大学・冬の時代 [病院経営]
運営費交付金が研究室の生死を握る
法人化して3年を経過した国立大学法人。運営交付金の毎年1%削減ががボディブローのように効き、多くの研究現場では厳しい現状を突きつけられている。試薬が買えない、秘書を雇えない、学会にいけない、一方で提出する書類は増える一方──。競争原理の導入で格差が広がる大学の今をリポートする。
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こんなレポートで大学の窮状が紹介されていました。競争原理とかって経済競争の場面とかではいいのですが、貧乏な国立大学の研究費をさらに貧しくさせるようなことして、研究基盤としての大学が危うくなりすぎるほど削ってしまい、それで「イノベーションジャパン?」…ありえないように思います。
文中で運営交付金の増減割合のシミュレーションという表がのっていました。増えているのはほとんど旧帝大系ばかり、あとは減額されまくり。これでは地方大学にいては、研究どころか学生の指導もままなりません。
さらに医学部だと大学病院への運営費交付金の様子をみると、真っ先にカットされています。赤字にしないで、兎に角稼げ!ってことですな。
大学病院への補助金削減は小泉さんの号令で始まったようです。きっと、最初に財務省の目をつけられたのが、大学病院でしたが、結局、本省には直接関連性の少ない外側にある部局が真っ先に狙われたとも言えます。
大学病院はたしかに教育の現場であり、しかも高度医療機関としての役割も持ち、各都道府県の最高の医療機関であることを求められます。しかし、お役所仕事で、稼ぎの元となる医師の給与は決して高くない現状を考えると、大学病院で働く医師のモチベーションの一つが実験できることだったかなと思うのですが、昨今の大学病院の経営建て直し掛け声はたしかに一部は正当ですが、急性期病院としての機能を上乗せされ、忙しくなっていくばかりの大学病院で医師として働きながら、研究をしている先生がたの労働環境や研究環境が、さらに厳しくなっていやしないか心配です。
また、一部の大学では潤沢な資金をもらえ実験するのが不自由なくできるのでしょうが、そのほかの大学では実験どころか研究室の維持すら困難になる・・・状況って技術立国日本、大丈夫なのか?と心配になりました。ぽち→
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