SSブログ

[常識?非常識?]医療(費)には限界がある [医療]

損賠提訴:大腸がん死亡は病院の検査ミス 遺族が小山市を相手取り /栃木

毎日新聞2007/08/21

 大腸がんで死亡した真岡市の女性(当時66歳)の夫ら家族3人が、小山市民病院の検査に「見落としがあった」などとして、同市を相手取り約3400万円の損害賠償を求める訴えを宇都宮地裁に起こしたことが、分かった。同病院が20日、同市議会議員全員協議会に報告した。

 訴状によると、女性は98年、同病院で胃がんの手術を受け、04年9月までに内視鏡、CTなど計4回の検査を受け、「再発転移なし」との診断を受けた。しかし女性は05年3月、自治医大病院で大腸がん、肺転移と診断され、手術を受けたが同年5月、死亡した。

 家族は「必要な検査を尽くさず、CT検査では大腸がんを見落とした」として、遺失利益や慰謝料などの請求訴訟を7月提訴した。

 市民病院側は「検査に落ち度はない。極めて急速に進行した悪性腫瘍で、診断時には把握できなかった」と説明している。【佐野信夫】

毎日新聞 2007年8月21日

-------------------

 こういう記事を見ると・・・手術後の検査費の「自己負担」を増やすしかないかなと一瞬思ってしまいました。

 患者さん側としては、十分な検査してもらえなかったという無念さある程度は仕方ありません。

 しかし、医療保険で関係のない大腸の検査まで行うかというと疑問です。もちろん、症状がなく進行も速かったのかもしれません。ただ、医療サイドとしてはこれ以上の医療費を増やすなという「お上」の意向を考えると、矢鱈と高額なCTやMRIを行うのは、無理です。

 マスコミが安易につくる悪徳医師のイメージなら、3ヵ月ごとに画像検査、血液検査…といった具合に、検査漬けにした方が採算性が良いのですが、保険診療の枠には限界がありそんなのは無理なんです。

 

 いずれにせよ、「胃がん」と「大腸がん」は別個です。肺への転移も含めて、ご遺族にとっては一度救われた命が、別の病気でなくなったことまで、医師の責任なのか?

 

 これに対して法の裁きを必要とするような大きな過失があったのか?もう少しご遺族の方には冷静に見つめて欲しいのですが…もちろん「症状」があって、患者さんの訴えを無視するようなことがあれば、それは確かに問題ですが、根本的には患者さんの病気を全て見逃すなというためには相当、お金がかかります。

 さて、今回の事件を、検査ミスという形で報道してみえるマスコミですが、最初から「検査ミス」と断定した原告側の主張をそのまま見出しに使うのはそろそろ控えてもらえませんか?あくまで訴訟は判決が出るまでは、ミスなのかは未決です。

 今後、陪審制度も含めると「報道」の力で、判決が歪むのが怖いです。

 いずれにせよ医療過誤訴訟改革で医師急増@テキサスでもご紹介したように、これ以上の医療崩壊を防止する意味で、医療訴訟で得られる賠償金の上限を決めるのも…悪くないかもしれません。もちろん、国会でも相当もめるでしょうが・・・医療訴訟については問題は山積しています。

 国民の誤解を解くためにも「医療費には限界がある」ことを厚生労働省も言うべきでしょうね。 

ぽち 
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:健康

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。