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「受け入れ困難な現場の悲鳴」繰り返される悲劇 [医療崩壊]

大阪で、また気の毒な事件がありました。お亡くなりになられた患者さん、そしてご遺族には本当に年末に悲しいお別れとなってしまいました。ご冥福をお祈りします。

 ただ、今回も、医療機関や医師たちが、怠けたい一心で「たらいまわし」をしたかのようにいうマスコミの報道が目立ちます。

 時代錯誤の「【主張】妊婦たらい回し また義務忘れた医師たち 」といった「救急病院が救急車を断るなんて許せない!」みたいな「時代遅れの根性論」を展開するのではなく、断らざるおえない状況を、放置してきた行政の怠慢を現場からの声としてあげておきましょう。

 「今回の事件」の情報は詳細が不明ですが、念のために。救急病院は患者さんを全部断っているわけではありません。出来る限り引き受けたいというのがありますが・・・難しくなっているのは、 あるブログにこんな医療関係者のコメントがありそのとおりだなって思っています。

「  酔っぱらい、インフルエンザ、ノロのトリプルコンボ喰らっている最中。どうにもならんね。
えぇ、もうこのシーズンは急性アルコール中毒(救急車&病院にとって困るんです)、インフルエンザとノロウィルス(昼間からある熱発や下痢で夜中に薬がないのか?と押しかけられても・・・汗)がはやっており、救急病院の外来は夜でも軽症患者さんを中心とする「自称・急患」の患者さんで大繁盛です(もちろん中には、「重症」な方が混じっているので大変です。そういう症例のことを落とし穴に感じるので、アメリカだとpitfallといいます。ちなみに、トリプルコンボってわからなければ三重奏です。


それから、
「救急車も必ずしもその患者さんにふさわしい病院を選んでいる」
とは思わないことです。福島県でも、交通事故で頭の外傷がある患者さんを脳外科医が一人もいない病院におしつけちゃったし、今回もまた、救急車が軽症と判断して、「重症」の患者さんを、軽い病気しか見られない普通の病院に紹介しようとしていた気がします。

この患者さんを診ていないのでわかりませんが、出血性ショックだったのなら、もう即「大学病院」やら「集中治療センター」に送るべきです。そこまでひどくないと救急隊が判断したので、とりあえず手当たり次第に「どこでもいいから引き取って・・・」では助からないということです。

もちろん、現場の救急隊員の大変さもわからんでもないのですが、「高齢者や小児は急変しやすい」ということを念頭に考えれば、送り先を適切な施設にお願いできないギリギリの綱渡りを奈良県や兵庫県と同様にやっているということです。

さて、現場の医師たちの悲鳴も聞いてください。えぇ、これを読んでから「医者は24時間寝ないで働くのが当たり前」というか、それとも「とっくに定年をすぎている開業医の先生も夜中まで働け」というか?どうぞ。

医者のくせに・・・!とかは自由ですが、日本はそれで戦争に負けたんですよ。「根性があれば竹やりでB29は落とせる」とか、「大和魂があれば必ず神風が吹いて・・・」妄言にそそのかされちゃって、アメリカに卑怯な爆撃をくらい、さらに原爆落とされて日本中が焼け野原になったのをお忘れか?。

だから、マスコミが報道するままに信用して、現場(今頃、救急病院の外来の待合を見てみなさい・・・小児科の救急なんて3時間待ちですよ)を見ないで「お前らの働きが悪いじゃ!」とか言っていると、焼け野原になりますよ。それはどういうことか?簡単ですよ。救急病院がどんどん減る。救急隊の受け入れ先が「もっともっと減る」でしょうね。

それが今の産科医療です。東京の真ん中の病院へ福島の病院から「妊婦さんの受け入れお願いします」というのが日常です。それがもっと遠くに運ばれることになるのです。奈良県の「受け入れ困難」の事件を「たらいまわし」という非常識な言葉で攻撃をしたマスコミ各社。その結果、奈良県のお産難民はゼロになりましたか?

厚生労働省のお役人は、「医師の偏在」を言いますが、来年の春から、一気に改善しますか?教えてください。国のやろうとしている「医療費削減」は、そのまま「イギリス型医療崩壊」を招く可能性があります。それを実行しているのは政府です。弱者である患者さんを切り捨てる羽目にならないか?そういう視点が必要です。ぽち

  なかのひと 




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<外科系学会社会保険委員会連合>の「日本の医療費について」より

勤務医の我慢は限界まできている  ―労働基準法は医師には適用されない―

しかし、医師や看護師などの医療従事者や病院にとって、今の医療環境は大変に苛酷なものです。それでもこれまで何とかやって来られたのは、病院の医療従事者の医療に対する情熱と犠牲があったからです。

大 衆迎合主義に流されているわが国のマスコミは医師を攻撃することには熱心ですが、医療現場の実情をあまり報道しようとしません。平均すると週70時間をこ える病院医師の労働時間、当直で徹夜をしても代休も交替要員もなく翌朝からまた外来や手術などの通常勤務をこなさなければならないなど、労働基準法を全く 無視した過酷な医師勤務体制、一人で病棟の深夜夜勤をして翌朝には二人の患者を時間通りに手術室に運ばなければならないような看護師の勤務体制によって、 今の病院医療は何とか持ちこたえてきたのです。

前米国大統領クリントンの夫人のヒラリー・クリントン氏は、日本の医師を評して「聖職者のごとき献身」と絶賛しています。

患者さんやマスコミからは「3時間待ち、3分間診療」とお叱りを受けていますが、病床100当りの医師の数や、看護師の数が米国のたった1/5というわが国の現状では、もうこれが限界なのです(図10)



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<救急搬送>受け入れ先2時間決まらず高齢女性死亡 大阪

毎日新聞 2007/12/28

救急搬送 30病院に断られ死亡 
大阪府富田林市で25日、体調不良を訴え救急搬送された女性(89)の受け入れ先が約2時間決まらず、隣接する河内長野市内の病院で死亡していたことが  分かった。この間、府内の30病院に要請したが、「ベッドが満床」などの理由で断られ、そのうち同市内の病院が再度の要請で受け入れたという。病院に収容  される直前に容体が急変した。救急搬送をめぐっては、昨年8月、奈良県の妊婦の転送先がすぐに見つからず、死亡するなど各地で問題が生じており、体制の不 備が改めて浮き彫りになった。

富田林市消防本部などによると、25日午前4時49分、女性の家族から「嘔吐(おうと)や食欲不振を訴えている」と119番通報があった。8分後に救急車が自宅に到着し収容した。女性は意識があり、救急救命士が酸素投与の応急処置を行った。

救急隊員と通信指令室は、市内や近隣市、堺市、大阪市などの30病院に計35回にわたって受け入れを要請。しかし、「ベッドが満床」「当直医が手術中」などと相次いで断られた。この間、救急車は自宅近くの国道付近で待機していた。

いったん断った河内長野市内の病院が受け入れを了承。女性は午前6時40分に搬入される直前、救急車内で意識がなくなり、病院で死亡した。【中本泰代】

▽溝川秀敏・富田林市消防署長のコメント 医師不足や診療科目が限られているなどの条件が重なった。救急隊は精いっぱい努力したが、結果的に命を救えず残念に思っている。今後は病院や医師会に協力をお願いし、こういうことがないよう最大限努力したい。 
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