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大阪の救急医療崩壊は未来の日本の救急医療の姿 [医療崩壊]

 残念ながら「また」しても『たらい回し報道』に始終するおろかなマスコミ、それに同調するブログが目立ちます。特に、産経新聞などは、【主張】妊婦たらい回し また義務忘れた医師たち以来、営々として「医者叩き」をして、正義派ぶっている新聞、テレビにあおられて、現場への理解が不足しています。去年の奈良県の報道も含め、おおよそ理性的、建設的じゃありません>マスコミ各社。

 読者の気持ちとしては「断るなんて、ひどい」というのは簡単ですが、以下の事情について理解していないと、この事態を招いていることを理解できないのでしょう。

 一言。「グラフを見ればいい」、この救急車の出動件数の増加に伴って、「病院数」が増えたと思うのか?それとも医師が増えているのか?否。




救急救命士の仕事
みんな人殺し~救急隊員の出場状況~


↓これは大阪市の救急隊の出動件数の推移である。これを見てどう思う?病院の医師が10年で1.5倍以上に増えた?そんなわけはないのである。

 【1】 出場件数・搬送人員
救急件数~昨年20万件を超えて、なお上昇傾向続く、 救急車は約2.6分に1回出場
平成17年中の救急出場件数は、20万5,036件(対前年比2,568件、1.3%増)、搬送人員は17万9,661人(同1,014人、0.6%増)で、前年と比較すると共にやや増加し過去最多となりました。
なお、1日あたりにすると、出場件数は約562件で、時間に換算すると約2.6分に1回救急車が出場したことになります。
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 世の中に、「重病」となるような急病人が増えたように思わないこと。安易に利用する人が増えて、現場が「悲鳴」をあげているのである。マスコミの表面上、救急が大変とか言うが、「受け入れを拒否」しないと、目の前にいる患者さんの命も危うくするような事態になってしまう現状を知らないままに報道するおろかなマスコミに踊らされている皮肉な現象だ。

 昨今は、「何でも救急車」だが、恐ろしく件数が増えているのを認識できないのだろうか?それを「病院が断るなんてひどい!」んじゃない。ひどいのは、利用者のモラルだ。だから救急医療が崩壊しているのだ。こういうのは、自分たちの胸に手を当ててみるがいい。

 昼間からの子供に熱があるのに、夜中になってあわてて受診する・・・。急性アルコール中毒だと言って、忘年会や新年会の飲みすぎで救急車でよびつける・・・こういった状況で、医師が過酷な状況なのを無視してきたのは、政府であり国民です。

 残念なことに大都市近郊ほど、救急医療体制は崩壊している。それは住民の意識が「(無料なんだから)救急車は呼べばいい」という意識になっているからではないのか?よく考えてほしいものである。
ぽち

  なかのひと 


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コメント 1

マッキー

はじめまして
いつも興味深く拝見させて頂いております。
『たらい回し』と報道されている記事を見るたび怒りを抑えきれなくなりますね。
と言いますのも、主人が某大学病院で救命救急医として働いており、妻として極限状態の彼の姿を目の当たりにしてるからでしょうね。
何も知らない、無責任な発言 そして勤務医を過労死させようとしているがごとくな国の対応に救急医療に幻滅している感じです。
救命の勤務医の現状は 想像以上に過酷です。
 
休みは月に1回あるかないか、1日15時間勤務当たり前、医師不足のため拘束時間が長すぎる、連日のたらい回し報道により訴訟のリスク増(受け入れなくても 処置をしても訴えられてしまいますね)、ドクターヘリ搭乗により死のリスク増、災害が起こるとボランティアで派遣される
災害派遣は県によって対応が違うらしいのですが・・・

これだけのリスク 過重労働にも関わらず、月に報酬は35万円・・・・・
アルバイトしなければ生活できませんよね


続けてなんていけませんよね
生活のため 生きていくため 救急の現場を去ることに決めました。
新しく別の医師が入るということもないらしいです。
日本の医療はどうなってしまうのでしょうかね・・・

長々と失礼しました。救急医妻の愚痴と思い聞き流して頂ければ幸いです。
by マッキー (2008-01-05 18:48) 

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