姉と母親が顔のしわ取り手術のためにインドにやって来る予定であることも明かした。


 コンウェイ氏は、インドの病院に押しかける医療「観光客」の1人である。インドの治療は安価な上に、世界最高レベルに等しい。


 医療観光に限れば、インドは今や、おそらく世界で最も人気のある旅行先である。2005-06年、インド以上に医療観光の話題を独占した国は他に ないだろう。しかし、政府と民間病院はインドを医療観光のリーダーにするために、さらに力を注ごうとしている。心臓手術と股関節置換手術の分野においてイ ンドが世界の最先端を行っていることはよく知られている。


 先進国での医療費の高騰、海外旅行の容易化と費用の低下、世界の諸国における医療技術や医療ケアレベルの改善など、多くの要因が医療観光の人気を 後押ししている。インドの医療産業の最大の魅力は、低価格の治療にある。インドの治療費用は、米国や英国での同等の治療の費用に比べ、差の大きいものでは 10分の1と推定されている。


 例えば昨年4月、チェンナイを拠点とする病院、マドラス医療ミッションは、87歳の米国人患者の複雑な心臓手術を、8000ドルという格安の費用 で成功させた。この費用の中には、旅費、1ヶ月間の医療ケア、宿泊の費用も含まれている。同患者は、これよりも簡単な手術が米国では4万ドルかかったと述 べている。また、整形外科手術は米国では1万8000ドルかかるが、インドではせいぜい4500ドルである。


 「予防人間ドック」も人気が急上昇中だ。ロンドンの民間診療所で、男性が血液検査、心電図検査、胸部X線検査、肺検査、腹部超音波検査などを含む フルコースの人間ドックを行ったら、その費用は345ポンド(574ドル)にはなる。一方、それと同様の検査をデリーの医療ケア企業マックス・ヘルスケア で行ったら、費用はたったの84ドルである。つまり、西洋やその他の先進国の医療観光客は、インドにおいて、母国の4分の1から8分の1の費用で治療を受 けられるというわけだ。


 さらに、発展途上国からも多くの患者がインドにやって来る。なぜなら彼らは自国で質の高い治療を受けることも、欧米で法外な費用の治療も受けることもできないからだ。そのような患者には、ケニア、バングラデシュ、ミャンマーなど、アフリカや南アジアの人々が多い。


 インドの病院は西洋に比べてより個人向けの治療を行うことで知られている。インドの病院の術後死亡率はわずか0.8%で、これは米国の主要な病院の半分以下である。


インドは、世界レベルの医療施設、複合専門ヘルスセンター、そして美容整形手術、歯科治療、心臓手術、冠状動脈バイパス、心臓検査、弁置換手術、膝 代替手術、眼科治療などの分野に特化した病院を擁している。これらの病院が採用している治療方法の多くには、アーユルヴェーダ・セラピーやヨーガなどの伝 統的治療法も採り入れられ、現代医学と伝統医学を融合させたあらゆる側面からの治療が施されている。


 さらに、多くの患者は医療パッケージに加えて、母国での高額な治療に費やされるはずだった浮いたお金を使って休暇を楽しむ。多くの病院は旅行会社 とタイアップして、休暇と医療の両方をセットにしたパッケージを提供している。例えば、患者は整形外科手術を受けた後、ゴアやケーララの医療レジャースパ においてリハビリをすることができる。デリー、ジャイプル、アーグラーの黄金の三角形ツアーのついでに、インドで健康診断を受けるという人も多い。


 推定によると、過去数年間で15万人近くの外国人が医療目的でインドにやって来た。今日、インドの医療観光市場は7億ドル規模であり、2012年までに20億ドルに達すると見られている。


約50年前には、もしインド人が何か複雑な病気にかかったら、米国もしくは英国まで治療に行っていた。だが、もうその習慣は消え去ってしまった。そればかりか、今やインド自身が世界の医療観光の目的地になっているのだ。


[2月10日]

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