SSブログ

張子の虎を崖から突き落とすな!救急医療を誰が壊しているのか? [医療崩壊]

 

 産経新聞の救急医療についての理解は低いままです。新聞が読めるくらい健康な人にとってみれば、医療崩壊が遠い現実で、「医者」を悪者にすることに専念した、毎日新聞や産経新聞をはじめとするマスコミによる「【主張】妊婦たらい回し また義務忘れた医師たち」の論説が去年は本当に目立ちました。

 その記事を読んで現場を知らぬ者の中には、「断った病院」は恥を知れとまでののしる新聞社の記者も出現したものです。まさにマスコミによる医療崩壊の幕開けでしたな。

  救急医療を不眠不休でがんばっていた医者を一方的に責め続け、疲労困憊した医師たちをさらに「英気」をなえさせるような最低レベルの社説を堂々と載せて全国の医師が、集中電話や投書をもらいまくるような低レベルの論説委員に給料を支払っているのはどこの会社ですっけね?

 まぁ、社会の木鐸として報道する「義務」は大切ですね。しかし、マスコミさんのおかげで、救急病院で働いても、患者さんには「感謝」されないわけです・・・。

  そして今回の報道は、たとえて言うなら、宅急便の運送時間について問い合わせしても、届いたら中身が壊れてたとか、届け先がないから適当に届けていたとかそういう「クオリティ」をチェックしないんだもの。

 救急隊が大切?そのあとの患者さんを治療する病院や救急センターの方がよっぽど大切じゃないのかな。

 こんな報道意味なくね?>産経さん。

 救急現場の医師の意見を聞いても、適当に「芸能ニュース」と同じレベルで読者が喜ぶような記事を書くように訓練されすぎじゃない?社会の木鐸としてどういう風にしたいのかね?

 大阪府知事選挙にこの記事じゃ「救急医療について問題解決」にならんよ。まぁ、朝日の方がまだましだったな。 ぽち

  なかのひと

-------------------------------------

病院への搬送難しくなった 大阪府の救急搬送実態調査

産経新聞 2008/01/24

 救急搬送患者の受け入れ拒否が相次いでいる問題で、産経新聞社が大阪府内の全自治体消防にアンケートしたところ、「2、3年前と比べて救急現場が明らか に変化した」と感じている消防が9割近くにのぼっていることが24日、わかった。理由の半数以上が「受け入れ病院の確保が難しくなった」ことをあげてお り、「出動回数の増加」「医療の細分化」なども多かった。また、救命救急センターにも調査した結果、11カ所中10カ所で「医師不足を感じる」と回答。搬 送側と受け入れ側の双方の問題が改めて浮き彫りになった。

調査は府内33カ所の全消防本部と、全11カ所の救命救急センター(3次救急病院)に質問書を郵送して実施。すべての施設から回答があった。

「2、3年前と比較して明らかな変化を感じる」と考えている消防は29カ所。このうち15カ所が病院側の受け入れが難しくなったことを理由に挙げてい た。中でも、2次救急施設の不足を訴える声が目立ち、「(重篤な患者が運ばれるはずの)3次救急への収容が増加した」(吹田市)、「2次救急施設で消化器 内科が地域に1つだけになり、他の医療圏内への搬送が急増した」(泉佐野市)など具体的な事例をあげる消防もあった。

「出動件数の増加」を理由に挙げた消防は6カ所あり、「緊急性のない患者もみられ、救急車の適正利用が年々なされていない」(柏原羽曳野藤井寺組合)。 「医療の細分化」も6カ所が挙げ、「当直医が『専門外』を理由に断るケースが増加している」(高槻市)、「医師の専門意識が強くなり、医療機関のリスクマ ネジメントが強くなった」(八尾市)。逆に、「患者側も専門医の受診を希望する傾向がみられるようになった」(松原市)との声もあった。


また、119番の覚知から病院搬送までの時間については、平均して「25分前後」の消防が多かったが、最高では「「195分」「275分」などがあった。


一方、11カ所の救命救急センターへのアンケートでは、夜間の当直医の数が2~3人の病院が8カ所、最高は千里救命救急センターの8人。千里をのぞく 10病院が医師不足を感じる」と回答しており、理想の当直医数は「5人程度」(泉州)、「平日4人、休日5人」(三島)などが多かったが、「症例数が増えており、理想の数は計算不能」(大阪市立総合医療センター)との回答もあった。

============================================================

 現場の声で運送屋(失礼ながら、あえていう。処置しながら運んでいる場合もあるが、引き受けてくれるのなら病院ならどこでもいいから運んでいるという感じなのだよ>もう最近は)に聞いたって、悪い結果しか見えてこない。記者には原因が見えていないのだ。

この記事で大切なのは最後の4行だけ。運ぶ過程はもう報道されきっているし新しい事件などない。報道する価値はアンケートしましたってだけ、意味ないじゃん。
医師の労働負荷やバーンアウト(燃え尽き)寸前の状況などちっとも調べないで、「書くな」よな・・・普通に、こういうのは根っこがあるに決まっている。

ちなみに、僕が救急病院で働いていたところは、新しく救命センターの資格をとるために、当直医がICU専属を含めて、6人いないと救命センターの資格はもらえないから当直医を増員した(当直回数が増えただけですが)と聞いていましたがねぇ。

当直医がたった2-3人で救命センター?他の人間は透明人間?実質、終戦前の関東軍のように張子の虎みたいな病院が増えているのを知らないのね・・・お気の毒様。

当直医が不足したままの救急救命センターはまさしく「偽装国家にっぽん」ですね。「センター」として資格を得てから、実態を事務屋が偽装しているんですよ。

マスコミは、いつからそういう「諸悪」をお許しになるんですか?>新聞社さんは。そういうセンターを誰が運営していて監督しているんですか?

大阪府や地元の自治体、病院の管理者たちでしょ。ちゃんと役所の役人の責任も追及しないと絶対に良くならない!府民がお笑い票が集まる人から、府知事や代議士を選ぶ土地柄だからこそ、起きている不幸ともいえますが、さらに
マスコミが質の悪い記事を書いて、正常化を「妨害」しているんですよ。

============================================================

大阪府の救急医療は破綻寸前 問題の背景とは

産経新聞イザ!02:08

救急医療は破綻(はたん)寸前」-。産経新聞が大阪府内の自治体消防や救命救急センターに行ったアンケート調査。返信された用紙には医師や救急隊員の 悲痛な叫び声があふれていた。回答を分析すると、問題の背景には救急医療現場に携わる人々の「心身疲労」▽搬送される頻度の高い「2次救急病院の減少」▽ 縄張り意識ととられかねない「医療の細分化」-の主に3つの要因が浮かび上がる。

■右肩上がり

「心身の疲労」については、回答があった府内11の救命救急センターすべてが挙げていた。大阪市総合医療センターは、「月7~8回の当直。翌日も夕方まで」、三島救命救急センターは「看護師の希望者が減少し、退職者が増加した」と劣悪な勤務状況を訴える。

背景には、根本的な医師や看護師不足に加え、救急出動件数そのものが増えているという事情がある。大阪府によると、府内の平成18年の出動件数は49万8526件。14年からの4年間で約7万件増加しており、その数は右肩上がりだ。

中河内救命救急センターは「理想では現在の2倍の医師が必要」。急性期・総合医療センターは「複数回拒否された事例を受けざるをえない場合が多く、業務に負荷がかかっている」としており、各施設で受け入れ拒否が日常化している様子が伺える。

■しわ寄せ

近大医学部附属病院救命救急センターでは搬送される人員の中で、本来なら2次病院に向かうべき患者の占める割合が約20%。さらに「治療後に医師が2次病院の転院先を探してもなかなか見つからない」としており、
3次病院の慢性的な満床にもつながっている。

大阪府医師会の調査では14年に府内に288件あった2次病院は18年末には265件に減。医師不足や補助金の削減など要因は複合的だが、そのしわ寄せが“最後のとりで”である3次救急に及んでいる。

また、関西医大附属滝井病院高度救命救急センターでは16年春の研修医制度改革に疑問を呈し、「研修が義務化されて以降、外へ出た人が医局に戻らなくなった。勤務実態を見て若い人が尻込みしてしまうのではないか」。


泉州救命救急センターでは「13年間、若いスタッフの増員はない」という。

■本音

患者側のモラル低下や
マスコミ報道による悪影響の例も多く寄せられた。「治療を受けて当たり前という態度の患者が目立つ」「受け入れ拒否がセンセーショナルに報じられすぎる」「医療のコンビニ化を避けるキャンペーンがほしい」…。

いずれも救命医らの本音だろうが、患者を搬送する救急隊側からは医療の細分化による“縄張り意識”を指摘する声も多い。「同じ内科でも腹部、胸部など対応 する医師が違い、さらに病院確保が難しくなった」(河南町)。「医師の専門意識が強くなり、医療機関のリスクマネジメントが強くなっている」(八尾市)。

ある救命医は「専門医資格を持っていない分野に手を出して、何かあればどうするのか、訴えられるぞ、という考え方が今の医師が持っていることは確か。
医師が萎縮(いしゅく)している面もある」との声を寄せていた。

================================

 まぁ、救急救命医の本音と、さりげなく大切なところを流していますが、「萎縮」をさせるように、テレビや新聞が熱心に魔女狩り報道してましたもんねぇ。断らざるおえない状況だった病院を次々と「たらい回し」の諸悪の根源みたいに・・・。こんな報道の取材につきあわされる医師も気の毒だ。13年も新人が入らないような施設も含めて、とっとと早く救急医療から撤退した方がよさそうですな。

================================

大阪がけっぷち 08知事選(5)

朝日新聞 2008年01月22日


――救急病院 減少数ワースト3位

《搬送拒否 相次ぐ富田林》

 「何とか受け入れ、お願いできませんか」

 16日午後9時半、富田林市消防本部3階の通信指令室で、職員が電話に頭を下げている。三つの病院から患者の搬送を拒否された救急車から「搬送先を探して」とSOSが入ったのだ。

 同市では昨年末、89歳の女性が30病院に搬送を拒否され、翌日死亡した。

 「2年前までは立て続けに患者を搬送しても、病院は取ってくれたんやけど」。救急車に乗って15年のベテラン救急隊員(45)は語る。

 最近は、通報を受けて患者の元へ向かう時点で心臓がドキドキし始める。もし重篤な状態なら、受け入れ先が決まらなければ死に直結するから だ。車内で酸素吸入や心臓マッサージをしながら携帯電話で搬送先を探すが、なかなか決まらない。患者の容体はどんどん悪くなる。不安が全身を襲う。

 昨年も、心肺停止状態の患者が10病院以上に断られ、搬送先の病院で死亡が確認された。隊員同士で顔を見合わせるとみな、激しく憔悴(しょうすい)している。「こんなストレスが、勤務時間の24時間ずっと続くんです」

 搬送拒否の原因の一つは、府内の救急病院の減少だ。人件費も訴訟リスクも高い救急は、診療報酬が低く抑えられるなか、病院経営の重荷に なっている。入院・手術が必要な重症患者に対応できる病院は2年前より14カ所減った。うち半数の7カ所が、同市を含む河内地域に集中。都市部に比べて救 急病院が少ないだけに、打撃は大きい。

 同消防本部は、年間約6千人の救急搬送者の約60%を市外へ搬送する。「市外になると病院との付き合いも薄くなり、搬入先を探すのが難しいのが現実」と幹部。

 救急病院の減少は、最も危険な状態の患者を受け入れる「救命救急センター」にもしわよせを及ぼしている。

 同市西隣の大阪狭山市の近畿大付属病院が、この地域唯一のセンター。いつ危険な患者が運ばれてもいいように集中治療室に空きを作っておか ねばならないのだが、いつも満床に近い。植嶋利文医師(43)は「救急病院の減少で、病状が安定しても転院先が見つからないんです」とあかす。
=おわり

■救急病院、2年で14カ所減

 1次救急(軽症患者を診る)、2次救急(入院や手術が必要な患者を診る)、3次救急(重篤患者に対応)の3種類の病院のうち、救急医療の中核ともいえる2次救急病院の減少が激しい。

 朝日新聞の調べでは、この2年間で174カ所減。大阪は14減で、福岡県、東京都に次いでワースト3位だった。民間病院が多いため、国の医療費抑制政策の中、人手がかかり報酬の少ない救急を縮小する傾向がみられる。

 地元の病院に受け入れを断られるなどして管轄区域外に搬送する率は平均19%だが、泉大津市67%、泉南市59%、富田林市58%など、半数以上を管外に頼る消防本部もある。

――わたしも一言

 ●溝川秀敏・富田林市消防本部次長
救急病院が減ると別の病院に患者が殺到、その病院の医師が疲弊して辞めていき、また救急病院が撤退するという「負の連鎖」の中で、救急搬送時間が延びている。行政は医師不足の解消など、根本的な解決策を考えてほしい。

 ●坂田育弘・近畿大付属病院救命救急センター長
救急は長時間の連続勤務が続き、その間、ずっと緊張感を持たなくてはいけない。しかも医師不足。救急医はみな疲弊している。そんな中、「病院は昼は込む から」と、軽症なのに、重症患者のために開けている夜間救急に来る人が増えている。救急医の負担は重くなる一方だ。患者側のモラルも求められている。

 ●多田利喜・富田林市長
一自治体の努力だけでは問題は解決しない。

 人件費や施設維持費が膨大にかかる救急病院への補助金は、1病院あたり年間わずか150万円。府が強力にバックアップしてくれないと、どの病院も救急指定を受けたがらない。

 ●昨年末に30病院に搬送を断られて翌日死亡した富田林市の女性の遺族
搬送時間が長かったから亡くなったとは思っていない。でも、どうして30もの病院が断ったのか、どうして同じようなことが相次ぐのか、本当の理由が知りたい。

================================

 救急車を引き受ける と年間150万円もらえるって?。ところで当直の医師や看護師を一人づつ増えると人件費がいくら余計にかかるか計算したことはあるんだろうか?>行政もマスコミさんも。

ファーストフードでも深夜は1250円だが。医師の場合、昼間も働いて、さらに夕方5時から翌日朝8時まで13時間ぶっ通し勤務で、しかも仮眠をとって寝ていることにされて「時間外割り増し賃金」なしで、不眠不休で働く。
さらに、そのあと翌日も通常勤務が当然オプションでついてきて、睡眠不足で医療事故をおこしやすくさせられ、刑務所に近づくというありがたい仕組み。常勤の医師の当直料は高くても2-3万円。
もらいすぎ?違うでしょ・・・奴隷みたいに働かせすぎですから。最近の正看護師のアルバイトのお給料、いいとこだと2万円以上するのね・・・汗。研修医よりたけーじゃん汗。


http://kangosibaito.livedoor.biz/archives/516475.html


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。